温度や湿度が上昇しやすい夏期は、農機具や資材を外に置いておくと雨風にさらされ、サビや劣化が進んでしまうため、倉庫などで保管することが推奨されます。
しかし物価高が著しい足元の経済環境を踏まえると、倉庫やガレージの導入にあたって「建設費用が高く、導入をためらってしまう…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、費用を抑えながら、農機具や資材を多機能に保管/作業できるスペースを確保できる"パイプハウス"及びその中でも当社がオススメする"STXハウス"をご紹介します。倉庫導入の際のご参考としていただければ幸いです。
倉庫としてのパイプハウスのコストメリット
そもそも"パイプハウス"を農機具庫やガレージとして使用する最大のメリットは、建設コストを削減できる点です。
従来の倉庫や建物を建設する場合には多額の資金と時間が必要となりますが、"パイプハウス"は比較的低コスト且つ迅速に設置することが可能で、初期投資を抑えながら機材をシッカリと保管することができます。
一般的な鉄骨造や木造の倉庫と比較すると、"パイプハウス"には以下のようなコスト優位性があります。
工期の短縮と人件費の削減
- 基礎工事の簡素化: 鉄骨造や木造の建築物に比べて、"パイプハウス"は基礎工事が簡易的で済みます。多くのケースでは独立基礎や単管打ち込みで対応できるため、工事費を抑えられます。
- 工期短縮:シンプルな構造のため、短期間での建設が可能です。これにより、職人の人件費や重機のレンタル費用などを抑えることができます。"パイプハウス"をご自身で施工する農家さんも多く、その場合にはさらにコストを抑えることも可能です。
資材費の低減
- 屋根・壁の安さ: 屋根や外壁に使用するビニールシートや防虫ネットなどは、波板や金属サイディング、屋根材に比べると安価です。
- 構造の安さ: 鉄骨や木材に比べて、農業用パイプは構造材の料費が安価です。特に”STXハウス”のような高強度パイプを使用すれば、使用するパイプの本数を減らせるため、さらに資材費を抑えることができます。
"パイプハウス"の自力施工については、以下の記事で作業手順や用意する道具などについて詳しく解説していますので、ご興味がある方はこちらをご参照ください。
ブログ:なるほど、雪害克服の一手。育苗用ビニールハウスの自力施工について。
STXハウスとは?
"STXハウス"とは、日本製鉄株式会社と当社が共同開発した高張力鋼管"STX"を、主骨となるアーチパイプや直管パイプにとして使用した"パイプハウス"のことです。
"STX"は従来の鋼管と比較して約2倍の強度を持ち、強度だけでなくしなやかさも兼ね備えていることから、強い力がかかった時に元に戻ろうとする力である"復元力"が高いパイプであることに加えて、サビに強い特性を持っており、長くご愛用いただけるのが特徴です。
当社の"STX"についてさらに詳しく知りたいという方がいらっしゃいましたら、以下のリンクから問い合わせフォームに記入いただき、製品カタログをダウンロードしていただければ幸いです。
このような"しなやか"で"強靭"な"STX"鋼管の特性を活かした"STXハウス"には、以下のように様々なメリットがあります。
自然災害に強い
"STXハウス"は、台風や豪雪などの自然災害に対して、従来のパイプハウスよりも高い強度と復元力で、倒壊や損傷のリスクを低減します。近年多発する異常気象に対応できる、頑丈なハウスです。
部材コストの抑制
"STXハウス"は強度が高いため、アーチ部分のパイプの間隔となる"ピッチ"を広げたり、パイプ自体の本数を減らしたり、パイプを細くしたりすることが可能です。従って強度を保ちながら使用する部材の総量を減らし、ハウス全体の建設コストを抑えることもできます。
採光性の向上
"STXハウス"は、パイプの本数を減らしたりパイプを細くしたりすることで、ハウス内部への光の透過率が高まり、採光性が向上し、ハウス内の生産物の育成の好影響を与えます。倉庫内を明るく保つ必要がある場合には、この採光性の特徴が効果的です。
宇都宮大学附属農場での導入事例
実際の導入事例として、宇都宮大学附属農場では、"STXハウス"を飼料用倉庫として活用しています。
この農場では、飼育している牛に与える飼料を保管するために"パイプハウス"を導入しました。
農場の担当者さまより、「飼料保管倉庫が短納期で必要になったが、鉄骨倉庫だと施工に時間がかかるうえに費用も高い」という旨のご相談をいただき、コストパフォーマンスが高く短納期にも対応可能な"STXハウス"の導入が決まりました。
遮光シートを張ることで雨風や直射日光を防ぎつつ、サイドを巻き上げられるようになっているので湿度のコントロールもできるということで、使用感等のパフォーマンスにも満足いただけている様です。
本件は、農業資材に関する情報を提供している"農材ドットコム"にて、農場スタッフの方々へのインタビューがブログとして公開されていますので、実際に使った感想を知りたいという方は是非ともご参考にしていただければ幸いです。
法律上は問題ないのか?
「"パイプハウス"の倉庫やガレージは、法律面では大丈夫なの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
近年、DIYの動きが活発になったことで大型の作品が作られる機会も増えていますが、"パイプハウス"も設置の仕方や用途、設計等によっては"建築基準法"に違反する可能性があるため注意が必要です。
建築物に含まれるものの例としては、土地に置かれている製作物が容易に動かせない状態になっており、かつ以下に該当するものが挙げられます。
- 屋根と柱があるもの
- 屋根と壁があるもの
- 建築物にくっついた門や塀
農業用の"パイプハウス"は、原則として"建築基準法"の中の"建築物"には該当しませんが、仕様や用途によっては"建築物"と見なされる場合があります。
ご自身の"パイプハウス"が建築物にあたるかどうか迷ってしまう場合は、お住まいの地域の自治体にご確認いただくことをオススメします。
そして"パイプハウス"の仕様が建築物に該当する場合は、自治体と協議していただいたうえで、必要に応じて"建築確認申請"を行いましょう。
"建築基準法"について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
ブログ:DIY作品が違法建築物に?!知っておきたい建築基準法の基礎知識。
まとめ
今回は、費用を抑えながら農機具や資材を保管し作業もできる、多機能な"STXハウス"についてご紹介しました。
トラクターやコンバインのガレージや、農業資材等の倉庫の導入を検討する際のご参考としていただければ幸いです。
また"STXハウス"にご興味があるという方は、以下のフォームよりお気軽にお問合せください。
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