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安全意識アンケートの深掘り④:上司や先輩、仲間が危険な行動や乱れた服装をしていたら注意・指摘ができますか?―年齢別分析と自由記載から見えた指摘の難しさ

作成者: 中村 慎市郎|2025.06.10

大和鋼管の中村です。今回のブログは、当社の現場若手社員“池田さん”が行ってくれた“安全意識に関するアンケート”を踏まえた取組の4回目になります。

質問として“⑤上司や先輩、仲間が危険な行動や乱れた服装をしていたら注意・指摘ができますか?”と尋ねた上で、”⑥ ⑤の回答に対して【いいえ】と答えた方は具体的な理由の記入をお願いします”という要請しへの回答を更に深掘りしてみました。

具体的には、仲間が出してくれた回答を年代別に分析/統合した上で、【いいえ】と答えた仲間の自由記載の内容を生成AIを活用し纏め、更に改善策を導き出す事で、製造現場の“0災害の追求”を深めて行く取組になっています。

また今回も、ブログの構成にはOpenAIのChatGPTの力を、アンケート結果の分析/統合にはGoogleのGeminiの力を借りて、効率の向上と提供する情報の質の向上に取り組んでいますので、皆さんの安全にまつわる情報提供の参考にしていただければ幸いです。

池田:中村さん、先日のアンケートで“上司や先輩、仲間が危険な行動や乱れた服装をしていたら注意・指摘ができますか?”という設問の年齢別の分析がまとまりました。今回は、数字の内訳と、【いいえ】と答えた方の具体的な理由についてご報告したいと思います。

 

中村: いいね。あの質問は“風通しの良さ”と“職場の安全文化”を測る上で、とても重要な指標になる。年齢別の傾向って出ていたのかな?

 


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<安全意識アンケート 結果③>
Q:上司や先輩、仲間が危険な行動や乱れた服装をしていたら注意・指摘ができますか?
    •    はい: 102件(87.9%)
    •    いいえ: 14件(12.1%)
    •    回答数: 116件

年代別の回答者の回答とその割合

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池田: はい、頼もしいことに全体では87.9%の方が“指摘できる”と答えていますが、年齢によって若干の差がありました。特に30代・40代では“できない”と感じている割合がそれぞれ22.6%、16.7%と、やや高めでした。

 

中村: なるほど。“若すぎず、ベテランでもない”世代が、上下の板挟みにあいやすいのかもしれないね。

 


池田: そうかもしれないですね。【いいえ】と回答された14名のうち12名から自由記載をいただき、その内容を生成AIで分析したところ、主に以下の5つの理由が浮かび上がってきました。

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【いいえ】と回答した方の主な理由(自由記載を踏まえて生成で分析/統合)
   •    回答数:12件/14件 (85.7%)

  1. 相手への遠慮・配慮: 上司や年上の先輩に対して、気分を害しないかを気にしてしまい、言いづらい。
  2. 現場事情の理解不足: 現場の慣習や実情を知らず、判断に自信が持てない。(特に事務職の方に多い傾向)
  3. 過去の経験による諦め: 以前に注意しても改善されず、言っても無駄だと感じている。
  4. 状況に応じた判断: 明らかに危険でない限り、少しの乱れや軽微な行動では言いにくい。
  5. その他: 事務所勤務で作業のリスクに直結しないと感じている。(個別事例として、“ポケットに手を入れたまま歩くポケットハンドに気づくが言い出せない”といった具体的な困りごとも確認)

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中村: 非常にリアルな声だね。“指摘できない=無関心”ではないというのがポイントだ。むしろ“信頼関係を壊したくない”“言いたいけど言えない”という葛藤があることがよくわかる。

 


池田: はい、安全意識はシッカリとあるんですが、それを具体的な“行動”に変える難しさがあるようです。だからこそ、僕たちはその“ギャップ”を埋める為の工夫が必要だと感じました。

以下、生成AIで導きだした”今後の改善に向けた主な対策案”です。

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今後の改善に向けた主な対策案 (自由記載を踏まえて生成AIで分析/統合)

  • 風通しのよい組織文化の醸成: 上下関係に囚われず、誰でも意見が言い易い“心理的安全性”の高い職場づくり。
  • 安全教育の充実: 服装や動作が引き起こす事故のリスクを可視化し、ルールの背景を理解する場の設計。
  • 声かけ・指摘の伝え方トレーニング: 相手に受け入れられやすいコミュニケーション技術や言い方の練習。
  • 管理職の率先垂範: 上司自身が模範となって安全行動を示すことで、周囲も自然にそれに倣う文化を育てる。

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中村: 生成AIを使って、ココまでの分析/統合ができるんだね。この結果をそのまま鵜呑みにはできないが、色々と参考になる点はありそうだ。現場の仲間の意見を踏まえて、どこまで実践するか検討してみよう。

 

池田: そうですね。特に、“声かけトレーニング”は、僕たち若手にとってもありがたい取り組みになるかもしれません。経験が少ない中で仲間の間違いを指摘するって、とても不安ですし、意外と経験やノウハウがいると感じています。

 

“勇気”ではなく“方法”として覚えて実践/反復し、習慣にしてしまえば、もっと自然に言えるようになるよ。今回の分析をきっかけに、そうした仕組みを取り入れていこう。


池田: はい。誰かが指摘しやすいということは、周りが安心して働けるということですから、安全に関しては、年齢や立場に関係なく、何時でも気兼ねなく“注意できる職場”を目指して、前向きに取り組んでいきたいです。

 

中村: “その意識が、必ず“0災害の追求”の実行性/実効性を支えてくれる。声を上げること、受け止めること。それが私たちの安全文化の柱だと、今回改めて実感したよ。

 

 

アンケート結果から、全体の87.9%が「上司や先輩及び仲間の危険な行動や服装に指摘できる」と答える一方で、30代・40代を中心に「指摘しづらい」と感じている方も一定数いることが明らかになりました。

その背景には、立場への遠慮、判断への迷い、過去の経験、状況による判断など、複雑な理由が絡み合っていました。

今後は、心理的安全性のある組織風土づくりの為に、安全教育の見直しやテコ入れを行った上で、具体的な伝え方のトレーニング等を検討すると共に、役職者や先輩の”真っ当、前向き”な姿勢を通じて、“誰もが自然に注意し合える職場環境”を築いていきたいとおもいます。

”一言の声掛けが、仲間を守る第一歩になる”―その意識を、我々自身が周囲の一人ひとりと共有しながら、『0災害の追求』を徹底に邁進して参りますので、引続き宜しくお願い致します。

また皆さんともザックバランに情報共有/意見交換しながら、この取組を深めて行きたいとも考えておりますので、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡いただければ幸いです。

最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる、“為になり、役に立つ”情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