メッキ鋼管用語集
メッキ鋼管用語集
”電位逆転現象”とは、特定の条件下で”鉄”を”犠牲防食”により腐食から保護する効果を期待されている”亜鉛”が、逆に”鉄”の腐食を進行を促進させてしまう現象のことです。
本来はメッキで腐食から”鉄”を保護する”亜鉛”が陽極に、保護される”鉄”が陰極になる筈ですが、”電位逆転現象”が発生した場合には”鉄”が陽極に”亜鉛”が陰極になり、”鉄”が”亜鉛”よりも先に腐食してしまいます。
”電位逆転現象”が発生する条件は複数が特定されていますが、未だに全て解明されておらず、主に水中や土壌中の"温度"や"pH"及び"特定のイオンの存在"などが関係していると考えられています。
また”亜鉛”は50℃以下では耐食性が有効に発揮されますが、約60℃付近から急激に腐食速度が早くなり、耐食性が損なわれる事がわかっています。
つまり高温多湿な環境下では、亜鉛メッキ層で”酸化亜鉛 (ZnO)”や”水酸化亜鉛 (Zn(OH)2)”が生成されやすくなり、物質の状態が不安定となり”電位逆転現象”が発生し、メッキ層の”亜鉛”が”鉄”を腐食により攻撃する因子になってしまう訳です。