2021.03.10

なるほど!!強風対策の強い味方、防風柵。

先週の3月2日に東急東横線の線路沿いで、強風によって建設現場の足場が倒壊し架線に倒れかかる事故が発生しました。幸い怪我人は出ませんでしたが、この事故の影響で停電が起き、復旧作業も難航した為、翌日3日のお昼過ぎまで運転が見合わせとなりました。

一方で、強風による被害は農家さんにも毎年甚大な被害を出しており、強風によって農業用ビニールハウスが変形してしまったり、最悪の場合は倒壊してしまうこともあります。その為、この時期多い強風被害を軽減する為にも対策が必要となります。

その様な中、今回は強風対策として既に建てている農業用ビニールハウスへ応用可能な単管パイプを使用した防風柵の建て方についてご紹介いたします。

強風による農業用ハウスの被害の特徴

冬期に積雪もなく、台風の襲来も比較的少ないという都道府県では、農業用ビニールハウスに使用されているパイプの骨材が自然災害が多い他県に比べて細くなっている等、構造的に急な自然災害に弱い傾向があります。 

被害のパターンとしては下記のような事例があります。

  • 風上側の肩部分から屋根にかけて押しつぶされた状態
  • 下から吹き上がるようにパイプが変形

強風対策 単管パイプ

 

そこで、補強の為の費用を抑え施設被害を最小限にする為にも、施設の立地条件や強風時の風向き/周辺環境にを考慮し、施設の特徴に応じて、効率的且つ効果的な補強をすることが有効策と考えられます。

防風柵とは?効果はあるの?

上記のような被害を抑える為にも、ご自身でもできる対策の一つとして”防風柵”があります。防風柵とは風の影響を減らし、ハウスの変形/倒壊、植物が倒れたりするのを防ぐ為の”強風対策の柵”です。

防風柵

防風柵を使用する事で未使用時と比べると体感で50〜90%程、風の影響を抑えられると言われています。その効果としては、設置した高さの約20倍の範囲まで風を弱める働きがあり、高さ2mのネットであれば約40m先まで風の勢いを弱める事ができます。

一方で、防風柵の高さは農業用ビニールハウスの屋根面よりも高くする必要があり、取付けに工夫をしたり安全面での注意が必要となりますので、作業の際は十分お気を付け下さい。

用意する道具/材料は?

使用する道具/材料は以下になります。尚、地盤の硬い場所ですと下穴あけに時間がかかってしまう場合もありますので、必要に応じて下穴あけ用の杭になるパイプ端材/木槌/電動ドリルの準備をお願いします。

  • 支柱(単管パイプ)
  • 支柱を打ち込む道具(ハンマー/スコップ/スクリュースコップ等)
  • 防風ネット
  • 防風ネットを固定する部材(パッカー/ロープ/吊柱用キャップ/クランプ等)

防風柵の建て方について

防風柵の建て方については下記作業になります。

  1. 支柱(単管パイプ)を用意する
    防風ネットを張る為の支柱を用意します。一般的には単管パイプを使用する事が多いですが、お近くで単管パイプが手に入りにくい場合は、木製の杭等でも代用可能です。
  2. 基礎となる地面に穴をあける
    ハウスを囲うように外側のラインに沿って1~2m間隔で深さ30~50cm程の穴を掘っていきます。
    尚、支柱は地面に深く差す程強度が増しますが、基礎に水が溜まってしまうと支柱が倒れてしまう為、排水性が高い場所を選定しましょう。
  3. 穴に支柱を差し、防風ネットの両端を固定する
    支柱が倒れないよう穴の深くまで打ち込んで固定をし、パッカーやキャップを取付けワイヤーを使い防風ネットの両端を支柱にしっかりと止めます。
  4. 支柱にワイヤーをつける
    支柱に金具を通してワイヤーを取付けます。
  5. 防風ネットを固定する防風ネットに専用クリップを取付けることで防風ネットにワイヤーを通しても破れにくくなります。この取付けた専用クリップにワイヤーを通すことで、しっかりと張ることができます。

まとめ

より効果的な”防風柵”を設置する為には、台風など直接風の影響を受けそうな台風主風向である南~南西方向に設置するのが望ましいです。更には主風向に直角な方向にも設置することで、風向きの変化にも対応することができます。

支柱に使用する単管パイプに関して何かご不明点やご質問がありましたら、下記資料ダウンロードフォームをご活用頂ければ幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。

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