2020.07.21

災害対策に更なるSTXの活用を。”STX友の会”のご案内。

今月7月3日以降より熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨により多大な被害が発生し、各地に大きな被害がでました。また新型コロナウイルスと豪雨が重なり、浸水による工場の操業停止や一部店舗の休業が続き、物流も一部地域で停滞など経済活動にも多大な影響が出ています。

被災者/罹患者の方々には心よりお見舞いを申し上げると共に、そのような状況下の中でも少しでも皆さまへ為になる情報提供しお役に立てればと思い、今回も以下の3つのトピックをご紹介させて頂きます。

災害対策に更なるSTXの活用を。”STX友の会”のご案内。

冒頭でもお伝えしたとおり今回発生した集中豪雨により各地に多大な被害をもたらしました。農林水産業の発表によると現状全ての調査はまだできていない様ですが、7月14日時点では被害総額が熊本県や鹿児島県を中心に35都道府県で推定191億円という数字になっています。

農地/農業用施設関連の被害も同様にその多くが調査中ですが被害額は約48億円程度、農作物/畜産物及び農業用ハウスの倒壊や農業機械/食肉処理施設の水没などでは約10億円程度が把握されている様です。この短い間にこれだけ多くの被害が確認されている事に驚かされます。

当社はこれまでの様々な災害の場面で微力ながら復旧/復興への支援に努めて参りました。その中でも農業向けの主力製品であるSTXは従来材よりも約2倍強い為、既存の構造/仕様で活用すれば強度を2倍以上に、一方で逆にこの2倍以上の強度を活かし部材数を1/2未満減らすことでも同等以上の耐久性で農業用ハウス等を実現できます。

特に2つ目の必要十分な強度を保ちながら支柱のピッチを飛ばすアプローチは、1棟あたりに必要な部材も減り、曲げ等の加工も減り、施工も早いということなるので、今回の様な災害に於ける農業用ハウスの復旧や建替えには、時間的にも経済的にも貢献できるのではと考えています。

一方で私たちの力不足もあり、STXによって従来材のハウスと比べどの様な構造や仕様が可能になり、どうやって農家の皆さまに安全/安心の面でも経済的な面でもお役に立てるかがまだまだ明確にはなっておりません。その様な状況を踏まえて提案させて頂きたいのが私たちが組成したSTX友の会へのご参加です。

STX友の会は農業業界を中心に日本製鉄と共同開発したハイテン鋼管STXの活用を、お取引先やご興味を持ってくださる方々と協力/連携することで、もっとエンドユーザーの皆さんのお役に立てる様にできないかと考え発足されました。

STX友の会で皆さまと一緒にSTXを活用し、農業用ハウスを始めとする低コスト耐候性の構造物の開発と普及によって施設園芸の発展を促進し、気象災害の多い日本に於いても少しでも多くの方々が安全/安心/健康にハツラツと活躍する未来を創って参ればと考えております。

STX友の会に関するご質問や参加のご希望があれば、ご遠慮無く営業担当者または以下のフォームにてご連絡/ご相談頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。

抜かりなく管端にもサビ防止!!大和鋼管の品質を支える職人ワザの管端塗装。

以前のメールマガジンで当社のポストジンク/パーフェクトポストジンクについてご紹介させて頂き、その外面は全周メッキという製法や厚い純亜鉛層と薄い合金層、その内面は金属製の防錆焼付塗装や犠牲防食の効果等でサビに強いことはご理解頂けたのではと思います。そこで残るサビへの課題はパイプを切断した切り口である管端です。

どのメッキパイプでも切断してそのままにしていたら当然鉄地がむき出しになっているので赤サビ発生の原因となります。”パイプの管端部分から赤サビが・・・。”というご経験をされた方もいるのではないかと思います。

災害対策に更なるSTXの活用を。”STX友の会”のご案内。01

折角買ったパイプがそのような事態が起こらないよう、当社では面取りを行なった後にパイプの管端に製造現場の仲間が丁寧に亜鉛を豊富に含み強力な耐食性を持ったジンクリッチペイントと呼ばれる防錆塗料を施しています。

災害対策に更なるSTXの活用を。”STX友の会”のご案内。02

この防錆塗料により切断した管端部分からのサビ発生をしっかり防ぐことができ、安心してパイプを使って頂くことができる訳です。是非当社製品を見かけるチャンスがあれば、私たちのパイプの管端部分をその眼で確かめて頂ければと思います。

