2025.11.05

"スーパーライト700"でサプライチェーン全体をGX?!単管パイプの軽量化による"カーボンニュートラル"への効果とは。

日々深刻さを増す"地球温暖化"による"異常気象"を背景に、日本の鉄鋼業界でも"カーボンニュートラル"を目指す動きがますます活発になっています。

そのような状況から、皆さまにも日々のお仕事で接点のある"単管パイプ"と"GX (グリーントランスフォーメーション)"との関係について、正しく理解を深めていただくことが有用ではないかと我々は考えています。

しかし、"単管パイプ"と"GX"の関連性については、「何から手をつければよいのか分からない」や、「そもそも話題が少ないし、知識が足らない」と感じている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、当社の扱う軽量単管パイプ"スーパーライト700"が、どのように"GX"に貢献しうるかについて詳しくご紹介していきたいと思います。"単管パイプ"のみならず、他の鋼材に於ける"GX"の取組みについても参考にしていただければ幸いです。

軽量単管パイプ"スーパーライト700"とは?

軽量単管パイプ"スーパーライト700"は、当社と日本製鉄株式会社が共同開発した"軽量単管パイプ"で、鋼管の特性としては相反する要素である"軽量"且つ"強靭"という特徴を両立させています。パイプ画像-SL700

"スーパーライト700"は、従来の単管パイプであるSTK500に比べて引張り強さを約40%以上向上させながら、厚みを2.4㎜から1.8㎜へ薄くすることで25%の軽量化を実現しました。これにより、現場での作業負担軽減/輸送コスト削減を可能にしています。

軽量単管パイプ"スーパーライト700"は、使用している鋼材が特別仕様であることからJIS規格製品ではありませんが、労働安全衛生規則に適合している製品であるため、安心して足場管としてご使用いただけます。

SL700-労働安全衛生規則

軽量単管パイプ"スーパーライト700"についてさらに詳しく知りたいという方は、以下のフォームより無料でカタログダウンロードが可能ですので、ぜひご活用ください。

新規CTA

単管パイプの軽量化がもたらす環境へのインパクト

"カーボンニュートラル"への移行が急務とされる中で、"スーパーライト700"は、特に軽仮設業界の環境負荷低減において大きな役割を果たしうると我々は考えています。

従来のパイプと比較して"スーパーライト700"は、材料使用量を減らし資源消費と廃棄物発生の両面で環境負荷を軽減するだけでなく、軽量化により製造から物流、運用までの各段階で排出される温室効果ガスの量を削減することが可能です。

[JP]サプライチェーンイメージ図

実際に"スーパーライト700"は、調達/生産/販売/消費といった"サプライチェーン"の各段階の全てに於いて、温室効果ガスの排出量削減に貢献しています。

それでは具体的に、温室効果ガスの排出量削減のポイントと、プライチェーン全体の排出量を網羅的に把握するための枠組みである"GHGプロトコル"に基づいたScope分類を見ていきましょう。

[JP]GHGプロトコル

"GHGプロトコル"と"カーボンフットプリント"については、以下のブログで詳しく説明していますので、気になる方はこちらもご参照ください。

 ブログ:"カーボンニュートラル"へ我々はどう踏み出す?!"GHGプロトコル"と"カーボンフットプリント"について。

1.調達

"GHGプロトコル"に基づき当社にとっての"サプライチェーン"に於ける"調達"を考えると、もっとも影響力が大きいのは、鋼管の材料となる"母材"である"ホットコイル"ということになります。

この"調達"の段階に於いて"スーパーライト700"は、従来の単管パイプと比べて薄肉でパイプ1本当たりに必要となる"ホットコイル"の量自体が減るため、それを製造する製鉄所に於いて、CO₂の排出量の削減やエネルギー消費の低減に貢献していると考えられます。

サプライチェーンGX2

また1本あたりの重量が軽くなっていることで、パイプの原料である原コイルの生産工程に於いて、運搬等におけるエネルギー消費の低減にも貢献しています。

これらの"製鉄所"で"ホットコイル"を生産する際のCO₂の排出やエネルギー消費は、当社のようなメッキパイプ製造メーカーにとって、原材料の"調達"に伴う"間接排出"にあたるので、"GHGプロトコル"の中での"Scope3"に該当します。

2.生産

"GHGプロトコル"に基づき当社にとっての"サプライチェーン"に於ける"生産"を考えると、そのポイントとなるのは、材料を使って"スーパーライト700"を製造している"造管"という工程になります。

"調達"の段階で触れたのと同様に、"スーパーライト700"で使用する材料自体の量の削減及び軽量化によって、生産工程でもガスなどの化石燃料や電気を始めとするエネルギー使用量を抑えることができます。

サプライチェーンGX1

例えば"スーパーライト700"は、従来品と同じ重量でより多い本数を"造管"できるので、製品単位当たりでは、コイル同士を溶接で繋ぎ合わせる際のエネルギー消費が抑えられます。

