ブログ | 大和鋼管工業株式会社

"面取り"で滑らかな管端を実現!!安全/安心なメッキパイプの為の製品仕様について詳しく解説。

作成者: 三浦 佐和子|2024.05.21

お客さまにメッキパイプを安全/安心にお使いいただく為に、私たち大和鋼管がこだわっている加工作業・製品仕様の1つに"面取り"があります。

"面取り"されていない鋼管製品も世の中には多くありますが、この加工作業・製品仕様一つで、作業者の怪我の防止といった安全面やそれに伴う作業性/生産性に大きく影響する為、私たちは"面取り"を重要視しています。

今回は、この"面取り"について詳しく解説します。ぜひご参考にしていただければ幸いです。

"面取り"とは

"面取り"とは、機械等で切断した素材の縁に発生する角部分や"バリ"と呼ばれるギザギザした突起物を落とし、鋭利な部分を無くす加工作業もしくはその製品仕様のことです。

"面取り"は私たちの身の回りにあるテーブルや棚、冷蔵庫やスマートフォン等、様々なモノの製造過程で行われている、非常に身近な加工です。

また、料理で煮崩れを防ぐ為にじゃがいもや大根、かぼちゃやにんじん等の角を削ぐ"面取り"を行う方も多くいらっしゃると思いますが、行われる作業の中身や期待される効果の意味合いは基本的に同じです。

メッキパイプ製造における"面取り"の目的は煮崩れ防止ではなく、主に以下の3つです。

  1. 怪我の防止
  2. 作業性の向上
  3. 品質トラブルの防止

もし木材をノコギリで切ったご経験があれば、切り落とした時に、木材の縁にギザギザやトゲトゲができた記憶があるかもしれません。メッキパイプも同じで、切断加工後は鋭利な角や突起物が発生します。もし角や"バリ"に素手で触れると怪我をする恐れがある為、"面取り"を行うことによって滑らかな丸みを作り、怪我を防止します。

また、精密さが求められる設計の場合、素材に角や"バリ"が残ったままでは上手く組み立てができない可能性があります。表面や縁を綺麗にする"面取り"は寸法の精度も高め、作業性や生産性の向上につながります。

さらに、"面取り"は品質トラブルの防止にも寄与します。もし鋭利な角や"バリ"が他の部品に接触した場合、傷を作ったり、スムーズな部品の可動を妨げたりするリスクがあります。"面取り"にはこのようなリスクを避ける効果もある訳です。

つまり"面取り"を施すことで見た目も良くなるだけでなく、使用上のトラブルを防ぐことができます。私たちは、"面取り"はメッキパイプをお客さまに安心してお使いいただく為に欠かせない加工作業・製品仕様だと我々は考えています。

大和鋼管の"面取り"方法

大和鋼管では、"面取り"を主に機械で、一部を手作業で行なっています。それぞれについて、流れをご説明します。

機械で"面取り"するときの流れ

私たちの造管ラインには、自動で"面取り"を行う設備が備わっています。ライン上でパイプを指定された寸法にカットした後、面取り機を通して管端部分の仕上げを行います。"面取り"は原則3面で行い、イメージは以下の通りです。

図:3面 面取りイメージ


上記の図のように、3面からアプローチして"バリ"を徹底的に無くします。数本〜数百本の小ロットの場合においても、またチップソー等の切断機で切断を行った後にも面取り機による"面取り"を行います。

手作業で"面取り"するときの流れ

機械だけでなく、一部のパイプは手作業で"面取り"を行います。その際は、基本的に"グラインダー"という研磨/研削用の電動工具を用い、パイプの用途に応じて"刃"を付け替えます。

具体的には、足場管の場合は砥石の"刃"を使用し、テント材や仮設材で見た目が重視される製品ではサンドペーパーを重ねた"ペーパーサンダー"を使用します。

"グラインダー"にはパイプの内面用と外面用があり、両方を使い分けます。外面には一般的な"グラインダー"を使用しますが、内面は"ベビーグラインダー"という、片手で持てるくらいの小さなグラインダーを使用して仕上げます。

実際に"面取り"を行っている作業員の山道さんによれば、「"グラインダー"の扱いで気をつけることは、パイプの平面に"刃"を当てないようにすることです。平面を不用意に"グラインダー"で削ってしまうと、そこに斜めの切断面ができてしまうからです」とのことでした。

また、「製品を受け取ったお客さまが、バリがあることで怪我をしてしまわないように、一本一本注意しながら仕上げています」とのメッセージももらいました。

"面取り"で安全/安心に仕上げる大和鋼管のメッキパイプ

徹底的に使用上の安全にこだわっている私たちのメッキパイプ。様々な製品を取り揃えておりますので、ご紹介します。勿論どの製品も基本的に"面取り"も行っています。アナタのお役に立てる一品が見つかったら幸いです。

スーパーライト700 (SL700)

「従来の足場管よりも、軽くて扱いやすく且つ強度の高い製品を」との想いで開発された軽量単管パイプが、"スーパーライト700 (SL700)"です。仮設足場としての活用は勿論のこと、農業用支柱や枠組み及びDIYの素材等、足場管という枠を超えてさまざまな用途で活躍しています。

STX

"STX"は、農業向けの用途を中心とした、耐久力と復元力を併せ持つ高張力鋼管です。農業向けの用途を中心とし、栽培棚や農業用ビニールハウスといった構造物の強度向上/コスト削減に貢献します。

バタ角

コンクリート打設の際に使用される四角形のメッキパイプで、アルミ製のモノと区別して”鋼製バタ角”とも呼ばれています。全周均一メッキによる優れた耐久性と加工性の高さが特徴です。”バタ角”に特化したブログ記事もありますので、ご興味を持っていただけましたら、是非ご覧ください。

 ブログ:大和鋼管のバタ角ってどう?!当社の提供する鋼製バタ角とその付随サービスについて。

まとめ

今回は、製品を安全/安心して使っていただく為の作業、"面取り"について詳しくお伝えさせていただきました。

"面取り"自体は私たちの生活においても身近な作業であり、金属製品であるメッキパイプの安全性にも"面取り"は大きく関わっています。私たちは、これからもお客さまに安心してお使いいただける製品を造ってまいります。

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最後までお読みいただき、感謝申し上げます。私たちは引き続き皆さまの"為になるお役立ち"の情報を発信して参りますので、何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました。