2022.02.09

HDZT49?Z27って何?!めっきの規格とポストジンク/パーフェクトポストジンクの相関性にいて。

メッキパイプを扱う私たちの様な業界の方々にとっては、HDZT49という規格名称に最近変わったHDZ35やZ27といった耐食性を表す規格は馴染みがあると思いますが、業界以外の一般の方々には一体それぞれの規格は何がどう違うのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

これらの規格を詳しく理解することができると、取引先に指定されている仕様のメッキパイプが市中で見つからない場合でも、品質を十分に担保し代替提案できるメッキパイプを見つけて準備することが可能になります。

そこで今回はメッキパイプにまつわる最近HDZ35から名称変更が行われたHDZT49や、業界では長く親しまれているZ27の規格について改めて解説をさせて頂き、耐食性を”ポストジンク”や”パーフェクトポストジンク”と比較したうえでの考察をご紹介させていただきます。

HDZ35から名称変更されたHDZT49とは?

HDZT49は従来HDZ35とされていた溶融亜鉛メッキの規格であり、鋼管に限らずネジや建築物に使用する大きな柱など様々な鋼材に適用する防食の目的で施す溶融亜鉛めっきの有効面の品質についての規定です。

ここで比較する他のメッキ鋼材と比べると、製法上メッキ浴槽への浸漬時間が長い為、合金層が発達し、亜鉛皮膜の膜厚が厚くなることが特徴です。

改正後の規格はHDZT +膜厚を表す数字で規格が分類されていますが、メッキ鋼管の場合にこの"膜厚"は外面若しくは内面のどちらか一方の膜厚を指します。

またHDZ + 付着量を表す記号や数字で分類されていた改正前の規格でも、メッキ鋼管の場合にこの"付着量"は外面若しくは内面のどちらか一方の付着量を指します。

HDZT49(HDZ35)のメッキパイプ断面図

[JP][Blog]ドブメッキパイプ断面2022.02.08

業界では長く親しまれているZ27とは?

Z27は鋼管の規格ではなく、溶融亜鉛メッキ鋼板のJIS規格です。その為、メッキパイプの仕様にZ27と指定されている場合には、"Z27のメッキ鋼板を使用した先メッキパイプ"を表すことが一般的です。

この規格はZ + 付着量を表す数字で分類されていますが、大まかに言うとメッキ鋼管の場合に"付着量"は外面と内面を足し合わせた付着量を指します。更に片面の亜鉛メッキ付着量については,1点最小付着量を両面で合計した規定値の40 %以上であることが望ましいとされています。

Z27のメッキパイプ断面図

[JP][Blog]先メッキパイプ断面図2022.02.08

ポストジンク/パーフェクトポストジンクのメッキ仕様

私たちの”ポストジンク”の外面は全周溶融亜鉛メッキを施し、内面は水性亜鉛無機コーティングを塗布しています。外面の亜鉛メッキに関しては、付着量を表す数字 + Zで"120Z"等と呼称しています。

一方で内面も溶融亜鉛メッキの仕様である”パーフェクトポストジンク”に関しては、内外面でそれぞれ亜鉛メッキの付着量をコントロールできる為、外面は200Z、内面は120Z等という形で内外面それぞれ亜鉛メッキの品質を管理しています。

120Zのポストジンク断面図

[JP][Blog]ポストジンク断面図2022.02.08

外面200Z/内面120Zのパーフェクトポストジンク断面図

[JP][Blog]パーフェクトポストジンク断面図2022.02.08

それぞれの規格の比較について考察

私たちの”パーフェクトポストジンク"はめっき層の中にある合金層が薄いため、”ドブメッキパイプ”とよばれる後めっき鋼管よりも亜鉛付着量が少なくても同等以上の耐食性を有すると一般財団法人土木技術研究センターの建設技術審査証明にも記載されています。

つまりパーフェクトポストジンクはそのユニークな製法によって、ドブメッキパイプと比較して耐食性に寄与する純亜鉛層の厚さを同等としながらも、素地の鋼と亜鉛とが融合した層である合金層の厚さを大幅に薄くすることができる訳です。

一方で溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ工程も私たちのパーフェクトポストジンクやポストジンクのようにメッキ浴槽への浸漬時間が数秒である為、合金層の厚さが薄く、先メッキパイプのメッキ部の耐食性はパーフェクトポストジンクと同じ亜鉛付着量であれば、同等であると考えられます。

これらをまとめて、耐食性の順に整理すると以下の表になると考察します。

亜鉛付着量

※尚、先メッキパイプに関しては外面の溶接部を溶射によって補修しているため、その部分から先に赤錆が発生する傾向が強いので注意が必要です。

まとめ

今回はメッキパイプにまつわるメッキの規格について改めて解説し、その規格に相当する耐食性の”ドブメッキパイプ”と”先メッキパイプ”を”ポストジンク”や”パーフェクトポストジンク”と比較した際の考察についてご紹介させていただきました。

是非これらの規格と耐食性の相関性をしっかり確認して頂いて上でそれぞれのパイプの特徴を把握し、お客さまの要求に合わせた性能のメッキパイプを見極めた上で、効果的なご提案に繋げていただければ幸いです。

もしメッキパイプを取り扱っているお客さまが「製品の耐用年数を向上したい」と考えていたり、「耐用年数に応じてメッキのコストを最適化したい」思っていたりする場合がありましたら、当方の考えるベストなご提案を提示させていただきますので、以下のご相談フォームよりお気軽にご連絡ください。以上、宜しくお願いいたします。ありがとうございました。

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