ブログ | 大和鋼管工業株式会社

“責任の取り方”について

作成者: 中村 慎市郎|2025.03.04

大和鋼管の中村です。我々は、仕事の中で多くの“失敗”をします。そしてその“失敗”に対しては、常になんらかの“責任”を問われることになります。

特に“製品”、“設備”、“人財”が物理的に作業を行う製造現場での“安全”に関する“失敗”は、当事者にとっては直接的且つ重大で周囲に大きな影響を及ぼし、また管理職や経営者の場合は、直接的に“失敗”に関与しなくてもいわゆる“管理”や“監督”の“責任”を問われる為、取り返しのつかない事象への深い自責の念や、自分だけでは解消できない複雑な感情を生みます。

その様な状況で如何に“責任”をとるのかは、常に二つの“納得感”によって評価されます。それは“自ら”と“社会”によるものです。

各々の組織において理想的な“責任”の取り方とは、“自身”も“周囲”も納得できている状態、つまり“個人”と“社会”に折り合いがついている状態ですが、これは中々、一筋縄ではいきません。 

何故なら、“納得”という意思決定は、常に一人ひとりが自身で独自に行うからです。

”失敗”をした当事者である“自身”は、恐らく発生した“失敗”に関して“最も知識と経験がある”ことになりますが、それを評価し判断する“周囲”は、必ずしも“最も知識と経験がある”とは限りませんし、そこに自分が知らない事が存在するという想像力、つまり“無知の知”への気付きが伴うかは分かりません。

その為”失敗”直面すると、少なからず誰しもが、「責任が重くて“自身”が壊れそう。逃げたい。」と思ったり、「責任を取っても“周囲”が許してくれなさそう。割に合わない。」との考えに至ります。

これは極めて当然な感覚ですし、誰しもが生きていると普遍的に陥る状況ですが、残念ながらその状態を当事者として“目で見て、耳で聴いて、心で感じる”尊敬を得られるかは、評価する側の人間の素性や経験だったり、その組織の文化や伝統次第なので、”自身”の努力は影響を及ぼせますが、常に必要十分になるとは限りません。

では、“責任”はどう取るべきなのか?

恐らく絶対的な答えは永遠に明確にならないと思いますが、私自身の現時点で辿り着いたアプローチは、「“期限”を決めて徹底的に“探索”し、“Win-Win”を念頭に考え抜き、最後は“腹”で決める」です。

先ず“期限”を決めるのは、不本意に判断を遅くすると“周囲”から不満や批判が増え、“自身”の頭と心と体の健全さの維持が難しくなるからです。一方で、限られた時間でも徹底的に状況を“探索”すれば、少なくとも“自身”と“周囲”の期待/認識のスレ違いの多くは確認/把握する事が可能になります。

次に“Win-Win"を諦めずに考え抜くのは、“周囲”以上に“自身”が誠意を尽くしていれば、仮に全員からは無理でも少なくとも“自身”と一部の“周囲”からは納得が得られ、一定の心理的安全を担保できるからです。つまり“Win-Win”を諦めない事で、“自身”の納得感と“周囲”との関係性を少なからず両立できる訳です。

最後の「“腹”で決める」は結局、どこまで行っても“完璧”または“完全”に納得感を得るのは難しいでしょう。頭で考え心で感じるほど、さまざまな矛盾や可能性が渦巻く訳で、何処かで踏ん切りをつける必要があるからです。最終的には答えがないが、頭と心と体で総合的に判断する事で決断が可能になる筈です。

その上で極めて大事なのは、“期待はするけれど、依存はしない”ことです。

どこまで考えても何をしても、“人は思った通りにしか動かない/思ったとおりに動きたがる”訳で、これは“自身”も“周囲”も変わりません。影響を与えられることは徹底的に追求しながら、影響を与えられていないことを着実に見極め、如何に“失敗”を受入れ、発奮するかが肝心です。

「“真っ当、前向き”に、仕事の生き甲斐を、人生に生き甲斐を見出す」為にも、もう一度“勇気”を持って1/2の“責任”に向き合ってみてください。

そしてその過程に於いても一人で抱え込まずに、“自ら考え”、“仲間と共有”し、“行動する”ことです。それが“0災害の追求”を諦めずに“儲け続ける会社にする”ことに繋がり、会社という“社会”に於いて“自ら”の手で、“価値貢献と自己実現の両立”を最大化する原動力になるのだと思います。

この“安全ブログ”の内容や我々の“0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡いただければと思います。

最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる、“為になり、役に立つ”情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