2023.09.07

単管パイプの"ピン加工"とは?目的やメリット/デメリットを徹底解説。

足場や仮設工事などで使用される"単管パイプ"には、他のパイプ等と接合するために施す加工の選択肢の一つとして、"ピン加工"があります。

"ピン加工"は、簡単に言えば"単管パイプ"にピンを取り付ける加工ですが、「なぜピンを付けるのか?」、「ピン加工することで、どのようなメリット/デメリットがあるのか?」がよく分からない、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

実際の現場で"ピン加工"は、パイプ同士の固定に於いて、安全に関する極めて重要な役割を担っています。

そこで今回は、"単管パイプ"の"ピン加工"について詳しく解説いたします。"ピン加工"の目的やメリット/デメリット、似ている加工等について知っていただき、製品の購入を検討する際にお役立ていただければ幸いです。

 
 
 

 

"単管パイプ"の"ピン加工"とは?

加工-ピン

"ピン加工"とは

"ピン加工"とは、"単管パイプ"の端にピンを取り付ける加工のことです。

上記の画像をご覧いただくとお分かりの通り、ピンを取り付けると、"単管パイプ"内をピンが貫通する状態となります。

当社が"ピン加工"に使用しているのは"リベットピン"と呼ばれる、片側に"フランジ"のついたピンで、反対側の"フランジ"がついていない部分をかしめることでピンを固定するため、高い強度で締結できるのが特徴です。

当社では、"ピン加工"された製品を常時在庫している他、お客様のご要望に合わせた加工サービスも承っております。

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"ピン加工"の目的

"ピン加工"を行う目的は、仮設足場に於いて"単管パイプ"同士を連結する際に、パイプの抜けを防止するためです。ピンの使用は、厚生労働省が定める"鋼管足場用の部材及び附属金具の規格"に基づいています。

実際に"単管パイプ"を繋げる時には専用の"単管ジョイント"を使用しますが、ピンを取り付けることでシッカリと資材が固定されるため、パイプ同士が外れてしまうといった事故を防ぐのに役立ちます。

足場と青空

「ピンが無い"単管パイプ"でも足場に使えるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに"単管パイプ自体"を加工することなく、そのまま連結できる"ボンジョイント"という製品はありますが、その抜け止め機能は、"ピン加工"と"単管ジョイント"の組合せには及ばず、実際に仮設足場での死亡事故も発生していることから、厚生労働省が"ボンジョイント"の足場への使用を禁じています。 

ダボ加工_03

 参考:厚生労働省「単管足場に「ボンジョイント」を使用しないで下さい!!」

人が上に乗って作業する仮設足場は、それ自体が十分に安全であり、作業者が安心して使用できることが強く求められます。そのため、"単管パイプ"を強固に連結するための"ピン加工"は、作業現場に欠かせない存在です。

逆に言えば、人が上に乗らない杭や柵、物置き棚のDIYといった場面では、ピンが付いていない"単管パイプ"を使っても法律上は全く問題ありません。

"ピン加工"のデメリット

"単管パイプ"の抜け防止に力を発揮する"ピン加工"ですが、ピンが付いていることによって"単管パイプ"が使えなくなるケースがありますので、注意が必要です。

具体例としては、高さを調整する為の"ジャッキベース"や"ジャッキキャスター"を使用したい場合です。この場合、取り付けられたピンが邪魔になってしまうため、"単管パイプ"をジャッキに差し込むことができません。

ジャッキベース図解

このようなケースもあることから、"単管パイプ"のピンの有無については、使用目的によってご検討いただければと思います。

なお、"ジャッキベース"等を使いたいけれど手元にピン付きの"単管パイプ"しかないという場合には、"パイプカッター"で"単管パイプ"を半分に切断して"片ピン"状態にすることによって、差し込みが可能となります。

"ピン加工"と似ている加工

"単管パイプ"の抜け防止を目的とした加工は、"ピン加工"の他に"ダボ加工"があります。

"ダボ加工"は、"単管パイプ"をくぼませる加工です。凸凹の形状を作り出すことによって、直線ジョイントで連結させる際に"単管パイプ"を抜けにくくします。"ダボ加工"についてさらに詳しく知りたい方は、以下のブログで解説しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

ダボ加工_02 ブログ:単管パイプのダボ加工って何??!

このように、抜け防止対策を目的とした加工にはいくつか種類がありますが、当社では"スーパーライト700"の"ダボ加工"については対応しておらず、"ピン加工"のみ対応を行なっていますので、何卒ご了承ください。

まとめ

今回は、"単管パイプ"にピンを取り付ける"ピン加工"の目的やメリット/デメリット、似ている加工等についてご紹介させていただきました。今回ご紹介した内容をまとめると、以下のようになります。

  メリット デメリット 仮設足場への使用

ピン加工+ジョイント

パイプの抜けをシッカリ防止できる パイプをジャッキに差し込むことができなくなる
ダボ加工+ジョイント パイプの抜けをある程度防止できる ピン加工されたパイプよりは安全性で劣る
ボンジョイント 人が上に乗らない杭や柵、DIYなどでは手軽で使いやすい 安全面での抜け止め機能が不十分 ×

安全性が求められる仮設足場では、"単管パイプ"の抜け防止対策が必須となりますので、"ピン加工"の意味や目的を十分に確認し理解していただいた上で、用途に合った最適な製品をお選びいただければと思います。

"単管パイプ"や"ピン加工"について何かご質問やご要望等がございましたら、以下のページからいつでもお気軽にお問い合わせください。新規CTA

また、無料のお見積りも承っております。ご希望の際は、以下のページからお問い合わせください。ご入力から3営業日以内に、担当より折り返しご連絡させていただきます。

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今回も最後まで読んでいただき感謝申し上げます。当社では、お客様の為になる"お役立ち情報"をブログやメルマガを通して積極的に発信してまいります。今度ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


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