2023.06.14

”パーフェクトポストジンク”はどうスゴい?!その耐食性/防錆性の秘密や活用用途を詳しく解説。

メッキパイプには、建材として長期使用に耐えうる強度と、それを維持する為の高い耐食性/防錆性が求められます。しかし市場には様々な製品があり、その性能は少しずつ異なっているため、”どのメッキパイプを選べばいいか”で悩まれる方も少なくないのではないでしょうか?

そこで今回は、当社のメッキパイプの中で最も錆に強い”パーフェクトポストジンク(PPZ)”についてなぜここまで錆に強いのかを製造方法や製品特性について詳しく説明した上で、オススメの活用用途もご紹介させていただきます。「錆に強いメッキパイプが欲しい」とお考えであれば、ぜひご参考にしていただければ幸いです。

”PPZ”が耐食性/防錆性で優れている理由とは?

製造方法

”PPZ”の耐食性/防錆性の秘密は、当社独自の製造方法にあります。”PPZ”は鋼板をパイプに成形する造管と、その外面を連続的に溶融亜鉛メッキする当社独自の製造工程である”ダイワZプロセス”を更に進化させ、下記の図のとおり造管前にメッキパイプ内面側に片面溶融亜鉛メッキを施しています。現時点でこの工程を有しているインラインメッキ設備は世界に2つしか存在せず、いずれも大和鋼管で”PPZ”を製造する為に活躍しています。

Blog.製造工程

”PPZ”の製品としての大きな特徴は、ドブメッキよりも少ない亜鉛付着量でも同等以上の耐食性/防錆性を実現していることです。亜鉛の付着量が少くても高い耐食性を実現できる理由は、”ダイワZプロセス”においては、メッキ槽へのパイプの浸漬時間が数秒間ときわめて短いことに起因しています。

純粋な亜鉛のみで構成される”純亜鉛層”は当然厚ければ厚いほど耐食性/防錆性は向上しますが、鉄と亜鉛が混る”合金層”では2つの金属が不安定な状態で共存する為、必ずしも耐食性/防錆性の向上にそのまま貢献せず、むしろ剥離や亀裂によって耐食性/防錆性を下げる要因にもなりえます。

そしてこの合金層の厚みはメッキ槽への浸漬時間に比例して増えていくので、ドブメッキではこの浸漬時間がどうしても長くなってしまい”純亜鉛層”が薄く”合金層”が厚いメッキパイプができてしまうことになります。

一方で”PPZ”では、”ダイワZプロセス”による”インラインメッキ”というスピーディーなメッキ方法により純亜鉛層の厚みを増やし合金層の厚みを減らすことを実現し、亜鉛付着量をより効率良く耐食性/防錆性に反映できるので、経済的にも環境的にも耐食性において、極めて優れたパフォーマンスの高いメッキパイプを製造できる訳です。

なお、当社のメッキパイプには、途中まで同じ製造方法で作られる”ポストジンク鋼管(PZ)”がありますが、こちらは内面が水性亜鉛無機コーティングであるのに対し、前述の通り”PPZ”はメッキパイプの内面にも亜鉛メッキを施す為、その内面は外面と同様に厚い純亜鉛層と薄い合金層によって、効率良く高い耐食性/防錆性が実現されています。

[JP][Blog]ポストジンク断面図比較(ミズエコVer)

さらに”PPZ”の外面には、白錆の発生を抑制する為の”トップコート”として当社独自で開発した樹脂製透明保護皮膜のコーティングが施されており、外側と内側の両面から耐食性/防錆性をトコトン追求するアプローチによって、当社のメッキパイプの中で最も強い耐食性/防錆性を実現しています。

耐食性/防錆性に関する実験結果

「製造工程や製品仕様のユニークさはわかったが、他のメッキパイプに比べて、本当にそんなに耐食性/防錆性が高いの?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。

当社にて過去に行なった以下の中性塩水噴霧試験結果によると、実際に”PPZ鋼管”と一般的にサビに強いと言われている"後めっき鋼管"を比較してみると結果は以下の様になりました。ご覧のとおり、PPZ鋼管は後めっき鋼管と比べても少ない亜鉛付着量で錆に強い性能を有することがお分かりいただけるのではないでしょうか?

[JP]PPZ比較表

これは、前述したPPZ鋼管の”純亜鉛層”の厚みが、後めっき鋼管の厚みよりも厚い為です。以下の図の通り、パーフェクトポストジンクの亜鉛付着量はドブメッキよりも少ないですが、”純亜鉛層”の厚みが視覚的に分かるのではないでしょうか?

合金層比較

また”PPZ”はその耐食性/防錆性及び強度に関する第三者機関による証明として、”一般財団法人土木研究センター”からの審査を受けております。

 参照リンク:審査証明技術(概要) | 一般財団法人 日本建設情報総合センター

この審査結果の証明として”建築技術審査証明書”が発行されており、その複製を郵送しお客さまに提供する事も可能ですので、もしご入用の場合は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。

お問合せはこちら︎

耐食性/防錆性だけじゃない”PPZ”の強みとは?

