2024.02.21

1/2の責任について

大和鋼管中村です。過去2回の安全ブログでは、労災・事故を引き起す”集中力の欠如”と”集中力の過多”を回避する為に、如何に”程よい緊張感”を持続するのかについてお話ししました。

今回は、その前提条件となる”1/2の責任”について、私の考えをお話しできればと思います。

我々は”会社”という組織で仕事をしている際には、常にその役職/立場に応じて何らかの”責任”が付随し、その”責任”はより重い役職や立場では大きく、給与や賞与等の対価にも反映されています。

この”責任”は会社の全体性への感性をもって各々比較され、一人ひとり異なり、その人が”担当”する職務に応じて存在したりしなかったりします。

一方で、我々一人ひとりが組織に参加している”個人”の目線で”責任”を見つめると、起こっている事象に対して”賛同”するかしないか、”行動”するかしないかの二者択一を常に迫られており、その判断からの影響は我々が自ずと責任を負うことになる。そのことを、私は”1/2の責任”と捉えています。

つまり直接的か間接的かに関わらず、発生する事象に対して我々は常に、”1/2の責任”を負っている訳です。

そして会社での仕事に関わらず、我々が社会との繋がりを持っている限りそれは常に存在し、どう”1/2の責任”を果たすか果たさないかは、常に自分次第で自由裁量です。

この考え方に基づくと、会社を含むあらゆる組織にはその目的を達成する為に、”担当を伴う責任”と”担当を伴わない責任”が存在していると言えます。

良い会社や良い組織かどうかは、そもそも我々一人ひとりが”担当を伴う責任”を果たそうとしているか次第であることは勿論なのですが、如何に”担当を伴わない責任”を果たしている否かによっても、大きく変わってきます。

その最たる例が、”0災害の追求”です。

”0災害の追求”では、”担当を伴う責任”として安全管理の担当者や経営陣の役割や働きが問われますが、実際には直接的であれ間接的であれ、如何に”担当を伴わない責任”を一人ひとりが果たすかが、その組織がどう”安全”であるかの根本を決めていると私は思っています。

例えば、我々が現在進行形で取り組んでいる危険箇所への対策。安全管理の担当者の”担当を伴う責任”は、技術者や管理者及び作業者の知識や経験を元に、現場/現物/現実の対策を決め、その内容を説明し具体的な展開を図ることです。

しかし実際に労災・事故が発生するか否かは、直接的に如何に”担当を伴わない責任”として、一人ひとりの作業者が現場/現物/現実で展開される安全対策を実際に守るかどうか次第です。

しかし実際に労災・事故が発生するか否かは、直接的に且つ如何に”担当を伴わない責任”として、一人ひとりの作業者が現場/現物/現実で展開されている安全対策を、実際にどれだけ守るか次第です。

また間接的には、日々の業務の中で実際に危険箇所で作業を行っている作業者が対策を守っているか/守れているかをチェックしたり、”集中力の欠如”や”集中力の過多”を起こさず、”程よい緊張感”を継続できているかを気にして、実際に声を掛けるか否かは、何れも一人ひとりの判断に委ねられている”担当を伴わない責任”です。

更により間接的な影響として、営業担当者一人ひとりがお客さまのニーズを把握し高い精度で販売数量の予測を立てたり、人事の担当者が残業の計算を正確に行ったり、総務の担当者が一人ひとりの作業者の家庭の事情を把握できているか否かは、それぞれが”担当を伴う責任”として会社の業績の為に取り組むと同時に、”担当を伴わない責任”として”0災害の追求”に繋がっている訳です。

つまり”担当を伴う責任”を果たす事は当然として、如何に”担当を伴わない責任”の存在に気付き、どう正しく”1/2の責任”を果たせるかが、”0災害の追求”の有効性を分けます。

そしてソコに必要なのは、一人ひとりの心の中で顕在的にも潜在的も”嘘”をつかず、常に正しく”1/2の責任”を果たそうとする個人の”習慣”であり、会社/組織としての”文化”だと思います。

今回の”安全ブログ”の内容や我々の”0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。

 

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最後までお読み頂きありがとうございました。このブログでは可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に”0災害の追求”の更新に挑み、行動していきたいと思います。引続き宜しくお願い致します。ご安全に。

 

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎

 


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