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賢者の起動② 探索について

作成者: 中村 慎市郎|2024.06.04

大和鋼管の中村です。前回の安全ブログでは、「如何に“0災害の追求”を“真っ当、前向き”に進めていくか」という観点で、“精神的な健全さの向上”、つまり“メンタルフィットネス”の具体的な一例として、“共感”を以て「”賢者”を起動する」というアプローチについて説明させて貰いました。

参考ブログ: 賢者の起動① 共感について

今回は、共感・探索・革新・先導・発動の五つの方法のうちの二つ目として、“探索”を以て「“賢者”を起動する」というアプローチついてお話できればと思います。

先ず“探索”について大辞林でしらべてみると、以下の様に説明されていました。

たんさく 【探索】
(名)スル
① さがしもとめること。「広く資料を―する」
② 罪人の行方・罪状などをさがし調べること。「賊を―する」「―方(がた)」

つまり“探索”とは、単に”さがす”のではなく“さがしもとめる”ことなので、そこには人間としての何か強い、根源的なモチベーションが潜んでいます。私はそれは“好奇心”だと思っています。

前回にご紹介した“共感”を以て「“賢者”を起動する」というアプローチにも、5歳から13歳の姿を自身や相手にイメージする方法が示されていましたが、正に“好奇心”は、この年代の子供たちがフル活用しているポジティブなエネルギーだといえます。

“メンタルフィットネス”とは、悩んだり悔やんだりするネガティブな状態にならず、如何に恐れず軽快に自由にポジティブな心理状態を維持し、“真っ当、前向き”の課題や問題に向き合えている自身を実現していくという意味合いです。

“夢中”になっている、つまり何かに無心に取組んで集中できている状態が、正にメンタルフィットネスを以て我々が目指すところだと言えます。

元陸上選手で、“侍ハードラー”と呼ばれた為末さんが、「努力は夢中に勝てない」という言葉をよく使われるのですが、“探索”とは自身の“好奇心”に火をつけて、正にこの状態を作る取組と言えます。
参考リンク: 熟達論

また前回/前々回のブログでもご紹介したPositive Intelligence社の提供するメソッドでは、“探索”は“考古学者が遺跡を発掘している姿”のイメージで、周りの事には全く目も触れず一心不乱に目の前にあるモノ・コトに集中し、意識を注いでいる状態です。

我々が“0災害の追求”に取組んでいる状態、つまり労災や事故の防止を念頭に対策を検討したり、実際に労災や事故が発生して対応に追われたりしている際には、我々はどうしても焦ったり苛ついたりするネガティブな状態に陥りがちになります。

更に“集中し過ぎて全く危険を想定せず/できずに起こすミス”の可能性もあります。以前のブログでご紹介したとおり、頭も心も体も健全さを超えた過剰な集中力を発揮してしまうと、通常は取らないムリな行動や、危険を顧みない動作を行ってしまう状態に自覚なく陥ってしまう面があるからです。
参考ブログ:程よい緊張感の持続について②

しかし本質的に“0災害”を実現する為には、先ずは冷静に目の前にある状況を丁寧に確認し、具体的に効果のある対策を講じるのみならず、その取組が実践/反復/定着される状態を担保する必要があります。

その為に我々が実践/反復/定着させようとしている取組では、先ずは各々が一旦現場を離れて個々に現場/現物/現実でヒト/モノ/カネのリソースが必要十分に揃っていたのかを確認します。

更に同様に個々で明確に数字で捉えられる“ハードパフォーマンス”、業務や操業の“やり方”や“手順/標準”等の数字で捉えにくい”ソフトパフォーマンス”、“安全/安心”や“ヤル気”等の数字で捉えるのが難しい“ハートパフォーマンス”について確認します。

正にこの取組は一旦現場を外れて安全を確保した上で、遺跡を発掘している考古学者の様に只ひたすら“好奇心”をフルに発揮して少しでも多くリソース/パフォーマンスの状況を把握し、“0災害の追求”に“真っ当、前向き”に“探索”を以て「“賢者”を起動する」というアプローチになっている訳です。

このブログでは、可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に“0災害の追求"の更新に挑み、行動していきたいと考えています。

今回の“安全ブログ"の内容や我々の“0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。

最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる、“為になり、役に立つ”情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