春が深まりもうすぐゴールデン・ウィークがやってきます。外で過ごすのが心地イイこの季節は、ジックリと"単管パイプを使ったDIY”にチャレンジしてみる絶好の機会です。
"単管パイプを使ったDIY"の中でも"バイクガレージ"は特に人気が高い製作物ですので、読者の皆さまの中にも「チャレンジしてみたい!」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、当社が実際に行った"バイクガレージ"の"単管パイプDIY"の様子をレポートします。DIYで製作する一連の流れや、必要な情報が満載ですので、皆さまが"単管パイプDIY"を行う際の参考にしていただければ幸いです。
社宅の敷地内に"バイクガレージ"をDIY!
当社には、独身男性社員向けに親和寮という社宅があり、ソコで生活している寮生の所有している乗り物は、自動車・バイク・自転車と様々です。
親和寮は敷地がかなり広く、駐車場は十分に用意されており、また以前ご紹介したとおり"物干し小屋兼サイクルポート"を作成するリノベーションをしたため、自転車の駐輪スペースは十分にあります。
ブログ:単管パイプで作った物干し小屋をリノベーション!!大型DIYでのコストメリットや如何に?
しかし、「自動車と自転車は置き場があるけど、バイクの置き場が決まっていない・・・」ということで、今回はこの親和寮の敷地内の古い物置を撤去し、"バイクガレージ"を新たに設置することになりました。
そして実際に作成した"バイクガレージ"の画像がこちらになります!
設計図を描く
ここからは、今回チャレンジした"単管パイプを使ったDIY"で"バイクガレージ"を製作するにあたり、実際に行った工程をご紹介していきます。
先ずは設計図を描きました。
"バイクガレージ"について調べると、そのサイズは幅1.4~1.6m×奥行2.0~2.2m×高さ2.0mほどが一般的とのことだったので、こちらの寸法をベースとして考えました。
現在"親和寮"にあるバイクは2台と聞いていましたが、少し余裕をもって2〜3台の収納を想定し、幅2.5m×奥行2.0m×高さ2.0mの寸法で作成することにしました。
インターネットで調べて出てくる"バイクガレージ"のイメージを参考にして作成したのが、以下の設計図です。今回は強度を持たせるために、"筋交"を入れるように設計しました。
また大まかな完成イメージや寸法を把握するための上記の設計図に加えて、今回は単管パイプの組み立て方を把握するために、下記の屋根なしの図と三面図ならぬ四面図も用意しました。
さらに、必要な部材数を把握するために下記の様な図も作成しました。
![[JP]バイクガレージDIY設計図 必要部材計算](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/%EF%BC%BBJP%EF%BC%BD%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8DIY%E8%A8%AD%E8%A8%88%E5%9B%B3%20%E5%BF%85%E8%A6%81%E9%83%A8%E6%9D%90%E8%A8%88%E7%AE%97.png?width=400&height=263&name=%EF%BC%BBJP%EF%BC%BD%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8DIY%E8%A8%AD%E8%A8%88%E5%9B%B3%20%E5%BF%85%E8%A6%81%E9%83%A8%E6%9D%90%E8%A8%88%E7%AE%97.png)
前回チャレンジした"物干し小屋兼サイクルポート"の反省を活かし、今回は屋根の仕様を根本的に見直して、"垂木"のピッチは45.5cm、"波板"の重なり代は2.5山(約5.1cm)、波板ビスのピッチは5山(約10.2cm)として計算しています。
必要部材は以下の通りとなりました。
- 単管パイプ 1m x 4本
- 単管パイプ 2m x 9本
- 単管パイプ 2.5m x 3本
- 単管キャップ x 28個
- 波板ビス x 55個
- ビス x 30個
- 杉材 90 x 90 mm x 3m x 5本
- 波板 7尺(65.5 x 212/cm) x 5枚
- 直交垂木止めクランプ x 15個
- 直交クランプ x 16個
- 自在クランプ x 8個
- ジャッキベース x 4個
設計図の詳しい書き方について気になる場合は、以前に提供させていただいた以下の記事もご参照ください。
ブログ:設計図の書き方を初心者にもわかりやすく解説!!単管パイプで楽しくDIYするのに必要なこと。
今回DIYに使用したのは"スーパーライト700"!
