2024.10.16

何故、“頻繁に話す”事が、“0災害の追求”にとって重要なのか?

大和鋼管の中村です。2024年07月30日(火)の重大労災を踏まえ、我々が如何に最も厳しい現実を直視する規律を更新し、“0災害の追求”に取り組んでいるのかを、過去4回の“安全ブログ”でご紹介してきました。以下のとおり、個人の“自己管理”として一つ、組織の“全体性への感性”として三つになります。

個人の自己管理”としての課題:
◦潜在意識で動いている際にも、どうすれば不安全な行動を回避できるか?

組織の全体性への感性”としての課題:
個人の資質及び経験/知見を踏まえ、如何に適時・適切に“安全教育”を実施できるか?
多くの安全への課題に対し、如何に優先順位を見極め、必要十分な“現場・現物”の対応を実現できるか?
各々の担当・職責を踏まえ、如何にヌケモレなく着実な意思疎通を以て“対策・施策”を実行できるか?

そして此等の過程を経て私自身が行き着いたのは、何時でも何処でも操業に携わる仲間一人ひとりに、“真っ当、前向き”な“0災害の追求”を、極めて自然に”自己管理”の中で実践/反復/定着させることで、当社の“文化”や“社風”に昇華することでした。

この取組を実現すべく私自身が行なっているのは、以下の四つの”0災害”を達成する為のチェックポイントを活用し、日々繰り返し進化し続ける目的に対する、一人ひとりの全体性への感性と自己管理を向上させていく事です。

“0災害”を達成する為のチェックポイント

  1. “0災害”に取組むチームの一員であることを自覚し、仲間と共に“0災害”を達成していく価値/可能性を、いつも積極的に表現しているか?
  2. “0災害”を達成して行く取組のなかで、常に効果が高いと思われる業務を優先しているか?
  3. 自らの“0災害”を達成していく取組について、仲間と頻繁に話し、上司や部下にしっかり報告/連絡/相談しているか?
  4. 0災害”の達成に関わる仲間の誰に対しても、やる気をなくさせるような発言や行動を抑止/回避できているか?

そういった取組を進めていく中で最近特に私自身が意識しているのは、三つ目のチェックポイントにある、“仲間と頻繁に話す”ことです。

何故、仲間と頻繁に話す”事が重要なのか?

先日、何時も本社工場に居る時には必ず行なっている工場巡視に於いて、入社2年目の若手の社員に、「今、ラジオ体操にキッチリ取組む事を徹底しているけど、それが“0災害の追求”にどう繋がっているかわかる?」と聞いてみました。前向きで正直な彼は、「いまいちピンと来ていない」と率直に答えてくれました。

また、安全に関する業務に携わる複数のベテラン社員から、「他社の危険体感研修を見学したい」や「ラジオ体操の指導員を呼びたい」等の提案があった際には、私が「コストを掛けずに直ぐできる取組も並行して行うならOK」と伝えていたのですが、直接納得を得るにはかなりの説明の時間を要しました。その場に居なかった仲間からは、私が折角の提案を否定したと誤解されました。

何れの場合も仲間と頻繁に話す”事が、0災害”という目的を達成する上で、ヌケモレに気付いたり期待スレ違いを解消したりするうえで、極めて効果を発揮すると感じてます。

若手社員のケースは“頻繁に話す”ことで、今迄認識できていなかった“伝わっていない”や、“理解されていない”が把握できた訳ですし、ベテラン社員のケースでは、そもそも“誤解が生じる”ことを回避できる可能性が高まるからです。

人は思った通りにしか動かない/思ったとおりに動きたがる”

これは青木毅さんという営業のエキスバートが、“質問型営業”の取組の中で繰り返し述べられている人間の行動原理ですが、「どうすれば潜在意識で動いている際にも、不安全な行動を回避できるか?」という問いに答える上でも、とても大きなヒントになります。
参考リンク: 質問型営業

そして営業マンは断ることを覚えなさい”という、知る人ぞ知る営業に関する書籍を書かれたコンサルタントの石原明さんが言っていたのは、「習慣”=”意識の深さ x 反復”」。つまり社風”や文化”の元となる習慣”は、如何に深い意識”で繰り返し反復”するかで、”自然にできる”つまり潜在意識”でできるようになる迄のスピードが変わる訳です。
参考リンク: 営業マンは断ることを覚えなさい
 参考リンク: Wikipedia「石原明」

実は“0災害の追求”に最も必要なのは、何か特別な一時的にインパクトのある取組ではなく、その重要性や実現する上での難しさ、やろうと思っていてもできない憤りや、なんとなく気になっている事等を、如何に一人ひとりが普遍的”に仲間と頻繁に話す”ことで共有できるかだと私は実感しています。

我々はこの簡単に見えて難しい取組に、顕在意識で真っ当、前向き”に取組む事で、不屈に有能に0災害の追求”を続けて行きたいと思います。

このブログでは、可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に“0災害の追求”の更新に挑み、行動していきたいと考えています。

是非我々の今回の重大労災後の対応や、“0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。

本件に関するご質問/ご提案/リクエストはこちら

最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる、“為になり、役に立つ”情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。

 

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎


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