2023.08.09

”単管パイプ”によるDIYで暑さ対策!!”サンシェード兼棚”を作ってみました。

先日07月27日に、世界気象機関(WMO)より「2023年7月は記録上最も暑い7月となる可能性が非常に高い」との推測が発表されました。

 出典:https://public.wmo.int/en/media/press-release/july-2023-set-be-hottest-month-record

日本でも、7月の連日の暑さを振り返るとこの推測には納得できますが、これから夏本番を迎えることを考えると体調や電気代などの面で不安を覚えます。

そこで今回は、”単管パイプ”による”DIY”で、猛暑を乗りきる暑さ対策として、当社の本社工場敷地内に”サンシェード兼棚”を作成した様子をレポートしますので、みなさまの暑さ対策の参考にしていただければ幸いです。

 
製品資料ダウンロード/足場管SL 
 

日当たりが良すぎる旧厚生棟前ベンチ

当社の本社工場では、敷地内の各所に自動販売機やベンチが設置された休憩スペースがあります。殆どの休憩スペースには屋根がついており日陰で休むことができますが、その中の1カ所に屋根がなく日陰になる場所がないベンチがありました。

それが旧厚生棟という建物の前のベンチです。

旧厚生棟前ビフォー

この場所は南向きで日光を遮るものが無く日当たりが良すぎるほどで、夏場の日中は暑さで休むに休めませんでした。

そこで、ここに日陰を作ることができれば工場現場の仲間が少しでも涼しく休めるのではないかと考え、日陰を作る為の”サンシェード”と、気軽にモノが置ける”棚”を組合わせた”サンシェード兼棚”を”単管パイプ”で”DIY”してみました。

サンシェードDIYアフター正面と棚

この通り”サンシェード兼棚”を設置することで、旧厚生棟前のベンチに約2m幅の日陰ができました!!!内側には棚が付いており、ヘルメットや飲み物などのちょっとしたモノを置くことができます。

この”サンシェード兼棚”の”DIY”に関する詳細は以下の通りです。

設計図の作成

”サンシェード”とは、車やベランダに設置して社内や室内の温度上昇を防ぐ役割を持つ日除けのことで、設置場所や用途によって様々な形態のものがあります。

既製品には上部を窓に取り付けて下部を重りで止めるタイプ、すだれのように立てかけるタイプ、テントのように柱で固定する独立タイプなどの様々なバリエーションがありますが、今回は旧厚生棟前に設置できる独立型にしたいということで、以下の様な方向性で設計図を考えてみました。

サンシェードDIYボツ案文字なし

シンプルな作りで考え始めましたが「キャスターをつけて楽に動かせるようにしたい」、「ちょっとした物を置ける棚の機能も欲しい」といった実用性を求める意見もあり、何度も試行錯誤し設計を練り直しました。

”サンシェード兼棚”という製品はネットを探しても見つからず参考にできる資料が少ない為、設計図を考えるのも一苦労でしたが、こうして世界に一つしかない作品を生み出せるのが”DIY”ならではの面白さだと改めて実感しました。

強度や安定性を加味した結果、最終的な設計図はこのようになりました。

[JP]【確定版】真夏のDIY.サンシェード兼棚設計図

設計図の詳しい書き方について気になる方は、以前に提供させて頂いた以下の記事もご参照ください。

 ブログ:設計図の書き方を初心者にもわかりやすく解説!!単管パイプで楽しくDIYするのに必要なこと。

必要となる部材の調達

今回、”単管パイプ”以外の材料費の合計は、およそ2万4千円です。

”自立式サンシェード”の形はテントに近く、相場を調べてみると機能や性能によって幅はあるものの、1万円〜6万円の製品が多いようです。

[JP]1814473_s

”自立式サンシェード”の中でもキャスターや棚が付いたものは見つからないため単純なコスト比較は難しいですが、全体の相場感からすると中央あたりに位置するイメージです。”DIY”では欲しい機能や性能を自分で選んで仕上げることができる点を考慮すると、費用に対する満足度は既製品より高くなりやすいと感じました。

前回の反省を踏まえて今回はネット通販も活用しながら部材を揃えたため、買い出しの苦労はそんなにありませんでした。ホームセンターで調達したのは化粧板とそれを固定するためのビスでした。

単管DIY研究所さまのこだわりが詰まったジョイント、”LABO金具”

今回の”DIY”では、単管DIY研究所さまのご協力をいただき、同社の主力製品である”LABO金具”を実際にジョイントに使用させていただくことになりました。

単管DIY研究所さまの”LABO金具”は、基本的に六角レンチ一本で固定することができます。金具の中に水が溜まらないように余裕を持ったこだわりの設計になっており、”単管パイプ”との間にゆとりがあるため組み立て作業がしやすい点も、DIY初心者の我々に嬉しいところです。

