コロナ禍の約3年間を経てリモート会議が頻繁に活用される様になり、ふと気がつくと「お客さまや取引先の方と実際に顔を合わせたことはないけど、リモート打合せや電話でのやりとりでお互いに知っている」という状況が増えたという方も多いのではないでしょうか。
しかしリモート会議で知り合っただけでは相手と人間関係を構築する事は難しく、更に関係を深める為には色々な切欠や工夫が必要なのですが、中々決め手となる方法が定まらないのが難しいところです。そこで今回は、実際に顔を合わせたことがない相手との情報交換が可能な”デジタル名刺”について、当社の取り組みをご紹介させていただきます。日々進んでいくデジタル化の流れの中で、新たな人間関係の構築の参考にしていただければ幸いです。
デジタル名刺とは?
”デジタル名刺”とは、従来の紙の名刺に代わって電子的な形式で情報を共有する手段です。”オンライン名刺”とも呼ばれ、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを介して、相手へ簡単に従来名刺に記載されていた情報を送受信することができます。
紙の名刺のようにわざわざスキャンやタイプをして情報を登録したり、現物を手元に物理的に保管したりする必要がなく、手軽に取引先やお客さまの情報を管理/共有できるので、とても便利です。
”デジタル名刺”は、スマートフォンの基本アプリや名刺管理システム等で発行することができ、様々なサービスを各社が提供していますが、細かい機能はサービスによって異なりますので、導入の際には自社の目的に合うサービスを選ぶ事が肝心です。
また”デジタル名刺”の活用により紙の使用量を減らすことで、森林保護や廃棄物削減に貢献することができることから、”デジタル名刺”は環境に優しいサービスとしても昨今注目を集めています。
デジタル名刺のメリットとデメリット
”デジタル名刺”のメリット/デメリットとしては、以下の点が挙げられます。
”デジタル名刺”のメリット
情報の更新が容易に
”デジタル名刺”はオンラインで情報管理がなされるため、連絡先や役職などの変更があった場合でも比較的簡単に登録情報を更新することができ、とても便利です。
特に相手の役職等の最新情報を把握できることで、スムーズな意思疎通をもって信頼関係を深める事が可能になる為、情報の更新方法やその範囲がサービスの差別化要因の一つになっています。
情報共有がスマートに
”デジタル名刺”はパソコンやスマートフォンなどのデバイスを通じて名刺情報を共有することができます。相手のデバイスに直接送信することも可能なので、情報の受け渡しもスムーズに行えます。またQRコードなどから、簡単に情報を読み取る機能も備えられています。
作業の効率が向上
”デジタル名刺”を使用すると、名刺交換の手間や情報入力の作業時間を削減できるため、個々人のパフォーマンスをより重要な取り組みに振り向けることができます。
”デジタル名刺”のデメリット
相手のデバイスの有無に依存する
”デジタル名刺”を共有するためには、相手もデジタルデバイスを持っている必要があるため、相手がデジタルデバイスを持っていない場合、情報の受け渡しが困難となることがあります。
遣り取りがオンライン時のみに限られる
”デジタル名刺”を使用するためには、デバイスがオンラインで利用できる状態であることが必須です。デバイスの電池切れや故障が起きた場合や、ネットワークに接続していない場合には、その場で情報の受け取りができないといったリスクがあります。
プライバシーへの懸念
”デジタル名刺”には個人情報が含まれており、情報漏洩や不正アクセスのリスクがあることから、活用の前にサービスの信頼性を確認すると共に、操作方法の理解等も含めてセキュリティ対策をシッカリと講じておく必要があります。
当社のデジタル名刺活用事例
当社では、名刺管理システムとしてSansanのクラウドサービスを採用しています。
Sansanには、”デジタル名刺”のURL/QRコードを生成する機能や、zoom/Microsoft Teams/Google Meet等のビデオ会議ツールで使用できる”デジタル名刺”のQRコード入りバーチャル背景をダウンロードできる機能が備わっています。
当社では社員のメール署名に”デジタル名刺”のリンクを挿入することで、デジタル名刺交換を推進する取り組みを行なっています。
メール署名に挿入されているリンクをクリックするとデジタル名刺交換画面に遷移します。受け取り側がSansanユーザーの場合は簡単にデジタル名刺交換が行え、Sansanユーザーでない場合も”デジタル名刺”の受け取りが可能です。
Sansan HP:https://jp.sansan.com/function/online-meishi/
デジタル名刺を使ってみた感想は?
”デジタル名刺”の活用を始めたことで、社内外からさまざまな声が聞こえてくるようになりました。
営業部の中でも電話や見積/注文対応を中心に行なっている社員からは「外出の機会はほとんどないですが、”デジタル名刺”であれば初めてメールするお客さまに情報を効率的に知らせることができて、いいなと思いました。」との感想があり、社外のお客さまからも「確かに面識がない方とのツールとして有効ですね。」とのお声をいただいています。
名刺交換機能以外の副次的なメリットもありました。「”デジタル名刺”に必要な情報が載っているため、メール署名は最低限の情報記載にして簡略化することができました。」や、「メール署名がスタイリッシュになっただけでなく、コンパクト化したことで返信メールの見返しがしやすくなりました。」といった、メール署名に関するコメントも聞こえてきたのです。少し意外なメリットですが、メール確認時の負担が軽減されるという点でも業務の効率化に繋がっているようです。
一方で、新規の方とのやり取りが少ない部署からは「導入して2ヶ月ほど経ちますが、交換実績はほとんどなかったです。」との意見もありました。既に名刺交換が済んでいる相手とのやり取りの中では、”デジタル名刺”の有効性が実感しにくいのかもしれません。
とはいえ、導入して困るというパターンはあまりないことや、導入で得られる様々なメリットを考えると、”デジタル名刺”は署名に入れておいて損はない便利なツールだと感じました。
まとめ
今回は、当社の”デジタル名刺”に関する取り組みについてご紹介しました。”デジタル名刺”は紙の名刺に比べて情報の更新や共有が容易であり、ビジネスの効率を向上させることができますが、相手のデバイス利用状況に依存するといったデメリットもあります。”デジタル名刺”のメリット/デメリットをしっかり押さえたうえで、リソース最適化とパフォーマンス最大化に向けたDX推進を行う際のご参考にして頂ければと思います。
”デジタル名刺”やDX推進について詳しく当社の取り組みを聞いてみたいという方は、以下のページよりお気軽にお問い合わせください。
また、「当社ではこういったDXの取り組みをしています」、「当社ではこんなふうに”デジタル名刺”を活用しています」といった事例やアイデアがありましたら、以下のリクエストフォームよりご教示ください。
最後までお読みいただき感謝申し上げます。これからもお客さまの為になるお役立ち情報を積極的に発信して参りますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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