人手不足や物価上昇が継続する昨今、皆さんが”単管パイプ”をご注文の際には、「こんな加工やっている会社はあるのかな?」や「なんでこういう加工はできないのだろう?」などの期待や疑問を感じたことはないでしょうか?
私たち大和鋼管では、お客さまに経済性を担保した上で、更に使い易く安全/安心に単管パイプを色々な用途に使っていただけるように、様々な加工対応を行っています。
そこで今回は、私たちが対応している”単管パイプ”の加工について詳しく説明します。皆さんがシッカリと業務効率や経済性の向上を実現した上で、更なる単管パイプの用途開発を実現する際に活用いただければ幸いです。
私たちが行なっている単管パイプの加工について
”単管パイプ”は、”クランプ”や”ジョイント”といった付属金具が充実しており、非常に汎用性の高い材料です。
従来の足場や仮囲といった軽仮設の部材としての用途のみならず、農業用ビニールハウスや果樹棚などの農芸用、住宅の基礎杭、更にはDIY向けの用途など、実に様々な分野で活用されています。
私たちは、様々なシーンでお客さまが更に”単管パイプ”をご活用いただける様に、以下の加工や結束を行なっています。
切断加工
”切断加工”とは、製造ラインで規定の長さで製造された”単管パイプ”を、定尺の短い寸法や、お客さまが必要とする長さ及びより精密な長さに切り分ける加工です。
具体的には、”単管パイプ”の長さが4m未満の場合及び長さ4m以上でも数量が少ない場合、または0.00〜2.00mmなどのより精密な長さ公差が求められる場合に行います。
両ピン加工/ピン加工
”両ピン加工”は、単管パイプの両端に接続用に固定する為の”ピン”を取り付ける加工で、より一般的に広く普及し認知されている事から、単に”ピン加工”と呼ばれる場合もあります。
”両ピン加工”された”単管パイプ”は、専用の”単管ジョイント”を使用してパイプ同士を繋げる際に使用され、”ピン”を取り付けることでシッカリと資材を固定する事で、接続が外れてしまうといった事故を防ぐ事を目的にしています。
片ピン加工
”片ピン加工”とは、単管パイプの片方の管端のみにピンを取り付ける加工のことです。
”片ピン加工”された”単管パイプ”は、下記の図のとおり足場を組む際に最下部で高さを調整する為に使用される”ジャッキベース”や”ジャッキキャスター”などの部材を差し込む際に、”ピン”が当たらないのでスムーズに使用する事が可能です。
ダボ加工
”ダボ加工”とは、”単管パイプ”の両端を下記写真のようにプレス加工でくぼませる加工です。
”ダボ加工”された単管パイプも、専用の”単管ジョイント”を使用して単管パイプ同士を繋げる際に使用され、”"ジャッキベース”や”ジャッキキャスター”などの部材を単管パイプに差し込む場合にも使用することができます。
一方で”ピン加工”された”単管パイプ”は、”ダボ加工”されたパイプと比較するとより安全に使用できるので、基本的には”両ピン加工”や”片ピン加工”をオススメしています。
スエージ加工
”スエージ加工”とは、”単管パイプ”の管端に圧力をかけて絞ることでパイプの先を細くする加工です。
”スエージ加工”を行う目的は、ジョイントなどの金具をせずに差し込んで単管パイプを連結するためや、先端の径を細くすることで地面に差し込み易くするためです。
”スエージ加工”された”単管パイプ”は、主に農業用ビニールハウスの骨材や柵の支柱に使用されます。
ステンシル加工
”ステンシル加工”とは、”単管パイプ”の表面にお客さまがご指定するロゴ等の文字や数字を印字する加工です。
”ステンシル加工”された単管パイプは、建築現場などで使用する場合、他社が保有する”単管パイプ”と混ざってしまった際の識別に役立ちます。
穴あけ加工
”穴あけ加工”とは、”単管パイプ”に穴を空ける加工で、穴の大きさや位置、両面に穴を空けた”貫通あり”や片面のみの”貫通なし”の仕様など、お客さまの要望に合わせて様々なバリエーションで加工を行います。
”穴あけ加工”された”単管パイプ”は、専用の金具を取り付けたり、所定の寸法で組合せてボルトを締める際などに使用されます。
その他のカスタマイズ
管端塗装
”管端塗装”とは、”単管パイプ”の管端にお客さまが指定する塗料を塗装するサービスです。
”管端塗装”された”単管パイプ”は、ステンシル加工と同じく他社が保有するパイプとの区別をし易くしたり、1m〜6mの1メートルピッチと、1.5m/2.5m/3.5m/4.5m/5.5mの0.5メートルピッチの単管パイプとを色を分けておくことで、ひと目では判別し難い長さの識別に役立ちます。
50本結束
