高温酸化

”高温酸化は”、金属の表面高温環境下で酸素と反応して酸化物を形成する過程のことで、腐食形態では"乾食"に分類される現象です。

”高温酸化”により、金属の表面には酸化皮膜が形成されます。

の場合、”高温酸化”によって生成される鉄の酸化物は”黒サビ”と呼ばれ、ホットコイルや鉄製のフライパンの様に黒色で強固な酸化皮膜を形成し、鉄地の保護や耐久性に影響を与える重要な要素となります

[JP][Blog]ホットコイル

[JP][Blog]フライパン

尚、鉄が”高温酸化”する温度は、鉄の成分や使用条件によっても異なりますが、一般的な目安として炭素鋼は約570℃ (1058℉ ) 以上と言われています。

”高温酸化”の工程は、一般的に以下のステップで進行します。

  1. 金属表面に酸素分子が吸着します。この吸着は通常反応性のある金属表面で行われます。
  2. 吸着した酸素分子は金属表面で分解され、酸素原子が金属表面に拡散します。
  3. 酸素原子は金属と反応して酸化物を形成し、この反応で酸化皮膜が形成され成長します。
  4. 形成された酸化皮膜が金属表面を覆い、金属表面自体への更なる酸素の供給を遮断します。

酸化皮膜は、金属保護や耐久性に寄与する一方で、厚すぎると割れや剥離が生じることもあり、金属部品や構造物の寿命を延ばす為に、”高温酸化”の制御や表面処理の状態を適切に管理する事が重要です。

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