近年、新型コロナウイルスによるパンデミック下での生活や継続するインフレの影響、ライフスタイルの変化に伴い、家具や小物等を自分で作ったり修繕したりするDIYが注目を集めています。
DIYへの関心が高まりを見せる一方で、「DIYにチャレンジしたいけれど、どんな材料や工具が必要なのかわからない」、「先ず何から手を付けていいのかわからない」とお悩みの方も多くいらっしゃると思います。
そこで今回は、単管パイプメーカーである私たちの視点から、初めての方でも単管パイプを使って安心/安全に楽しくDIYする為のコツやポイントについて、分かりやすくご紹介させていただきます。具体的には、以下の内容について解説します。
- 単管パイプでDIYをする流れ
- 必要な資材と道具
- 単管パイプでDIYを行う上での注意点
- 単管パイプを使った作品の事例集
- DIYにオススメの単管パイプとは
DIYにチャレンジしたいという方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
→本記事で説明している単管パイプの詳細資料はこちら
単管パイプでDIYをする流れ
DIYの大まかな作業工程は以下のとおりです。
- ”どんなものを作りたいか?”のイメージを図に書いて設計する
- 必要な資材/工具を明確化する
- 必要な資材/工具を調達する
- 実際に組み立てる
それぞれについて、詳しくご説明します。
”どんなものを作りたいか?”のイメージを図に書いて設計する
まず最初に、”どんなものを作りたいか”というイメージを図に書き出します。
イメージしたものを実際に書き出すことで、頭の中だけで考えるのに比べて、具体的な課題や問題がはっきりと分かると同時に、必要な資材の数や寸法も明確になる為、作業効率が上がるほか、無駄なコスト削減にも繋がります。
「設計図を書いたことが無いからどうすればいいのかわからない」という場合は、株式会社ジョイント工業さんが用意している製作用のイメージ図がありますので、ぜひご参照ください。
参考リンク:株式会社ジョイント工業_製作用イメージ図PDF
必要な資材/工具を明確化する
設計が終わったら、図面から必要な単管パイプの長さ/本数、金具の種類/個数を拾い出します。なお、単管パイプを使ったDIYで使用される主な資材/工具の例は以下のとおりです。
【主な資材】
- 単管パイプ
- 接合用の金具 (単管クランプ/ジョイント)
- その他資材 (木板/波板など必要に応じて追加)
【主な工具】
- 金具の固定に必要な工具 (ドライバー/六角レンチ等)
- パイプの切断に使う工具 (パイプカッター)
”単管クランプ”と”ジョイント”の違いや特徴
”単管クランプ”と”ジョイント”はいずれも単管パイプを繋ぐ為の代表的な金具ですが、用途や費用に違いがあります。
それぞれの金具の特徴を強度/価格/意匠性/作業性といった項目ごとにまとめましたので、下記の比較表をご参考にしていただければ幸いです。
単管クランプ | ジョイント | |
強度 | 工事現場等の仮設で使用される為、仮設工業会認定品のモノは強度に対する信頼性が高い。 | DIYでは基本強度に問題はないが、仮設作業等の高い強度を求められる場合は単管クランプが推奨される。 |
価格 | ジョイントに比べ安価。 | 単管クランプに比べ高価。 |
意匠性 |
ジョイントと比べ、強度や取り外しのし易すさ等の機能性を重視しているので、ボルト等の出っ張りが多く、あまり外観を気にした仕様にはなっていない。 |
単管クランプに比べて出っ張りが少なく、製作物をスッキリしたデザインにし易く、形状が豊富なため多数の接続方法が可能で、幅広いカスタマイズができる。 |
作業性 | 中間部などに付け忘れをした場合、後から付け足したりも可能な為、分解作業が不要。 |
中間部などに付け忘れをした場合、後からの付け足しができない為、分解作業が必要。 |
”単管クランプ”とは固定用の金具
”単管クランプ”とは、2本の単管パイプを1箇所で締め付けて固定する為の金具です。建築資材の一つであり、特に、単管パイプで足場を組む際に使用されます。
様々な種類がありますが、代表的なモノとして、交差する2本の単管パイプの角度を90度に固定し緊結する”直交型クランプ”と、交差する2本の単管パイプを自由な角度に緊結する”自在型クランプ”の2種類があります。
”ジョイント”とは接合用の金具
”ジョイント”とは、パイプ同士の接合のほか、パイプの方向を変える際に使用される接合用部品の金具です。ネジ止めで簡単に接続ができるのが特徴で、ホームセンターやオンラインショップで気軽に購入できることから、DIY/農業用ビニールハウス/フェンス等多くの用途で使われています。
