2020.07.14

「丸パイプ」と呼ばれる鋼管の重量計算と、謎の係数0.02466の意味。

皆さまからよくあるご質問の中に、一般的に”丸パイプ”と呼ばれる鋼管の1本当たりでの重量計算の方法があります。

丸パイプの取引価格は、基本、1トンあるいは1キロ当たりの単価をベースに計算しますので、計算方法さえ覚えてしまえば簡単です。是非、この機会にマスターして、今後のお仕事にお役立て下さい。

丸パイプという鋼管の重量計算の方法

先ず、丸パイプという鋼管の重量は、次の計算式を使って求めることができます。

  •   丸パイプの重量(kg)=丸パイプ1m当たりの重量(kg/m)×丸パイプの長さ(m)

では、丸パイプ1m当たりの重量(kg/m)は、どのように計算するのでしょうか? 丸パイプ1m当たりの重量(kg/m)は、「単重」と呼びますが、次の計算式で求めることができます。

  •   単重(kg/m)(パイプの外径(mm) – 肉厚(mm))×肉厚(mm)×0.02466

最後に、求めた数字は JIS Z 8401をもとに、有効桁数3桁に丸めましょう。

ん⁉️ 謎の数字0.02466とは?

ところで、単重の計算式にある「0.02466」の謎の数字。パイプ業界ではお馴染みの数字ですが、一体どこから出てきた数字かあまり考えずに使っている方も多いのではないでしょうか?

実は、私もその一人でしたが、計算式を丁寧に分解してみると、その謎の係数の正体が明らかになりました。

謎の数字の正体は!?

先ず、下図の計算式の左側から見ていきましょう。

丸パイプを作っている鉄板の幅を計算する必要がありますが、パイプには肉厚と呼ばれる厚みがあるので、パイプの外側の外径でも内側の内径でもなく、そのちょうど真ん中の「板厚中心部」の直径に、3.1416(円周率)を掛けて、パイプを作っている鉄板の幅を計算します。

次に、この鉄板の幅に、肉厚と長さを掛けて、鉄板の体積を計算します。

この鉄板の体積に、7.85(鉄の比重)を掛けると、パイプの単重が求められます。

外径と肉厚の単位はmmなので、最後に1000で割り算して単位調整します。

[JP][Blog]単重計算式

上の図を、わかりやすく順番を変えて整理すると・・・

パイプの板厚中心部の直径×肉厚×3.1416×1/1000×7.85=パイプの単重(kg/m)

つまり、下線部の数字が謎の正体、0.02466になる訳です。

まとめ

今回は”丸パイプ”と呼ばれる鋼管の重量計算の方法についてご紹介しました。尚、上記の重量計算式と、主な外径/肉厚の重量は当社カタログにも記載しておりますので、下記リンクから資料をダウンロードしご確認頂ければ幸いです。

早速、「角パイプの重量計算方法」について疑問に思われた方もいらっしゃるかと思いますが、次回以降のブログにて説明させて頂ければ幸いです。その他にも聞きたいこと/確認したいことがありましたら、お気軽に当社までご連絡下さい。

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