また、"スーパーライト700"が25%軽量化を実現していることで、製造現場に於ける材料の運搬や加工時の取り回しで必要となる化石燃料や電気などのエネルギーが従来品より少なく抑えられています。

つまり"造管"という工程全体で、必要となるガス等の化石燃料や電力などのエネルギーも効率化されていることで、製造時のCO₂排出量削減にも寄与し、省エネルギーと環境負荷低減の両面での効果が期待できます。

ガス等の化石燃料の使用は、当社がパイプを製造する際に直接発生している"温室効果ガス"であるため、事業者自らが所有または管理する排出源からの直接排出として"Scope1"に該当します。

そして、電気などのエネルギーの消費は、電力企業が他社から供給された電気、熱、蒸気を使用することによって間接的に排出される温室効果ガスのCO₂排出として"Scope2"に該当します。

3.販売・消費

"販売"と"消費"は、"サプライチェーン"のうち下流に位置しますが、"カーボンニュートラル"の達成に向けてココでポイントになるのは、"物流"です。

"軽仮設業界"の中では"単管パイプ"は"足場管"としてレンタルされることが多いため、"サプライチェーン"に於ける"販売"の過程でお客さまに製品をお届けする際の"物流"だけでなく、"消費"の過程で資材置き場から軽仮設として使用する現場までの"物流"や、"足場管"として使用した後にまた現場から資材置き場までの"物流"など、"単管パイプ"が廃棄されるまで何度も繰り返されます。

そのような使用環境下で"スーパーライト700"は、従来品と比べて大幅な軽量化を実現しており、1回の配送でより多くのパイプを輸送できるため、"サプライチェーン"の"販売"と"消費"の何れの過程に於いても、CO₂排出を継続的に削減できます。

サプライチェーンGX3

例えばトラックで単管パイプ3,600本を輸送することを想定した場合、10t車1台で運べる4mの従来の単管パイプの本数は900本となり、台数は4台が必要になります。

一方で、全ての単管パイプを"スーパーライト700"にした場合は、10t車1台で運べる4mの単管パイプの本数が1,200本となるため、同じ3,600本を運ぶために3台のトラックで済み、1台分の温室効果ガスの排出量をまるまる削減することができる訳です。

つまり"スーパーライト700"の"物流”の於ける温室効果ガスの削減効果は、"スーパーライト700"の資材置き場への納入する"販売"、顧客現場への配送する"消費"まで、更に原材料として当社工場への搬入する"調達"も加えると、まさにサプライチェーン全体で波及していきます。

ここでのCO₂排出も、当社を基準とすると、事業体のサプライチェーン全体で発生する間接排出である"Scope3"に該当します。

サプライチェーン全体でのGX推進の波及効果

"スーパーライト700"は、サプライヤーから最終ユーザーに至るまでのサプライチェーン全域におけるGX推進を強力に後押ししていると言えます。

材料調達時の物流効率向上、製造工程の省エネルギー化、保管スペースの有効活用など、各プロセスに於ける作業効率化と環境負荷低減を、"スーパーライト700"は同時に実現できます。

従来の単管パイプを"スーパーライト700"に置き換えることで、企業単体だけでなく、軽仮設業界及び建設・建築業界全体の"カーボンニュートラル"の達成に向けた抜本的な構造改革を促進することに繋がっていくのです。

まとめ

今回は、当社の扱う"スーパーライト700"が、どのように"GX"に貢献しうるかについてご紹介しました。

鉄鋼業界は、産業界の中でも特にCO₂排出量が多いため、単なる自社努力に留まらず、サプライチェーン全体を見据えたGX戦略が不可欠です。

つまり、原材料選定から製品の設計・物流・納入及び現場での運用に至るまで、各工程でのCO₂削減効果を定量的に把握し、持続的な改善に取り組んでいく必要があります。

その中で、"スーパーライト700"のような軽量且つ高効率な製品の導入は、皆さまの事業に於いても"GX推進"に向けた第一歩になり得ると私たちは考えています。

"スーパーライト700"のカタログは、以下のボタンから無料でダウンロードできますので、お気軽にご活用ください。

スーパーライト700資料

軽量単管パイプ"スーパーライト700"にご興味がある方はぜひ、以下のお見積フォームを活用していただき、貴社のGX推進にお役立てください。

最後まで読んでいただき感謝申し上げます。引続き、皆様の"為になるお役立ち"に繋がる情報発信を続けてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

単管パイプのご相談はこちら︎

執筆者紹介

須藤 麻畝
須藤 麻畝
大和鋼管工業(株)企画部企画に所属する勤続6年目の社員。教育学部美術分野卒で、美術/工芸の教員免許3種類を保有する知識を背景に、教育系基礎知識記事の執筆を担当。企業視点と教育的知見を融合させたDIYレポートや、キービジュアル作成/写真撮影などの視覚的なデザイン設計も担う。

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