庸車 (ようしゃ)

"庸車（ようしゃ）"とは、運送会社において繁忙期などで車両が不足したときに、他の運送会社の車両を一時的に借り受けて行う輸送業務、もしくはその車両のことを指しています。正式には、"利用運送"という言葉が使われています。
"庸車（ようしゃ）"は、「庸兵＋車＝庸車」から生まれた造語であると考えられており、"庸車"と"傭車"という2つの漢字表記があります。これらの表記はいずれも正しく、どちらを使用しても特に問題はありません。

運送会社が他社に"庸車"を依頼する際には、"貨物利用運送事業"の登録や許可が求められています。そのため、運送会社は"貨物利用運送事業法"に基づいた申請書を作成し、運輸局を通して国土交通大臣に提出する必要があります。

"庸車"は、一般的には聞き慣れない言葉ですが、トラック輸送業界では広く日常的に使われている言葉であり、それほどまでに多くの会社で"庸車"が利用されています。

トラック輸送業界では自社車両を十分に持たない会社も多くあることから、"庸車"を利用することで輸配送業務が成り立っている会社も多く存在しています。一般の方々から見ると"庸車"は、いわば陰ながら物流業界を支えてくれている存在と言えます。