ジョイントは、組み立てる前に必要なパーツを”単管パイプ”にセットしておく必要があり、クランプと比べて使用時の難易度が少し高いですが、慣れてくるとパズルのようで楽しく感じました。

[JP]単管DIY研究所ジョイント

金具に出っ張りが少ないため、見た目がスッキリ美しく仕上がるのもジョイントの利点です。

単管DIY研究所さまのジョイント”LABO金具”は、以下のHPからオンラインでの購入が可能ですので、”DIY”にチャレンジする際にはぜひお試しください。

 単管DIY研究所さまのHP:https://www.tankan.tv/

また、合わせて使用する”単管パイプ”は、従来管のSTK500よりも25%も軽くなっていて”DIY”の際にもとても扱いやすい、当社の”スーパーライト700”をぜひよろしくお願いいたします。

クランプとジョイントの使い分けについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

 ブログ:単管パイプのDIYをクランプとジョイントの使い分けでもっと充実。

組み立て作業の流れと押さえるべきポイント

作業日は快晴で、本社工場がある矢板市の最高気温は34℃となりました。日陰で作業を行いましたが、それでも身の危険を感じる暑さでした。暑さ対策の”DIY”の作業中に体調不良になってしまっては本末転倒ですので、皆さまも”DIY”を行う際はできる限り涼しい場所で作業を行い、こまめな休憩と水分補給を忘れないようにしてください。

今回の作業者は4人、作業時間は約1時間半で、全員体調不良や怪我なく作業を終えることができました。

部材の確認

用意した部材を並べ、不足がないことを確認してから組み立て作業に入りました。日除け用のネットはECサイトで購入し、後から届く予定となっていたためこの写真には写っていませんが、それ以外の必要部材は全て揃っています。

[JP]サンシェードDIY使用部材

使用した工具類は六角レンチ、インパクトドライバー、メジャー、水平器です。作業者が複数人いる場合には六角レンチとメジャーも複数個用意することで、作業がスムーズに進みます。

組み立て作業①

設計図を元に、はじめは2mの長辺から取り掛かることにしました。

2mの”単管パイプ”にキャスターと四方向一箇所貫通金具、端末ボルト止め金具を差し込み、キャスターと端末ボルト止め金具を仮止めします。左右両方の”単管パイプ”で仮止めが完了したら、化粧板を固定するための金具を2つ通した1.8mの”単管パイプ”を、2mの”単管パイプ”2本の間に仮置きします。

[JP]サンシェードDIY組み立て1

設計図では、化粧板を固定する片側取付金具は0.3mの”単管パイプ”に取り付ける想定になっていましたが、強度を持たせるための現場判断として、1.8mの”単管パイプ”に金具を取り付けることにしたため、上部の0.3mの”単管パイプ”は金具を通さず仮置きしました。

1mの”単管パイプ”には、キャスターと三方向一箇所貫通金具、ボルト止め金具と方向コーナー金具を予め通しておきます。

*後で気付いた押さえるべきポイント!

金具には上下があるものもあります。よく見ると刻印がある面とない面がありますので、向きは統一しておきましょう。バラバラに取り付けてしまうと、作品が歪む可能性が高くなります。

組み立て作業②

下部の0.3mの”単管パイプ”に三方向一箇所貫通金具を通して2mの”単管パイプ”に仮置きし、その上に1mの”単管パイプ”を仮置きします。両方の作業が済んだら、下部の1.8mの”単管パイプ”を差し込み、金具を仮止めします。

[JP]サンシェードDIY組み立て2

*後で気付いた押さえるべきポイント!

右の写真のように側面を地面に置いて平らな状態にして金具を止めていくと、曲がりや歪みを軽減できます。

組み立て作業③

各所の長さをメジャーで測りながら微調整して、金具を仮止めします。

[JP]サンシェードDIY組み立て3

化粧板固定用の金具を2つ通した1.8mの”単管パイプ”を方向コーナー金具に差し込んで仮止めしたら、横に寝かせていた作品を縦に起こします。

組み立て作業④

仮止めしていた金具をシッカリ固定します。

[JP]サンシェードDIY組み立て4

ここで金具の向きがバラバラになっていることに気付き、向きを揃えました。

*後で気付いた押さえるべきポイント!