"単管パイプを使ったDIY"として使用するパーツは、当社の軽量単管パイプ"スーパーライト700"がオススメです。
"スーパーライト700"は当社と日本製鉄株式会社が共同開発した"軽量単管パイプ"で、従来管よりも25%も軽くなっており、DIYパーツとしても扱いやすい製品です。今回のDIYでも、"単管パイプ"は"スーパーライト700"を使用しています。
強度の高い素材を使っているので荷重に対する耐久性も抜群で、実際に建設/建築工事の現場の仮設足場としても数多く採用されています。ホームセンターやECサイトで簡単に手に入りますので、DIYの際はぜひ試してみてください。
"スーパーライト700"を販売しているホームセンターについては、以下の記事をご参照ください。
ブログ:スーパーライト700がすぐ欲しい!!取扱いのあるホームセンターのご紹介。
必要部材の買い出しと木材のカット
設計図から、必要となる部材の種類と数がわかりました。今回は、運良くホームセンター1店舗で全ての材料が揃い、各種部材と"単管パイプ"を合わせた材料費の合計は、5万円弱となりました。
"垂木"については、12フィート≒3.65mの木材が見つかったため、店頭で3mの長さにカットしてもらいました。
買い出しは1人で行いましたが、これが意外と大変でした。例えば"波板"は2mを超えますし、"垂木"は3mもの長さがあります。
特にジャッキベースが重いうえに、クランプ類も総数が多いため、部材の総重量はなかなかのものになりました。
このように、大きかったり重かったりする部材を車に積み込むのも一苦労なので、やはり買い出しの際も人手はあるに越したことはありませんね。
もう一つ困ったのが、単位の問題です。
設計図ではcmやmの単位をベースに考えていましたが、店頭に置いてあった"波板"は尺、木材はフィートが基本単位となっており、必要な長さの部材を揃えるにはどのサイズのものを購入すべきなのかがわかりにくいように感じました。
"波板"はすでに7尺で目星をつけていたので大丈夫でしたが、木材については各フィートに対応するcmでの長さをその場で検索しながらなんとか乗り切りました。
解体・組み立て作業の流れ
前日に必要部材の買い出しを済ませ、作業当日は主に5名の当社社員で"単管パイプを使ったDIY"を行いました。作業日は4月中旬で、朝方は小雨が降っていましたが、日中は晴れて気温も上がりました。
DIY作業を行う際は、こまめな休憩と水分補給を挟みながら、安全第一で作業を進めるよう気をつけなければと痛感した次第です。
必要部材以外の工具等の準備
物置の解体作業で使用した工具等の道具は、以下の通りです。
- グラインダー
- 金槌
- スコップ
- 枝切り鋏
- 箒
- 手箕
- ゴミ袋
組み立て作業で使用した工具等の道具は、以下の通りです。
- 脚立
- インパクトドライバー
- ラチェットレンチ
- メジャー
- 水平器
- 油性ペン
- 枕木
インパクトドライバーとメジャーは複数用意しておくと、作業がよりスムーズに進められます。
作業者はヘルメットと保護具、革手袋やゴム手袋などを着用して作業を行いました。ご家庭等でDIYを行う際も、安全を確保できる服装や保護具の着用が望ましいです。
物置の解体
初めの作業は、物置の解体作業でした。
元々この物置の中には、持ち主不明の古いタイヤなどが入っていましたが、寮生に協力を依頼し、事前に中の物を全て出してもらっていました。
小さなパイプハウスのような形状をしているこの物置は、上に掛かっていたシートを外し、固定用のアンカーを取り外し、アーチ部分のパイプを引き抜いて解体することで撤去できました。
撤去作業の次は、張り出ている木の枝を切り、周囲の落ち葉を箒で掃くことで"バイクガレージ"を設置するスペースを確保し、きれいに掃除しました。木の枝には鋭い棘が生えているものもあり、ゴミ袋に入るように小さく千切る作業の際は、厚手の革手袋があった方が安心でした。
ここで一旦休憩していたところ、フェンスの向こう側に"キジ"が歩いているのを発見しました!!!
