大和鋼管の中村です。前回の安全ブログでは、顕在意識で“0災害の追求”を“真っ当、前向き”に進めていく上でポイントとなる“仕事に取り組む姿勢”についてお話ししました。その二回目として、“Oppose Then Commit (オポーズ ゼン コミット) = 意見してから本気で取組む”についてお話しできればと思います。
繰り返しになりますが、大和鋼管を含む我々one to ONEグループでは、以下の八つのポイントを仕事に取り組む上での“身に付けるべき姿勢”として掲げています。
Never Lie to Yourself (ネバー ライ トゥ ユアセルフ) = 決して自分に嘘をつかない
Oppose Then Commit (オポーズ ゼン コミット) = 意見してから本気で取組む
Tough and Competent (タフ アンド コンピテント) = 不屈に有能である
Agile (アジャイル) = 俊敏である
Lean (リーン) = ムリ・ムダ・ムラが無い
Open (オープン) = 開かれている
Networked (ネットワークド) = 仲間及びパートナーと協力・連携していく
Empowered (エンパワード) = 信頼され、やる気が高い
その二つ目にあたる“Oppose Then Commit (オポーズ ゼン コミット) = 意見してから本気で取組む”は、“協議では異議/異論は必ず予め示し、方針が決まったら納得し全力を尽くす姿勢”と説明されています。
この前提にあるのは、我々一人ひとりは各々の経験/知見を踏まえて異なる意見を持っていて、そのことは集団としての“強み”にも“弱み”にもなるという点です。
異なる意見や見解は、実行すべき取組を“検討”し“判断する”際には、より多くの選択肢を提供して効果的な判断を可能にする、重要な要素になります。
一方で実行する取組を決定し具体的な行動に入る際に、採用された選択肢以外を引き摺る事は集団としての“纏まり”を損ね、心理的にも肉体的にも不安全な状態をつくり出してしまいます。
ここで重要になるのは、下された“判断”が”自分の意見と違っていたとしても、“自分のモノ”だと思えるか否かです。
決定された取組が“自分のモノ”だと思えると、我々はソコに“責任”を感じて主体的に動く事ができますが、そうでないと“無責任”になり易く受け身で動く様になってしまいます。
ではどうすれば、決定されたれた選択肢を“自分のモノ”だと思えるのか?
その選択が自分の意見と一致していれば、当然そこでなされた“判断”は”自分のモノ”と感じられる訳ですが、実は自分の意見が選択されなくても、決定プロセスに自身が“主体的”に関与できていると思えれば、人はその決定を“自分のモノ”と感じられます。
例えば自身の住んでいる場所に原子力発電所ができる事と、原子力発電所がある場所に自ら引越す事は、明らかに心理的に負担に差が生じます。前者は自身の意思に反してコトが起こるので心理的負担が重く、後者は自身の意思でコトを起こすので心理的負担はより低くなる訳です。
つまり集団としての“判断”に重要なのは、その“決定プロセス”に関与できたという“実感”で、その“実感”を引き出すには、“決定プロセス”において臆さず一人ひとりに“意見”を言って貰うことが肝心です。
特にその意見が“異議/異論”であれば尚更なのですが、実際には人の目を気にしたり人間関係の摩擦を避ける心理が働いたりして、実現する事は中々、困難です。
具体的な対策として有効なのは、紙に書いた上でその内容を読んで貰う手法や、予め一人ひとりに発言して貰う枠組みを設け全員の意見を収集する方法で、何れもコミュニケーションのやり方を工夫する事で心理的負担を軽減し、結果的に”決定プロセス”への関与を増やすことを実現しています。
“0災害の追求”を実現して行く上で、一人ひとりがどのような“気持ち”、つまり心理状態で業務に携わっているかは、極めて重要な要素だと我々は認識しています。その過程においては、ベストな選択肢が明確でない状況や、意見や見解が大きく対立してしまう事象は日常的に発生します。
そういった時ほど先ず、“Oppose Then Commit (オポーズ ゼン コミット) ”です。
“意見してから本気で取組む”コトを実現すべく、決定プロセスとなる協議で異議/異論は必ず予め示してもらう方法を工夫し、そして方針が決まったら一人ひとりが納得し全力を尽くす姿勢を引き出す、それが“0災害の追求”を推進する上で極めて重要なポイントな訳です。
このブログでは、可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に“0災害の追求”の更新に挑み、行動していきたいと考えています。
今回の“安全ブログ”の内容や我々の“0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。
最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる、“為になり、役に立つ”情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。
大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