また軽仮設の資材置場や実際の建築現場では傷や凹んだ部分を切断し、短くなったパイプを再利用する事も多くあると思います。長年パイプの管端の補修を行なって来た私たちの仲間は正にその道のプロです。何かご質問やご懸念等御座いましたら、ご遠慮無く当社にお問合わせください。現場現物での経験を活かした対応でお応え致します。

またまた謎の数字が・・・。更に奥の深い角パイプ重量計算。

前回のメールマガジンでは、丸パイプの重量計算および鉄鋼業界でパイプを扱う方にはお馴染みの0.02466の数字についてご説明させて頂きました。次は当然の如く角パイプの重量計算をここで詳しく説明させていただければ幸いです。

角パイプの重量も丸パイプと同様に、下記の計算式の通り各サイズの角パイプの長さに角パイプ1m当たりの重量(kg/m)を掛ければ出てきます。

 角パイプの重量(kg)=角パイプの長さ(m) x 角パイプ1m当たりの単位重量(kg/m)

では、角パイプの1m当たりの重量(kg/m)をどう出せばいいのか?実は計算するだけなら丸パイプと同じく極めて簡単で、角パイプのサイズつまり各短辺と長辺の長さと肉厚がわかれば、以下計算式を使い計算し、出てきた数値をJIS Z 8401に基づく数値の丸め方によって有効桁数3桁に丸めると求められます。

 角パイプ1m当たりの単位重量(Kg/m) =0.0157 × 肉厚 × (短辺 + 長辺 - 3.287 × 肉厚)

正直この計算式だけ見ても私は初めは全く理解ができませんでした。そこでここからはかなり複雑な計算式になりますが、図や式でゆっくり分解して説明をさせて頂きますので、最後まで読んで頂けると幸いです。

まずはじめに角パイプの1m当たりの重量(kg/m)をだす際に頭に入れておいて頂きたいのは、角パイプは厳密には綺麗な真四角ではなく角が丸みを帯びている四角っぽい形だということです。すごく当たり前のことなのですが、ここがそもそもこの数式を理解する上でのポイントになりますので、シッカリとご認識頂ければ幸いです。

災害対策に更なるSTXの活用を。”STX友の会”のご案内。03

角パイプの重量計算の際には、一般的にはこの角が丸みを帯びている部分を肉厚の2倍を半径/肉厚の4倍を外径とした円として計算をします。言葉だけでは分かりにくいかと思うので、角パイプを分解した図をご用意しましたので、以下を確認して頂ければ幸いです。

災害対策に更なるSTXの活用を。”STX友の会”のご案内。04

先ずの部分についての計算は、以下の計算式で求める事ができます。
 の面積 = [短辺の長さ − (半径=肉厚 × 2) × 2] × 肉厚 × 2
      = [短辺の長さ − (半径 × 2 = 肉厚 × 4)] × 肉厚 × 2  
      = [短辺の長さ × 2 − 肉厚 × 4 x 2] × 肉厚  
      = [短辺の長さ × 2 − 肉厚 × 8] × 肉厚  

続いての部分も赤と同様に以下の計算式で求めます。
 の面積 = [長辺の長さ − (半径=肉厚 × 2) × 2] × 肉厚 × 2
      = [長辺の長さ − (半径 × 2 = 肉厚 × 4)] × 肉厚 × 2  
      = [長辺の長さ × 2 − 肉厚 × 4 x 2] × 肉厚  
      = [長辺の長さ × 2 − 肉厚 × 8] × 肉厚  

の部分は前回のメルマガで説明させて頂いた丸パイプの計算式と同様に、丸パイプの板厚中心部の直径を外径−肉厚で出し肉厚を掛けて算出するのですが、緑の部分を肉厚の2倍を半径=肉厚の4倍を外径とした円としているので、下記の様に肉厚の3倍に肉厚と円周率を掛ける事で算出します。「メルマガバックナンバー 2020.07.13配信 【大和鋼管工業】豪雨災害への支援に関して

 の面積 = (外径 − 肉厚) × 3.1416(=円周率) × 肉厚
= (肉厚 × 4 − 肉厚) × 3.1416(=円周率) × 肉厚
= 肉厚 × 3 × 3.1416(=円周率) × 肉厚

ここからがとても複雑なので、角パイプの断面積を計算する為のを全て足し合わせる数式の纏め方を一つひとつ追ってみると・・・

角パイプの断面積
の面積 + の面積 + 緑の面積

”赤/青/緑のそれぞれの面積に式を埋め込む”
{[短辺の長さ × 2 − 肉厚 × 8] × 肉厚} + {[長辺の長さ × 2 − 肉厚 × 8] × 肉厚} + {肉厚 × 3 × 3.1416(=円周率) × 肉厚}

”× 肉厚を{}の外に出して纏める”
= {[短辺の長さ × 2 − 肉厚 × 8] + [長辺の長さ × 2 − 肉厚 × 8] + 肉厚 × 3 × 3.1416(=円周率)} × 肉厚

"− 肉厚 × 8"を短辺/長辺の[ ]から出す”
= {[短辺の長さ × 2 ] + [長辺の長さ × 2] − 肉厚 × 8 − 肉厚 × 8 + 肉厚 × 3 × 3.1416(=円周率)} × 肉厚

”短辺/長辺の[ ]をとり、2つの"− 肉厚 × 8"を"− 肉厚 × 16"に纏める”
= {(短辺の長さ × 2 + 長辺の長さ × 2) − 肉厚 × 16 + 肉厚 × 3 × 3.1416(=円周率)} × 肉厚

”短辺/長辺の( )の外にx2を出す”
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ) × 2 − 肉厚 × 16 + 肉厚 × 3 × 3.1416(=円周率)} × 肉厚

”後半"− 肉厚 × 16"と"+ 肉厚 × 3 × 3.1416(=円周率)"を「− 肉厚 ×」で纏める”
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ) ×2 − 肉厚 × (16 - 3 × 3.1416(=円周率))} × 肉厚

”{ }の外にx 2を出して、{ }内をそれぞれ÷2する”
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ) × 2 ÷ 2 − 肉厚 × (16 - 3 × 3.1416(=円周率)) ÷ 2} × 肉厚 ×2

”前半の「×2 ÷ 2」を「×1」に纏める”
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ) ×1 − 肉厚 × (16 - 3 × 3.1416(=円周率) ÷ 2} × 肉厚 ×2

”後半「÷ 2」を( )内に入れる”
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ) ×1 − 肉厚 × (16 ÷ 2 - 3 ÷ 2 × 3.1416(=円周率)} × 肉厚 ×2

”( )内でそれぞれ「÷ 2」を計算する”
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ) − 肉厚 × (8 - 1.5 × 3.1416(=円周率)} × 肉厚 × 2

”( )内の計算を全て計算して数字を纏める”
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ) − 肉厚 × 3.287} × 肉厚 × 2

ついに「角パイプの断面積 = (短辺の長さ + 長辺の長さ − 肉厚 × 3.287) × 肉厚 × 2」の 数式が完成しました!

ここで「角パイプの断面積 = (短辺の長さ + 長辺の長さ − 肉厚 × 3.287) × 肉厚 × 2」に鉄の比重である7.85を掛け、長さのミリをメートルにする単位調整の為に1,000で割る計算をすれば角パイプ1m当たりの単位重量がでる筈です。

角パイプ1m当たりの単位重量
= 角パイプの断面積 × 鉄の比重 ÷ 1,000
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ − 肉厚 × 3.287) × 肉厚 × 2 } × 7.85 ÷ 1,000
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ − 肉厚 × 3.287) × 肉厚 × 2 × 7.85 ÷ 1,000
= {(短辺の長さ + 長辺の長さ − 肉厚 × 3.287) × 肉厚 × 0.0157

これを並び替えると見事に冒頭に示した「0.0157 × 肉厚 × (短辺 + 長辺 - 3.287 × 肉厚)=単位重量(Kg/m)」という角パイプの単位重量(Kg/m)の計算式になりますよね。まるで人類の難問であったフェルマーの最終定理を解いたアンドリュー・ワイルズの気分です。これで終わりにしたいと思います。

いかがでしたか?私も理解するのにかなり苦戦しましたが、”なぜこの数字になったのか?”物事の本質を知ることはより理解もできそこから得られる情報は多くあるんだなっと改めて実感をしました。では”JIS Z 8401に基づく数値の丸め方ってどうやるの?”と疑問には次回以降のメールマガジンにてご紹介させて頂ければと思いますのでご期待下さい。


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