2025.06.25

"メッキ鋼管"の"コーティング"はどこまで高温に耐えられる?!"ポストジンク"の耐熱性を探る加熱実験をリポート。

当社の製造する”メッキ鋼管”は、単管パイプとして仮設足場の用途や農業資材としてだけではなく、実に様々な用途で使われており、その1つが”コンベヤ”のローラー用の部材です。

実は先日、あるお客さまから、「御社のローラー用部材の”メッキ鋼管”は、高温なモノを運んでも大丈夫?」とのお問合わせがありました。

高熱の対象物の搬送に”コンベヤ”を使用する場合、当然ながらローラー用の部材に使われる”メッキ鋼管”は、使用に耐えうるだけの耐熱性を備えている必要があります。

特に心配なのは、メッキ鋼管の白サビ防止用に塗布されている樹脂製の”コーティング”です。

しかし、一般的に想定されている用途ではないので、カタログの情報だけでは”本当に”鋼管”に耐熱性があるのか?”との不安を解消することは困難です。

そこで今回は、実際に当社の鋼管”ポストジンク(PZ)”をオーブンで加熱し、耐熱温度を検証する実験を行いましたので、その内容と結果をお伝えします。画像と共にご覧いただき、当社製品の耐熱性をご確認いただければ幸いです。

耐熱実験の概要

今回の実験では、当社で製造している”メッキ鋼管”を実際に高温で加熱してみて、その際に生じるの変化を”コーティング”を中心に確認/検証しました。

使用する機材/道具

【サンプル】

  • ポストジンク(PZ) 57.2×1.4mm
  • ポストジンク(PZ) 38.1×1.2mm
  • スーパーライト700 (SL700) 48.6×1.8mm

【オーブン】

  • 定温乾燥器(DX302)ヤマト科学株式会社製

[JP]乾燥用オーブン

サンプルとして使用する”メッキ鋼管”は、何れも”ポストジンク”です。

”ポストジンク”は、当社の溶融亜鉛メッキ鋼管であり、外面には全周均一メッキおよび”防錆樹脂コーティング”、内面には当社独自の”水性亜鉛無機コーティング”が施されているのが特徴です。

錆に強く、加工性も高い事から、”コンベヤ”をはじめとする様々な用途にご使用いただいております。

 関連ブログ:”ポストジンク”ってどんなメッキ鋼管?!当社の独自技術が創り出す4つの強みを徹底解説。

また折角の機会なので、当社の超軽量足場管”スーパーライト700”も使用して同様の実験を行いました。こちらは、主に工事現場で仮設足場に使用される鋼管で、メッキは”ポストジンク”と同じですが、使用されている鉄は700Nのハイテン材です。

検証方法

”ポストジンク”及びスーパーライト700”のサンプルを、以下の条件に分けてそれぞれ実験を行います。

  • 100℃で10分間加熱
  • 200℃で10分間加熱
  • 300℃で10分間加熱

分かりやすいように、サンプルには温度を示す”100"、”200”、”300”という印をつけて区別します。

[JP]単管パイプ耐熱実験_実験前のサンプル_SL48.6

なお、”ポストジンク”に関しては、大きさや太さが結果に与える影響を考慮し、57.2×1.4mm及び38.1×1.2mmという、サイズが異なる2種類のサンプルを用意しました。

[JP]単管パイプ耐熱実験 実験前のサンプル100

それぞれの温度で加熱した後にサンプルの状態を確認し、温度上昇が”鋼管”にどのような影響を与えるかを確認しました。

耐熱実験の結果

ポストジンクでの実験結果

  実験前 実験後
100℃ [JP]単管パイプ耐熱実験 実験前のサンプル100 [JP]単管パイプ耐熱実験_実験後のサンプル100
200℃ [JP]単管パイプ耐熱実験 実験前200 [JP]単管パイプ耐熱実験 実験後のサンプル200
300℃ [JP]単管パイプ耐熱実験 実験前のサンプル300 [JP]単管パイプ耐熱実験 実験後のサンプル300

100℃で10分間の加熱、および200℃で10分間の加熱を行った段階では、サンプルの外観に目立った変化はありませんでした。

一方、温度をさらに上昇させ、300℃で10分間加熱したところ、いずれの太さでも艶が消えて表面が白っぽくなる変化が見られました。

スーパーライト700での実験結果

実験前 実験後
[JP]単管パイプ耐熱実験_実験前のサンプル_SL48.6 [JP]単管パイプ耐熱実験_実験後のサンプル_SL48.6

100℃で10分間の加熱、および200℃で10分間の加熱を行った段階では、サンプルの外観に目立った変化はありませんでした。

しかし、300℃で10分間加熱したところ、サンプルは茶色に変色しました。

実験からの考察

”ポストジンク”及び”スーパーライト700”のいずれも、100℃から200℃では変化は見られませんでした。一方で、300℃に達すると変色が起こりました。

“メッキ鋼管”の強度を担保する鉄自体への熱影響は、600℃を超えたところからしか現れることはない為、表面の変化は”トップコート”が焦げた、つまり”炭化”した結果とみられます。

当社の”ポストジンク”を”コンベヤ”のローラー部分にご使用いただく場合、高熱の製品/素材を搬送する際は、運搬する品の温度域が200℃程度までであれば、ローラー部分に影響はないといえます。ぜひ、ご安心してお使いいただければと思います。

まとめ

今回は、”コンベヤ”のローラー用の部材に使われる当社の”ポストジンク”が、温度に応じてどのような変化があり、どれくらい耐熱性があるのかを実験し、その結果をお伝えしました。

”ポストジンク”は、100℃や200℃では目に見える変化はありませんが、300℃以上になると、表面の”トップコート”にうっすらとした変色が起きますが、内部の鉄への大きな影響はありません。

実験の結果をご覧いただき、”コンベヤ”用の部材として”ポストジンク”のご利用をご検討いただければ幸いです。

当社の”ポストジンク”の見積が欲しいというお客さまは、以下のフォームからオンラインでの見積依頼が可能ですので、お気軽にご活用いただければ幸いです。

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最後まで読んでいただき感謝申し上げます。何かご質問や要望等があれば、何時でもご遠慮なく連絡ください。引続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


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