”単管パイプ”がキチンと金具の奥まで入った状態で固定しないと、強度が弱くなったり、ガタ付き/外れの原因になります。”単管パイプ”が金具の奥まで入っていることを確認してから固定しましょう。

組み立て作業⑤

地面が平らな場所に作品を移動させ、歪みを直します。金具のちょっとしたズレや、これまで作業していた場所の傾きなどによってできた歪みを水平器で確認し、調整していく作業です。

[JP]サンシェードDIY調整1

化粧板固定用の金具も、メジャーで測りながら位置を調整し、金具を固定します。

組み立て作業⑥

インパクトドライバーでビスを打ち込み、化粧板と金具を固定します。

[JP]サンシェードDIY調整2

ビス打ちは対角線上に1つずつ行っていくと歪みが少なく仕上がります。

*後で気付いた押さえるべきポイント!

前回の余りのビスは25mmの長さで、合わせてみると化粧板を突き抜ける長さだったため、短めの16mmのビスを調達しましたが、これは逆に少し短すぎて抜けてしまう恐れがあると感じました。18〜20mmのビスが丁度よかったのかもしれません。ビス選びは慎重に行いましょう。

日除けネットを取り付けて完成‼︎

そして翌日、ハトメ付きの日除けネットの取付を行いました。上部二箇所をカラビナで止め、下部二箇所を付属の紐で縛って固定し、余った紐で真ん中あたりを左右もう一箇所ずつ固定しました。

[JP]サンシェードDIY完成2

日除けネットは通気性との兼ね合いも考慮し遮光率8割ほどのものを選びましたが、十分な日陰を作ることができました。ベンチに座ると周囲の日向にいるよりも涼しく、風通しも良いため心地良く過ごせて休憩しやすいスペースになりました。

[JP]サンシェードDIY完成遮光性
完成時に居合わせた現場の方にも体験してもらい、「いいですね!」とのコメントをもらいました。

[JP]サンシェードDIY完成内側

ヘルメットや保護具、飲み物を置く棚としての役割もバッチリです。

暑い現場で働くメンバーが安全/安心に夏を乗り越える一助になれたのではないかと思います。

今回のDIYの反省点

作業の流れで記載した”後から気付いた押さえるべきポイント”以外の反省点を挙げていきます。

化粧板の幅はもう少し大きくてもよかった

今回、化粧板の幅は0.3mで計算し、”単管パイプ”も0.3mの長さで用意しましたが、金具の分で少し幅が広がってしまい”単管パイプ”と化粧板の間に隙間ができてしまいました。大きな問題ではありませんが、化粧板の幅をもう少し大きくして0.4mほどのものを選ぶと丁度よかったかもしれません。

棚の位置が高かった

少し高めの1m程度の想定でしたが、キャスターや化粧板の高さが足されて実際にはさらに高くなってしまいました。ベンチに座った時に丁度目の前に棚が来るような形になり、多少圧迫感があります。旧厚生棟前は周囲の建物の影響で風向きには問題ないと思われますが、もし正面から風が吹くような場所に置くとなると、風で倒れた場合に頭などにぶつかる危険性が出てきます。

土台を広めに作ると安定性が上がるかも

風で倒れないよう安定性の向上を目指すのであれば、下の土台を広げてしまうのが良いのかもしれないと感じました。設計図の時点では十分すぎるほどに頑丈な作りだと思っていましたが、2m超えの高さを目の当たりにすると迫力があります。今後高さのある作品を作る際には、できるだけ土台部分を広げることを心がけようと思いました。

サンシェードDIY設計図改良案反省点を踏まえた設計図の改良案がこちら。作成するとなるとこれもまた改善点が出てくるような気もします。

今回作成した”サンシェード兼棚”については安全面を考慮し、風の強い日は屋内にしまう、使用時には必ずキャスターをロックするなどの対応を行います。

まとめ

今回は、”単管パイプ”を使った”サンシェード兼棚”の”DIY”についてレポートしました。

大型の制作物DIYは今回で2回目ですが、”DIY”は実際にやってみないとわからないことも多く、最初から完璧に仕上げるのは難しいです。うまくいかなかった点も含めて皆さまが”単管パイプ”で”DIY”を行う際の参考にしていただければ幸いです。

一方で”単管パイプ”の”DIY”では、パーツの入れ替えや再利用が容易であることから、うまくいかなかった点を後から手直ししやすいというメリットもあります。我々も機会があれば作品の手直しを行い、発信していきたいと思います。

ジョイントの”LABO金具”に関し多大なご協力をいただいた単管DIY研究所さまには、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

記事内でご紹介した軽量単管パイプ”スーパーライト700”についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページから製品カタログがダウンロードできますので、ご活用ください。

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当社では、皆様の”為になるお役立ち”に繋がる情報発信を行っております。”単管パイプ”を使った”DIY”について何かご質問やご相談等がございましたら、以下のページからお気軽にお問い合わせください。

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最後までお読みいただき心より感謝申し上げます。今後とも宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。


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