冬から春へ移行する時期に初めて吹く、暖かく南よりの強い風を指す"春一番"という言葉もあるように、毎年2月から4月にかけては強風の吹く日が多くみられます。
風が吹くと、汚染物質や花粉が拡散されて空気がきれいになったり、植物の受粉が補助されたり、風力発電のエネルギー源となるといったメリットがある一方で、強すぎる風が吹くと災害や事故に繋がってしまうこともあります。
農業に関わる方にとっても強風による被害は甚大で、"農業用ビニールハウス"が変形してしまったり、最悪の場合は倒壊してしまうケースもありますが、そのような被害を軽減するためには強風への対策が必要です。
そこで今回は強風対策として、既に建てている"農業用ビニールハウス"への応用も可能な、"単管パイプ"を使用した"防風柵"の建て方をご紹介いたします。ご参考にしていただければ幸いです。
強風による農業用ハウス被害の特徴
冬期に積雪がなく台風の襲来も比較的少ない地域では、自然災害の多い地域に比べて"農業用ビニールハウス"に使用されているパイプの骨材が細かったり、アーチピッチが広く取られているなど、構造的に急な自然災害に弱い傾向があります。
被害のパターンとしては、下記のような事例があります。
- 風上側の肩部分から屋根にかけて押しつぶされた状態
- 下から吹き上がるようにパイプが変形
このような施設被害を最小限にしつつ補強費用を抑えるためには、施設の立地条件や強風時の風向き/周辺環境を考慮し、施設の特徴に応じて、効率的且つ効果的な補強をすることが有効策となります。
防風柵とは?効果はあるの?
比較的容易に行える強風への対策の一つとして、"防風柵"があります。防風柵とは、風の影響を減らし、植物が倒れたり"農業用ビニールハウス"が変形/倒壊したりするのを防ぐ柵のことです。
"防風柵"を使用することで、未使用時と比べて体感50〜90%ほど風の影響を抑えられると言われています。具体的な効果としては、設置した"防風柵"の高さの約20倍の範囲まで風を弱める働きがあり、高さ2mのネットの場合には約40m先まで風の勢いを弱めることができます。
一方で、"防風柵"の高さは"農業用ビニールハウス"の屋根面よりも高くする必要があり、取付ける際には工夫や安全面での注意が必要となりますので、作業を行う際は十分お気をつけください。
防風柵設置に必要な道具/材料は?
ここでは、"防風柵"の設置に必要となる道具/材料をご紹介します。
支柱 (単管パイプ)
支柱を打ち込む道具 (ハンマー/スコップ/スクリュースコップ等)
防風ネット
防風ネットを固定する部材 (パッカー/ロープ/吊柱用キャップ/クランプ等)
尚、地盤の硬い場所では下穴あけに時間がかかってしまう場合もありますので、必要に応じて下穴あけ用の杭となるパイプ端材/木槌/電動ドリルなどをご準備ください。
防風柵の建て方は?
ここでは、"防風柵"の建て方の作業手順をご紹介します。
支柱 (単管パイプ) を用意する
防風ネットを張る為の支柱を用意します。一般的には"単管パイプ"を使用することが多いですが、お近くで"単管パイプ"が手に入りにくい場合には、木製の杭などでも代用が可能です。
基礎となる地面に穴をあける
ハウスを囲うように、外側のラインに沿って1~2m間隔で深さ30~50cmの穴を掘っていきます。支柱は地面に深く差すほど強度が増しますが、基礎に水が溜まると支柱が倒れてしまうため、排水性が高い場所を選定しましょう。
穴に支柱を差し、防風ネットの両端を固定する
支柱が倒れないよう穴の深くまで打ち込んで固定し、パッカーやキャップを取付けます。その後、ワイヤーを使って防風ネットの両端を支柱にしっかりと止めます。
支柱にワイヤーをつける
支柱に金具を通してワイヤーを取付けます。
防風ネットの強化
専用クリップを防風ネットに取付け、その専用クリップにワイヤーを通すことで、ネットがしっかりと張れるようになり、更に防風ネット自体を破れにくくすることができます。
防風柵にオススメな"スーパーライト700"
"防風柵"の支柱には、"軽量"且つ"強靭"という特徴を持つ、当社の"軽量足場管スーパーライト700(SL700)"がオススメです。
"スーパーライト700"は、当社と日本製鉄株式会社が共同開発した"軽量単管パイプ"で、従来品に比べて引張り強さを約40%以上向上させながら、厚みを2.4㎜から1.8㎜へ薄くすることで25%の軽量化を実現しているため、丈夫且つ"防風柵"設置の際の作業負担も軽減されます。
"スーパーライト700"は、使用している鋼材が特別仕様であることから"JIS規格製品"ではありませんが、"労働安全衛生規則"に適合している製品であるため、安全/安心にご使用いただけます。
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まとめ
今回は強風対策として、"単管パイプ"を使用した"防風柵"の建て方をご紹介しました。
より効果的な"防風柵"にするには、台風など直接風の影響を受ける風向である南~南西方向に設置するのが望ましいとされています。更にこの主風向に直角な方向にも設置すると、風向きの変化にも対応することができます。
支柱に使用する"単管パイプ"に関して何かご不明点やご質問がありましたら、以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき感謝申し上げます。当社はお客さまがメッキパイプを活用される際に、最も頼られるベストパートナーとなることを目指し、"為になるお役立ち"の充実に尽力してまいります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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