近年ではライフスタイルの変化に応じて、生活に必要なモノを既製品ではなく自分自身で作り上げる”DIY”が注目を集めています。
自分の好みに応じて設計し自身のペースで組立てる事ができ、また一度必要な道具を揃えて材料類の入手方法を覚えてしまえば、コストの面でも既製品の購入や専門業者への依頼よりも安くなる場合があるのもその魅力の一面です。
DIYは一般的には木材を使う場合を思い浮かべることが多いかもしれませんが、強度が高く耐久性も高いことから実は”単管パイプ”を活用される方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、DIY初心者の方でも比較的チャレンジし易く、安全/安心に作れる”単管パイプ製の棚(ラック)の作り方を実際の作業動画と記事の両方で解説した上で、そこから得たコストに関する気付きをご紹介いたしますので、アナタのDIYライフのご参考にしていただければ幸いです。
↓単管パイプ製のラック(棚)の作り方動画はこちら!
”単管パイプ製ラック”の完成イメージ
さて今回ご紹介する”単管パイプ製ラック”はこちらです!
金具はスタイリッシュな外観を出すために、単管クランプよりも金額は高くなってしまいますが、出っ張りもなく種類も豊富で意匠性が高い”単管ジョイント”を使用して製作しました。
サイズは高さ:約100cm、横:約50cm、幅:約25cmで、2段仕様のラックとなります。
それでは、実際にどうやって作っていくのか、事前準備と作り方について解説していきます。
事前準備
”単管パイプ製ラック”を作り始める前には、事前準備が重要になります。まず、ポイントとして以下の2点について確認しましょう。
- 簡単で良いので”単管パイプ製ラック”の設計図を書く。
- ”単管パイプ製ラック”づくり必要な材料•道具類を揃える。
では、それぞれについて解説していきます。
なお、単管パイプを使ったDIYの全般的な情報やコツについては、以下の記事にまとめておりますので、是非下記のリンクよりご確認いただければ幸いです。
ブログ:単管パイプでもっとDIY!!準備〜製作までのコツをまとめてご紹介。
1 ”単管パイプ製ラック”の設計図を書く
DIYではいきなり製作物を作り始めると、途中で寸法が合わなかったり、必要な材料が揃わなかったりする可能性がありますので、まず簡単で良いので最初に設計図を書き、完成イメージを固めておくことが大切です。
今回の”単管パイプ製ラック”の場合は、先ずは以下のようなイメージ図を作成してみました。
もし設計図を初めて書くという方は、下記リンクに株式会社ジョイント工業さんが作成した製作用のイメージ図が参考になりますので、ぜひ併せてご活用ください。
2 ”単管パイプ製ラック”づくりに必要な材料・道具類を揃える
設計図で製作物の完成イメージが掴めたら、次に”単管パイプ製ラック”づくりに必要な材料と道具を揃えていきます。
まず、”単管パイプ製ラック”づくりに必要な材料は以下の通りです。
材料名 |
参考価格 |
個数 | 画像 |
単管パイプ1m | 2,200円 | 4本 | ![]() |
単管パイプ25㎝
|
※1.5mの単管パイプを切断し作ります。 |
6本 |
![]() |
単管ジョイント(T継ぎ) |
1,200円 |
8個 |
![]() |
単管ジョイント(L継ぎ) |
1,200円 |
4個 |
![]() |
単管ジョイント(板止め用) |
1,000円 |
12個 |
![]() |
固定ベース |
1,100円 |
4個 |
![]() |
板 |
500円 |
3枚 |
![]() |
ビス(サイズ:4㎜ × 16㎜) |
500円 |
24本 |
![]() |
25cmの単管パイプはそのまま市販されていませんので、1.5mの単管パイプをパイプカッターで切断をして作ります。
もしパイプカッターの使い方が分からない方がいらっしゃいましたら。パイプカッターの切断方法については以下の記事で詳しく解説しておりますので、ご参照ください。
ブログ:パイプカッターを使って単管パイプを綺麗に切断するには?!