フェンス越しとはいえ、結構近付いたと思うのですが、"キジ"がこちらを気にする素振りは全くありませんでした。人に慣れているのでしょうか・・・。親和寮の周りは自然が豊かなので、こういった野生動物も出てくるのですね。
廃棄するパーツの片付け等
古い物置のパーツだったパイプ等は腐食が酷い状態で、土台の一部が欠けるほど赤錆が侵食していました。
この状態では再利用は難しいため廃棄となりますが、このままでは廃棄もしにくいので、グラインダーで細かく切断してから移動させました。このパーツは後ほど業者に回収してもらうことになります。
骨格の組み立て
撤去と清掃を終えて、"バイクガレージ"の骨格組み立てが始まりました。
作業しやすい広い場所で、単管パイプを"単管クランプ"で仮固定しながら小屋の骨格を組み立てていきました。組み立ての際は、"単管クランプ"の向きを揃えることを意識しましょう。地面と垂直に接する、柱の役割である4本の"単管パイプ"はジャッキベースに差し込みました。
屋根のベースとなる上面の"単管パイプ"には、"垂木止めクランプ"を取り付けました。この時点で、大まかな形は出来上がったので、次は本締めに入っていきます。
メジャーや水平器などを使い、"単管クランプ"の位置や"単管パイプ"の角度を調節しながら、インパクトドライバーで本締めを行いました。"垂木止めクランプ"も、"単管パイプ"の端からの距離を測って油性ペンで目印を付けておき、目印に合わせて本締めすることでそれぞれの位置を揃えていきました。
本締めが終わり、"バイクガレージ"の骨格の完成です。ここまでくるとシッカリと"バイクガレージ"の形になってきているという達成感が出てきます。
設計図では正面と背面に入れる予定だった"筋交"ですが、組み立ててみると正面より側面にあった方がいいのではないかとの話が出て、試してみたところ利便性の面でも強度の面でもこちらの方が良いとの結論に至ったため、背面と側面前方への設置となりました。
場所も、"バイクガレージ"を配置したい位置まで移動させました。
屋根の取り付け
最終ステップは屋根の取り付けです。前回の"物干し小屋兼サイクルポート"では、この取り付け作業で四苦八苦したため、作業メンバーにも気合いが入ります。
先ずは"垂木"を一本ずつ"垂木止めクランプ"の上に乗せて、ビス止めしていきました。
"垂木止めクランプ"の位置は揃っている状態ですが、"垂木"自体に曲がりや反りがあるため、"垂木止めクランプ"と"垂木"が密着しない部分もありました。その場合は、"垂木"を無理に曲げず、"垂木止めクランプ"の位置を動かして合わせました。
"波板"のビス止めは、ガレージを倒して作業することにしました。"波板"が正面に飛び出す部分を考慮して、高さをつけた枕木の上にガレージを倒しました。4人で倒しましたが、軽量単管パイプの"スーパーライト700"を使用しているためか、あまり負担は感じませんでした。
"波板"を押さえつつ、上段右側から左側へ、順番に波板ビスで固定していきました。波板ビスには木地用と鉄地用などの種類があり、適切な種類を選ばないとうまく固定できない場合もあるため注意が必要です。
少し歪みや曲がりが出てはいますが、以前張った"波板"と比べると、格段に美しく仕上げることができました。作業メンバーも自画自賛ながら完成度には大満足です。
ガレージを起こし、ジャッキベースで角度を付けました。今回の設計では、"単管パイプ"の長さは前後で変えていないため、前方二つのジャッキベースの高さを上げることで、雨水などが後ろへ流れるようにしました。
"バイクガレージ"の完成‼︎
ついに"単管パイプを使ったDIY”による"バイクガレージ"の完成です。
土台部分が腐食して欠けた箇所があるほど赤錆が酷かった小型パイプハウスが、"単管パイプを使ったDIY"で、シンプルで丈夫な"バイクガレージ"に生まれ変わりました。
作業は朝から夕方にかけて、休憩も挟みながら合計で5時間ほどかかりました。
まとめ
今回は当社の親和寮で行った、"バイクガレージ"を"単管パイプ"を使ったDIY"の様子をお届けしました。
前回の"物干し小屋兼サイクルポート"を製作する"単管パイプ"を使ったDIY"の反省を踏まえて、一段レベルアップした作品が作成できたのではないかと思いますので、皆さまが"単管パイプを使ったDIY"を行う際の参考にしていただければ幸いです。
記事内でご紹介した軽量単管パイプ"スーパーライト700"についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページから製品カタログがダウンロードできますので、ご活用ください。
当社では、皆様の"為になるお役立ち"に繋がる情報発信を行っております。"単管パイプ"を使ったDIYについて、何かご質問やご相談等がございましたら、以下のページからお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただき心より感謝申し上げます。今後とも宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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- 単管パイプ/足場管