材質の種類は多岐に渡り、鉄/アルミ製/プラスチック製/ステンレス製等があります。また、形状も用途に応じて様々であり、一般的なT型/Y型/L型の他にも、製作物の移動を想定したキャスター付きのモノや、農業用ビニールハウスや簡易倉庫への使用を想定したパイプハウス用のモノ、さらには太陽光用等の用途に特化したモノもあります。
画像:株式会社ジョイント工業
”単管クランプ”と”ジョイント”のどちらを使うかは、DIY予算/用途または作品の出来栄えを考慮して選んでいただければと思います。
必要な資材/工具をホームセンター等で調達する
次に、必要な資材や工具を調達します。単管パイプを少量入手したい場合は、ホームセンターが便利です。実店舗に直接行くのもいいですし、オンラインショップの活用もオススメです。
オンラインショップでお目当ての資材を探し、取り置きサービスを使うことで、資材探しの手間を省く事も可能です。また、店舗でも引き取りを選べば、送料を節約できます。
ブログ:「ん、単管パイプ以外??!なるほど、様々なメッキパイプを効率よく少量入手する方法。」
実際に組み立てる
資材や工具が準備できたら、設計図通りに組み立てます。
なお、組み立てる際は、必ず広い場所で周囲の人を確認し、軍手などの保護具をシッカリつけた上で、くれぐれも怪我の無い様に安全最優先で作業を行っていただければと思います。
単管パイプでDIYを行う上での注意点
DIYを行っていただく上で、注意していただきたいポイントをご紹介します。
単管パイプの切断時
単管パイプは、パイプカッターという工具を使えば簡単に切断できますが、切断面には”バリ”といった残留物が残っており、誤って手で触れると手を切ってしまう恐れがあります。その為、必ず鉄のヤスリやバリ取り専用の工具を使用して、バリを除去するようにしましょう。
パイプカッターの使い方やコツについては、分かりやすく解説をした動画をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。
YouTube:大和鋼管チャンネル_【単管パイプ DIY】単管パイプ 〜パイプカッターの使い方〜
もし、ご自身での単管パイプの切断に不安がある場合は、有料で切断を行ってくれるホームセンターもございますので、店員さんにご相談ください。
単管パイプの連結/塗装時
パイプ同士の連結や塗装を施す際に、単管パイプとの相性によって”ジョイント”のガタつきや塗装の剥離が起きる場合があります。
これらの問題の解決方法については、以下のブログ記事で詳しく解説しておりますので、併せてお読みいただければ幸いです。
ブログ:スーパーライト700に最適なジョイントはドレ?ガタつきをなくすジョイントの選択。
ブログ:単管パイプへの塗装はどうする?!全周メッキの塗装優位性について。
単管パイプを使った作品の事例集
パイプの留め具に注目し、”単管クランプのみ”、”ジョイントのみ”、”単管クランプ+ジョイント”という3つのパターンごとに分けて、DIY作品の実例をご紹介します。
”単管クランプ”を活用したDIY
人が出入りする可能性のある小屋の屋根部には、”自在型クランプ”や”垂木止めクランプ”及び”板止めクランプ”等がオススメです。
“単管クランプ”は単管パイプを挟んで取り付ける仕様になっているので、部材の角度や位置の調整が自由にでき、取付けや設置の際の作業性が向上します。また、長期間に渡って安定した形状や強度を保つ事ができ、安心です。
なお、小屋など屋根があるモノは建築基準法や固定資産税の対象になる場合がございますので、事前に自治体へご確認をお願いします。
引用:Room Clip
”ジョイント”を活用したDIY
フェンスや棚を製作する場合には、”ジョイント”を使用することでボルト等の出っ張りがなく、スッキリとした外観が実現できるので見栄えがグッと向上します。
また、実際のスペースや環境に合わせて柔軟に設計し施工できるので、店舗等の限られた空間でもデッドスペースを徹底的に有効活用できます。
”単管クランプ”と”ジョイント”両方を活用したDIY
意匠性を求めながらもシッカリ強度を担保し、かつコストをなるべく抑えたいのであれば、目に見える部分は”ジョイント”を使い、見えない部分は”単管クランプ”を使うハイブリッドなアプローチが有効です。
階段やスロープと言った構造物を製作する場合は、設計や施工に手間や時間が掛かりますが、デッドスペースの有効活用する事が可能なことに加えて、既製品よりも大幅にコストを抑えることができるケースも多いのでオススメです。
DIYにオススメの単管パイプとは?