”50本結束”とは、製造メーカーで標準とされている100本単位の正束と呼ばれる”結束”ではなく、単管パイプをその半分の50本ずつに纏める結束です。
”50本結束”は、リース業者さまなどが自社の保有する”単管パイプ”を50本単位で管理している場合に、入手後の再結束が不要なったり、そのまま現場に持ち込む等が可能になり、お客さまの一手間を省く事に貢献します。
私たちの加工への拘り
”単管パイプ”は、多くのシーンで実際に人が直接触って使用する製品です。私たちは加工後にお客さまが安全/安心に使用できるよう様々な工夫を行なっています。
バリ取り・面取り
我々が”切断加工”や”穴あけ加工”を行なった際には、発生する”バリ”を工程の中で丁寧に取り除いています。また、自動切断機での”切断加工”の後には、切断面に外側/内側/垂直の"3面面取り"を行っています。
”単管パイプ”の加工後に着実に”バリ取り・面取り”を行って、お客さまが安全/安心して触れられる品質を実現している訳です。
エアーブローでの異物除去
”切断加工”や”穴あけ加工”で発生する”切り粉”や、”ピン加工”などで発生する”抜きカス”などの不純物は、”エアーブロー”で丁寧に取り除いています。
”単管パイプ”の加工後に、”エアーブロー”での異物除去を行う事により、もらいサビなどのトラブルを防ぎ、お客さまがより長く使用できる品質を管理しています。
ジンキースプレーによる補修
切断加工や穴あけ加工、ピン加工を行なった際に、鉄地が露出する部分には亜鉛成分を含有した”ジンキースプレー”による管端の補修を行います。
”単管パイプ”の加工後に、”ジンキースプレー”による補修を行う事により、管端のサビの発生を遅らせ、お客さまがより長く使用できる品質を実現しています。
加工対応表
私たちは、主力製品である”軽量単管パイプ”の”スーパーライト700”と、STK500という”JIS規格”の”単管パイプ"の2種類を製造/ 販売しています。
それぞれの”単管パイプ”は肉厚や素材の強度が異なるため、一部対応ができない加工もあります。
以下に、2種類の単管パイプについて加工可否と加工に必要な最低ロットをまとめましたので、参考にしてください。
加工種類 | スーパーライト700 | 従来材 |
最低ロット |
備考 |
切断加工 |
◯ | ◯ | 数本〜 | 一部在庫あり |
両ピン加工(ピン加工) | ◯ | ◯ | 別途打合せ | 一部在庫あり |
片ピン加工 | ◯ | ◯ | 別途打合せ |
受注対応 |
ダボ加工 |
× | ◯ | 別途打合せ | 受注対応 |
スエージ加工 | ◯ | × | 数本〜 | 受注対応 |
ステンシル加工 | ◯ | ◯ |
別途打合せ |
受注対応 |
穴あけ加工 |
◯ | ◯ | 数本〜 | 受注対応 |
50本結束 | ◯ | ◯ | 別途打合せ | 受注対応 |
管端塗装 | ◯ | ◯ |
別途打合せ |
受注対応 |
加工を発注する際の注意点
今回ご紹介した加工は、”単管パイプ”のご注文毎に対応するオーダーメイドの工程であり、一定の作業が必要となるため、通常の在庫品に比べて納期や価格が異なります。
単管パイプの持ち込みに関して
お客さまご自身が”単管パイプ”を持ち込んでの加工は行なっていませんので、予めご了承いただければ幸いです。
納期に関して
特に繁忙期には、ご注文が集中してしまい、ご希望の納期に添えない可能性もございます。
重要なプロジェクトでご使用の場合や、まとまった数量をご注文の際には、是非お早めに当社の営業担当者やお問合せフォームからご相談ください。
事前の打ち合わせをいただくことで、当社の営業担当者よりスムーズな納品計画をご提案させていただきます。
価格に関して
加工に掛かる作業時間などを考慮して”加工賃”を個別に算出いたします。
発注される数量に応じて、金額を設定いたしますので、お気軽に当社の営業担当者や以下のフォームからご相談ください。
まとめ
今回は、私たちが対応している"単管パイプ"の加工やその他のカスタマイズについて詳しく説明しました。是非此等のサービスを経済性を勘案して有効活用いただき、インフレや人手不足が続く足元の市況を、効果的に乗り切っていただければ幸いです。
また”切断加工”や”両ピン加工”を行なった単管パイプは、一部在庫しているサイズもありますので、ご興味のある方は、以下の見積りフォームからお気軽にご相談ください。
最後まで読んでいただき、感謝申し上げます。当社では引続き、皆さまの"為になるお役立ち"に繋がる情報を発信してまいります。ありがとうございました。
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