私たちの軽量単管パイプであるスーパーライト700をご愛用頂いているお客様から「スーパーライト700のヤング係数/ヤング率はいくつですか?」という質問をよく頂きます。
ヤング係数/ヤング率について「名前だけは聞いた事がある」という方や、詳しい方であれば「高張力鋼を使用したスーパーライト700は、従来の単管パイプであるSTK500に比べてヤング係数/ヤング率が大きいのでは?」と疑問を持った事があるのではないでしょうか?
今回は、ヤング係数/ヤング率について解説し、スーパーライト700のヤング係数/ヤング率についてご紹介します。
ヤング係数/ヤング率とは
ヤング係数/ヤング率を理解する為には、先ず"弾性領域"と"塑性領域"について知る必要がありますので、ゴムに例えて説明せて頂きます。
ゴムは軽い力で引張ると伸びますが、離すと縮んで元に戻ります。しかし強い力で引張ると伸びきってしまい元に戻らなくなったり、ちぎれたりします。
この元に戻るまでの力と伸びの関係が"弾性領域"で、変形して元に戻らなくなる程大きな力と伸びの関係が"塑性領域"です。
ヤング係数/ヤング率の話題に戻り、代表的な鋼材を引張った場合の応力(力)とひずみ(伸び)の関係からヤング係数/ヤング率を説明すると以下の図になります。
この弾性領域に於ける力の大きさである応力を縦軸に、伸びの大きさであるひずみ横軸にした際の直線の傾きがヤング係数/ヤング率です。
つまり、変形しにくい材料ほどヤング係数/ヤング率は大きくなります。ここで主な物質のヤング係数/ヤング率を参考として例に挙げると以下の数値です。
- ゴム = 0.01〜0.1(GPa)
- 木材(チーク) = 13(GPa)
- 鋼材 = 201〜216(GPa)
上記の数値を比較すると、変形しにくい材料ほどヤング係数/ヤング率が大きい事がイメージし易いかと思います。
ヤング係数/ヤング率の歴史
前述した様にヤング係数/ヤング率は、材料の変形しにくさを数値で表したもので1807年にイギリスの物理学者であるトマス・ヤングによって導入されました。
このヤング係数のポイントは、形状ではなく材料のみに依存するという事です。この概念が導入された事により実験を行わなくても材料が力によってどのように変形するか計算によって導く事ができるようになりました。
スーパーライト700のヤング係数/ヤング率は大きい?
では、高張力鋼を使用したスーパーライト700は、
答えは、「同じ数値として扱われている」です。
鋼材の持つ"強度"は、今まで説明した"材料の変形しにくさ"
従いましてスーパーライト700に使用されている高張力鋼は、
まとめ
今回は、ヤング係数/ヤング率について解説し、スーパーライト700のヤング係数/ヤング率がSTK500のパイプと変わらない事についてご紹介させて頂きました。
高張力鋼と従来の鋼材を比べても"材料の変形しにくさは変わらない"という事は意外に思った人も多いのではないでしょうか?本当に鉄という素材は色々な意外性を秘めています。
今回はスーパーライト700のヤング係数/ヤング率の他にも構造計算を行う際によく用いられる数値をまとめた資料をご準備させて頂きました。以下のダウンロードフォームよりダウンロードし活用して頂ければ幸いです。以上、宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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