次に”単管パイプ製ラック”のDIYで必要になる工具/道具は以下のとおりです。
工具名/道具名 | 参考価格 ※ホームセンターの平均価格で算出 |
画像 |
ドライバー | 250円 | ![]() |
六角レンチ | 150円 | ![]() |
メジャー | 1,500円 | ![]() |
もし上記の材料や工具・道具がご自宅にない場合でも、今回ご紹介している”単管パイプ製ラック”のDIYに必要なモノは全て殆どのホームセンターで販売されているアイテムなので、比較的簡単に入手ができるはずです。
”単管パイプ製ラック”の組み立て方
こちらでは、今回製作した”単管パイプ製ラック”の組み立て方を詳しく解説していきます。準備や段取りの様子をご確認頂いた上で、ご自身で”単管パイプ製ラック”や他の作品を作る際の参考にしていただければ幸いです。
1 25cmの単管パイプに単管ジョイント(板止め用)を装着
まずは25cmの単管パイプに板止め用の単管ジョイントを装着します。単管パイプ1本につき、2つの単管ジョイントを使います。
2 25cm単管パイプに単管ジョイント(L継ぎ・T継ぎ)を装着
次に、25cm単管パイプの両端にL継ぎ・T継ぎ単管ジョイントを装着します。
この時の注意点として、天板にはL継ぎ、中段と下段にはT継ぎを使用してください。
単管ジョイントのネジ部を六角レンチを使って、仮締めをします。作業は板の上で、位置の目安を考えながら作業したり、あらかじめマーカーで印を付けておくと作業がし易くなります。
3 単管ジョイント(板止め用)をドライバーで固定する
L継ぎ•T継ぎ単管ジョイントを装着したら、板止め用の単管ジョイントの位置もシッカリと調整し、ドライバーで仮締めをします。
4 ビスで単管ジョイント(板止め用)を板に固定する
ビスを使い、板止め用単管ジョイントを板に固定します。これで単管パイプが板に固定されたことになります。
5 天板のジョイント(L継ぎ)に1m単管パイプを立てる
天板、中段、下段の3枚の板の作業が終わったら、最上段である天板のL継ぎジョイントに、1m単管パイプを差し込んでいきます。
その後、L継ぎジョイントのビスをドライバーで単管パイプを仮締めをします。
6 2枚の板を1m単管パイプにはめ込む
中段と下段にあたる板を、単管パイプにはめ込んでいきましょう。スムーズにはまらない場合は、六角レンチでジョイントを少し緩めたりすると”はめ込み”はしやすくなります。
ちょうど良い位置まで板をはめこんだら、再び六角レンチでジョイントを仮締めをします。
板の位置を綺麗に合わせるには、メジャーを使って高さを測ったり、水平器で調整することでまっすぐに止めることができます。
7 固定ベースを1m単管パイプにはめ込む
4つの固定ベースを、単管パイプにはめ込みます。六角レンチを使って仮締めをします。
8 本締めをする
最後に全ての単管ジョイントを本締めしていきます。
この時に少し歪んでいたりうまく取り付けられていない部分があればメジャーや水平器を使い調整をします。
9 ひっくり返して完成!
”単管パイプ製ラック”の上下をひっくり返して、完成です。
工具や本及び趣味のコレクションなど、ぜひ色々なモノを並べるのにご活用ください!
実際に掛かった費用は?
今回ご紹介した”単管パイプ製ラック”の製作費用は、材料費が約4.4万円、工具が約0.2万円、合計で約4.6万円でになってしまいました。
その要因は、制作物の大きさがとても小さかったこと、デザイン性を重視し全ての金具を単管クランプではなく単管ジョイントを使用したこととで、作品の大きさの割には使用する単管ジョイントの数が増えてしまい、材料費がかなりかさんでしまった訳です。
そして、実際に製作をしてみて気づいたのは、単管パイプは建設足場やビニールハウスに使用されているだけあってかなりの強度があり、今回の大きさの作品を作るよりもより大きな作品を作るのに向いているという点です。
つまり、下の写真の様に階段やスロープや、ベッドまたは遊具などのよりサイズが大きいモノや、屋外で使用されるモノの中で、特に強度/耐食性が求められる制作物やデッドスペースを有効活用する場合には、既製品に比べてコストを抑えることができるケースも多い為、単管パイプでDIYする事がオススメできる事を実感しました。
また、コストをなるべく抑えたいと思われる場合は、用途によって金具を単管ジョイントよりも約1/2ほどの価格である単管クランプにしたり、見えない部分を”単管クランプ”にし、見える部分は”単管ジョイント”を混ぜて製作することで、外観と強度を保ちつつ材料コストを約1/2〜3/4ほどに抑えることが可能になります。
以前に単管クランプと単管ジョイントの比較記事を書いておりますので、よろしければ以下のリンクよりご参考いただければ幸いです。
ブログ:単管パイプのDIYをクランプとジョイントの使い分けでもっと充実。
まとめ
今回は単管パイプを使って自分で安全/安心に楽しく作り上げられる”単管パイプ製ラック”の作り方の参考例をご紹介させていただき、またそこから得たコストに関する気付きをご紹介させていただきました。
DIYは一見難しそうに見えますが、どんなモノを作りたいかイメージを固め、必要な材料と道具を揃えれば、遊具やフェンス、階段などでも簡単に作ることができます。是非ともご予算や作りたい作品に合わせて、単管パイプを活用したDIYにチャレンジしていただければと思います。
もし単管パイプを使ったDIYについて「もっと詳しく知りたい」、「〇〇の作り方を教えてほしい」といったリクエストがございましたら、以下のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
また今回のDIY作品に使用した単管パイプは、当社の軽量単管パイプ”スーパーライト700”です。錆びにくく強度があって、さらに軽いため、初めて単管パイプを扱う方でも使いやすくDIYにもおすすめの製品です。
お近くのホームセンターでも販売されている店舗もございますので、お探しの場合は以下のブログでご紹介しておりますので、ご参考いただければ幸いです。
ブログ:スーパーライト700がすぐ欲しい!!取扱いのあるホームセンターのご紹介。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。当社では皆様のお役に立つ情報をブログや動画で発信してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
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- 単管パイプ/足場管