2021.03.31

鋼材価格追加値上げの要因及び今後の単管パイプの値上げについて。

03月30日の各社新聞記事によると、日本製鉄株式会社は国内店売/リロール/パイプ/軽量形鋼向け薄板品種の販売価格について、熱延黒皮/酸洗/冷延/めっきの全品種を対象に、4月引受け/5月出荷相当分から、現状価格の約10%に相当するトン当たり10,000円の値上げを決定し、需要家/流通各社へ申入れを開始しました。

今回の値上げで今年度下期からの累計では、トン当たり30,000円の値上げとなり日本製鉄は国際市況を背景に、国内での安定供給及び持続可能な取引実現に向け積極的に値上げに取組んでいると思われます。

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(※新聞社さまより記事掲載の事前に許可は頂いております。) 

この様な状況を踏まえ、今回は「鋼材価格追加値上げの要因及び今後の単管パイプの行方について」当社なりの考察をご紹介させて頂きます。

鋼材価格追加値上げの要因は?

先ず3月初旬には国内高炉各社での更なる値上げの可能性が指摘されていましたが、旬には海外で値上げの動きもあった中、昨日の新聞各社の記事で日本製鉄株式会社の再値上げの中身が明らかになりました。

値上げに至った主な要因としては、以下「鋼材の内外価格差拡大」と「鉄鉱石などの原材料高」だと思われます。

  • 要因:鋼材の内外価格差拡大

アジア市場に於いては春節明けに中国で鋼材市況が急騰し、宝山鋼鉄は4月積み熱延コイルの約5,000円引き上げを実施しています。

また台湾の中国鋼鉄(CSC)も、第2四半期(4-6月)積みの鋼板販売価格を引き上げ、熱延コイルの上げ幅はトン当たり2,800台湾ドル(約11,000円)となりました。

この様な状況もあり既に東京製鐡株式会社が4月出荷の熱延コイルのベース価格でトン当たり84,000円を打ち出しました。これは03月31日現在の1ドル約110円の為替を反映すると84,000÷110=$764になります。

一方でASEAN市場では800ドル、欧米市場では900ドルが当面の基準になると見られていますので、まだ開きがあると言えます。つまり既に内外価格差があり、海外の方がより高く売れる状況です。

更に世界的な相場は未だ上昇基調なので、妥当な収益を確保しつつ安定供給を図る為に、日本の高炉各社は追加値上げに至ったとの推察です。

  • 要因:鉄鉱石等の原材料高

今月1日までに固まった鉄鉱石の新しい四半期価格では、鉄鉱石は中国向けスポット価格の上昇を反映して35%と大幅に上昇し、トン当たり154.9ドルとなり、四半期価格として実に9年振りの高値となりました。

更に原料炭においても2四半期連続の値上がりとなり、追加値上げの要因になったと考えられます。

[JP][Blog]鉄鋼石価格推移表 

鋼材価格追加値上げは国内高炉メーカーに限られる訳ではなく、日本へ輸出している海外高炉メーカーについても同様の動きが見られます。

日本の鋼材ユーザーにとっての海外の主要ソースの1つである中国鋼鉄(CSC)は、既に5月〜7月積みの熱延コイルのオファーを開始し、昨年第4四半期からの累計で30,000円の上げ幅となっています。

また、足元では現代製鉄のストライキで供給量が減っており、それをカバーする為にPOSCOが韓国国内の供給を増やしている為、POSCO製熱延コイルの日本の輸入量が減少するのではと懸念されています。

POSCOは薄板類のオファー価格はまだ提示していない様ですが、追加値上げを実施する方針ではある様で、ロール逼迫から販売数量も削減する方向だと見られています。尚、値上げ価格を反映したPOSCOの製品は5月〜6月頃に入荷し始めると想定されます。

韓国単管パイプの輸入材数量について

 一方で下記グラフは、国内主要税関に入着した韓国単管パイプの数量推移を表したグラフになります。グラフでは2019年/2020年と比較をすると2021年の数量は減少しており、2019-2021年の平均数量に対しても下回ってる状況です。

[JP][Blog]韓国単管パイプ(数量)

この様に現在単管パイプを製造する為の熱延コイルの供給が極めてタイトである事のみならず、単管パイプ自体の輸入量も減少傾向にある状況を踏まえると、私たちを含む日本国内で単管パイプを製造する鋼管メーカーは、安定供給及び持続可能な取引の実現に向け、追加値上げを行わざるを得ない状況だと認識しています。

まとめ

この様な状況を踏まえて当社は、足元でお客さまに未達成分の値上げを再度お願いすると共に、早々に今回の日本製鉄の薄板品種の値上げ発表を踏まえた私たちの製品価格の再値上げの取組みを進めて行く方針です。

一方で私たちとしては、少しでも多くの皆さまへの為になり役に立つべく的確な情報提供を行うのみならず、可能な限り努力し正確な市況状況の把握を行い、供給元との価格・数量の交渉に取組んで参りたいと考えております。是非今迄以上の積極的な意思疎通を実現させて頂ければ幸いです。

何かお気付きの点や気になる事が御座いましたら、何時でもご遠慮無く当社にお問合せ頂ければ幸いです。以上、宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。

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