パイプ画像-PPZ

”PPZ”には、耐食性/防錆性以外にも様々な強みがございますので、ご紹介いたします。

塗装性の高さ

塗装性が高いのも、”PPZ”の大きな特徴です。前述のとおり、”PPZ”は造管をしてからメッキを施す“後メッキ加工”である為、ドブメッキ鋼管と同様に全周にメッキされており、溶接部の凹凸が出にくくなっています。

さらに、インラインメッキというスピーディーで高度な技術により全周に美しく均一なメッキ層を形成していることから、”表面調整”の作業が不要になるくらいの滑らかな仕上がりを実現しています。

例えば実際に道路標識柱に”PPZ”をお使いいただいているお客さまからは、"塗装性"について高い評価をいただいております。

加工性の高さ

”PPZ”はドブメッキ鋼管と比較して、鉄と亜鉛の合金層が薄い為、曲げ加工時におけるメッキ割れや剥離を防ぎ、さらに溶接時の煙やスパッタが少ないというメリットがあります。

また亜鉛の付着量は用途によって調整可能である為、「もっと耐久性が欲しい」や「美観を優先したい」等のご要望に合わせた製品を提供させて頂いています。

環境負荷が少ない

”PPZ”のメッキの原材料は純度99.9995%の最純亜鉛地金です。毒性の高い鉛やカドミウムは一切含まれていない為、土壌汚染や水質汚染といった重金属公害を引き起こす心配がありません。

外観の美しさ

”PPZ”は不純物の含有量がきわめて少ない最純亜鉛地金を使用するとともに、前述のとおりメッキ槽での浸漬時間がとても短いことから、スパングルの発生を防ぐ事が可能です。更に一次防錆の為のトップコートが銀白色の美しさを白錆から守ってくれるので、メッキパイプの見た目にこだわる方には自信を持ってオススメできます。

コストメリット

内面と外面に亜鉛メッキを施す為、当社の他製品と比較すると価格がやや高くなりますが、前述のとおり耐食性/防錆性がトップクラスであることからより長い製品寿命を実現しており、長期的にご使用いただくことにより十分なコストメリットが期待できます。

”PPZ”のオススメ用途とは?

こちらでは、”PPZ”の性能や強みを存分に発揮できるオススメの活用用途をご紹介いたします。

道路資材

PPZ_道路標識

日々の交通安全を支える道路資材。道路標識や交通信号機は、一度設置されれば長期間にわたって使用されることから、継続的に高い強度を保つことが求められる為、正に”PPZ”のうってつけの用途になります。

更に”PPZ”は耐久性へのニーズにお応えできるだけでなく、美しく均一な全周にメッキによって実現する、美しい塗装の仕上がりをお約束いたします。

鋼管杭

構造物基礎鋼管杭

構造物の基礎として重要な役割を果たす鋼管杭。その材料としても”PPZ”は多くのお客さまにご採用をいただいており、特にドブメッキ鋼管に比べ高い経済性や効果性を発揮しています。

高い加工性がありつつも打ち込み時に地盤に負けない強度や、厳しい自然環境に耐える耐候性をも併せ持つ鋼管として、鋼管杭にも是非”PPZ”をお試しください。

農業用資材(STX)

[JP]STXハウスアーチ1

農業用ビニールハウスやテント等にご活用いただいている当社のハイテンパイプ”STX (エス・ティー・エックス)”。このうち、冷間圧延鋼板を使用した肉厚1.6mm以下の製品はすべてメッキの仕様が”PPZ”となっております。

普段から風雨にさらされるだけでなく、台風や大雪の中でも使用される農業用資材は、いかに厳しい気象条件に耐えられるかが重要です。その点において、高い強度と復元力を持つ”STX”と高い耐食性/防錆性を実現する”PPZ”の組合せがシッカリとお役に立てると確信しています。

まとめ

今回は、”PPZ”に関する製造工程や製品特性に関する基礎知識や、オススメの活用用途についてお伝えしました。当社のメッキパイプの中で最も錆に強い”PPZ”。長期に渡って高い強度を維持できるメッキパイプをお探しであれば、ぜひお試し頂ければと思います。

”PPZ”についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページから製品カタログがダウンロードできますので、こちらも併せてご活用ください。

お役立ち資料はコチラ

そして前述のとおり”PPZ”の”建築技術審査証明書”が必要な方には、複製の郵送を承っております。ご希望の方は、以下のフォームからお申し込みください。

お問合せはこちら︎

最後までお読みいただき感謝申し上げます。当社では引続き、皆さまの"為になるお役立ち"に繋がる情報発信を続けて参りますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。


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