2024.04.24

安全/安心/健康の為の5S⑤躾について

大和鋼管の中村です。今回のブログではいよいよ、当社が“0災害の追求”の中核として長年取組んできた“安全/安心/健康の為の5S”の締括りとして、“躾”についてお話しさせていただきたいとおもいます。

参考ブログ: 安全/安心/健康の為の5S④清潔について

繰り返しになりますが、当社に於ける“安全/安心/健康の為の5S”の定義とは以下のとおりです。

  • 整理/Sort: 必要なモノ・コトしかない状態にする。
  • 整頓/Set: 必要なモノ・コトが必要な分だけ必要な時に出てくる状態にする。
  • 清掃/Shine: 必要なモノ・コトが整理・整頓されている状態を見えるようにする。
  • 清潔/Standardize: 必要なモノ・コトが整理・整頓・清掃された状態を維持する。
  • 躾/Sustain: 必要なモノ・コトの整理・整頓・清掃・清潔を一人ひとりが実践/反復/定着させ習慣に落し込む。

そもそも“躾”とは、“大辞林”では、「① (「躾」はからだを美しく飾る意の国字)子供などに礼儀作法を教えて身につけさせること。また、身についた礼儀作法。《躾》「―の厳しい家庭」「店員の―が悪い」となっています。少し上から目線な印象で、“礼儀作法”という言葉があることで、あるべき姿や規律の存在を想起させる言葉です。

一方で“Sustain”については、“ウィズダム英和辞典”によると、

  1. 〈活動・状態など〉を持続させる, 維持[保持]する(keep up) (状態を一定期間保つこと; maintainはレベルを落とさず保つことが主眼)
  2. 〈人など〉の活力を維持させる; 〈家族など〉を扶養する; 〈生命〉を維持する
  3. 〈考え・援助などが〉〈人〉を支える, 励ます
  4. ⦅かたく⦆ 〈人・組織・物などが〉〈被害・損失など〉をこうむる, 経験する
  5. ⦅かたく⦆ 〈重量〉に耐える; 〈物〉を(下から)支える(support)
  6. ⦅かたく⦆ 〈責任・重圧など〉に耐える, …を我慢する.
  7. ⦅かたく⦆ 〈考え・主張など〉を支持する, 裏付ける.
  8. 〘法〙 〈裁判官・法廷が〉〈主張など〉を妥当[正当]と認める

と、実に様々な意味があるのですが、今回の場合は1・2・3・7あたりの意味合いが濃くなっている認識で、特に2の「〈人など〉の活力を維持させる」は、ポイントとなる様に私には感じられました。

つまり“躾”と“Sustain”の二つの言葉の意味や背景を踏まえると、必要なモノ・コトしかない状態に“整理”して、それらが必要な分だけ必要な時に出てくる状態に”整頓”し、その状態を見えるように“清掃”し維持する“清潔”さを、一人ひとりが実践/反復/定着させ“習慣”に落し込むように“躾(しつけ)”る事が、“安全/安心/健康”を実現する為の必須要件であり、如何にその規律を“活力を維持”して継続し続けるかが問われているということになります。

昔お世話になったあるコンサルタントの方から、“習慣 = 意識の深さ x 反復”だと教えられた事があります。つまり意識が深ければ反復が少なくても”習慣”にすることは可能だが、意識が浅ければ何度も反復をしないと”習慣”にすることは難しいという意味です。

例えば、横断歩道を左右をきちんと見ずに渡ろうとして車に轢かれそうになった場合は、命の危険を感じるという深い意識の体験をしたので、次からは着実に左右を見てから横断歩道を渡る習慣が身につく事は想像に難くありません。当社が積極的に取組んでいる“危険体感研修”とは正にこの要素を活用し、危険を意識する習慣を促す取組です。

実は昨年に起こった事故を踏まえ当社では、“危険体感研修”に関する最も厳しい現実を直視する規律の更新が、正に現在進行中です。

研修の中で扱われている各々の危険体感の項目が、具体的に現場/現物/現実でどう操業に繋がっているのかを明確にすると共に、持ち場が変わった際等に、新たな担当場所で想定される危険体感研修を実施した後で、現場に入る環境整備を整えています。

一方で朝のラジオ体操をシッカリやるといった習慣は、上記のケースとは違い、直接的に身の危険を感じる訳ではないので、その目的や意義を説明され納得感を当事者が感じる事が肝心であると共に、なによりもそれを繰り返し実感して貰う事で、徐々に意識を積上げて習慣化に結びつける事が肝心です。

この点に関して当社では、ラジオ体操の公式インストラクターに来て貰ったり、担当者がラジオ体操を指導する資格を取ったり、新入社員研修に演舞として盛り込む等の様々な取組によって、意識を深める事と反復を徹底する事での両面で習慣化する為の”躾”を行ってきました。

このように我々が危険や不安全をシッカリと“顕在意識”で認識し、それを避ける為の具体的な取組を実践/反復/定着させる事によって“潜在意識”に埋め込み、“危険を予知し不安全を避ける行動”は一旦、着実に行える様になります。

しかし同時に、一人ひとりの中では“馴れ”が発生し、徐々に危険や不安の認識が薄れ、いつの間にか危険を冒したり、不安全な行動を取ったりする状況に至ります。

そのような状況を避ける為に必要なのは、“危険を予知し不安全を避ける行動”の意味や意義を再度シッカリと“顕在意識”に戻し、改めて現場/現物/現実で想定違い/環境変化が起こっていないかを確認させ、“危険を予知し不安全を避ける行動”を精査/調整する事で、“安全最優先”を”最も厳しい現実を直視する規律”を以て、更新し続けることです。

つまり“躾/Sustain”とは、”0災害の追求”という“規律”を、手を変え品を替え操業に携わる現場の仲間一人ひとりに意識させ、実践/反復/定着させ、“更新し続ける安全最優先”に取り組むことに他なりません。

このブログでは、可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に“0災害の追求"の更新に挑み、行動していきたいと考えています。

今回の“安全ブログ"の内容や我々の“0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。本件に関するご質問/ご提案/リクエストはこちら

最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる”為になり、役に立つ“情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎


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