ホームセンターで売られている単管パイプには、軽量単管パイプと従来の単管パイプ(STK500)の2種類があり、「どちらがいいの?」と迷われるかもしれません。
結論としては、DIYをされる方の重視したい点によってオススメの単管パイプは異なります。
3つの観点からざっくり選び方をまとめると、以下の通りとなります。
- 持ち運びやすさを1番重視したいなら、軽量単管パイプ
- 切断スピードを1番重視したいなら、軽量単管パイプ
- 穴の開けやすさを1番重視したいなら、従来の単管パイプ
この点について、株式会社ジョイント工業さんによる当社の軽量単管パイプ”スーパーライト700”と従来の単管パイプのメリットとデメリットを比較したYoutubeの動画がございますので、ぜひご覧ください。
是非ご覧ください。
<タイムスタンプ>
02:17 重量の違い
03:51 パイプカッターで切断時の違い
06:27 かん太締め付け時の違い
08:34 ドリルビス穴開け加工時の違い
11:31 4種目まとめ
14:08 結論
実際に比較をしてみると、単管パイプを使用する用途や作業工程によってどちらの単管パイプを使用する方が良いのかが変わる事が分かります。
つまり、DIYをされる方の状況に応じて適切に製品を選んでいただく事が、安全確保や効率アップにおいて重要です。
軽量単管パイプの強度について
軽量単管パイプと一般の単管パイプの最も大きな違いは、板厚です。どちらも外径は48.6mmですが、一般の単管パイプは板厚が2.4mmなのに対し、軽量単管パイプは板厚1.8mmです。
その為、「板厚が薄い軽量単管パイプの強度は大丈夫なの?」と思われるかもしれませんが、軽量単管パイプは単管パイプと比べて強い素材を使用している為、薄い板厚でも同等以上の強度を誇ります。
実際、当社の軽量単管パイプ”スーパーライト700”は、一般の単管パイプと比べて重量を25%軽量化しつつ、引張り強さを約40%以上向上させており、”軽量”且つ"強靭”とい一見相反する要素の両立を実現しました。
軽くなって取り扱いやすく、かつ身近なホームセンターやECサイトでご購入いただけますので、まさにDIYにピッタリなパイプです。
”スーパーライト700”について詳しく知りたい方は、製品資料をご用意しておりますので、ぜひ以下のページからダウンロードしてご活用ください。
まとめ
今回は、単管パイプのメーカーである私たちの視点で、単管パイプを使ったDIYが初めての方でも安心/安全に楽しく行う為の事前準備やコツ、更に単管パイプを使ったDIY作品事例等についてご紹介させていただきました。ぜひご参考にしていただき、DIYを充実させる一助にしていただければ幸いです。
単管パイプのDIYはホームセンター等で材料が入手しやすく、初めての方でもチャレンジしやすい一方で、慣れない金具や工具を使用する場面も多々発生します。その為、作業を行う際には十分なスペースを確保して作業環境を整え、安全最優先で作業していただきますようお願いします。
当社では、お客さまの為になりお役立ちになる情報をブログやメルマガを通して発信しております。
もし単管パイプを使ったDIYに関して疑問や不安がありましたら、以下のご相談フォームから何でもお気軽にお問合せください。
最後までお読みいただき感謝申し上げます。今後とも何卒宜しくお願いします。ありがとうございました。
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- 単管パイプ/足場管