足元でインフレによって資材が高騰している中、少しでも農業用ハウスの導入コストを抑える為に、”鉄骨ハウス”よりも”パイプハウス”を選ぶ生産者様の割合が増えています。
しかし、”パイプハウス”は”鉄骨ハウス”に比べて強度が落ちるので、「大きな風の力に耐えられないのではないか?」や「どこまでの積雪があっても壊れないの?」と耐候性について不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、パイプメーカーである私たちの視点で”鉄骨ハウス”と”パイプハウス”の耐候性について比較し、考察した内容についてご紹介させていただきます。
農業用ハウスの分類について
![[JP]ハウス一覧2023.07.11](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E4%B8%80%E8%A6%A72023.07.11.png?width=700&height=472&name=%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E4%B8%80%E8%A6%A72023.07.11.png)
鉄骨ハウスの特徴とは?

パイプハウスの耐候性は低いのか?
H鋼や角パイプが材料に使用される”鉄骨ハウス”は、強度が高く規模が大きい為、自然災害に強い (= 耐候性の高い)イメージがありますが、規模が大きくなると加わる力も大きくなるため、必ずしも”鉄骨ハウス”が”パイプハウス”と比較して自然災害に強いとは限りません。
以下は、農業用ハウスに横風が当たった場合の荷重を図に表しました。
![JP][Blog]横風の力](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/JP%5D%5BBlog%5D%E6%A8%AA%E9%A2%A8%E3%81%AE%E5%8A%9B.png?width=500&height=312&name=JP%5D%5BBlog%5D%E6%A8%AA%E9%A2%A8%E3%81%AE%E5%8A%9B.png)
上記の図を詳しく解説すると、風の力によって各部材には等分布荷重が加わります。そして柱部分にだけ着目すると柱に加わる曲げモーメントは、片持ち梁だと仮定すると柱の高さ/長さの二乗に比例します。
STXを活用すれば、より強いパイプハウスの実現が可能。
"STX (エスティーエックス)”は、日本製鉄株式会社と私たち大和鋼管工業株式会社が共同開発した、従来の”パイプハウス”に使われる鋼管に比べ、2倍の強度を持つ高抗張力鋼管です。
従来品であるSTK400の約400N/㎟に比べ、”STX”は700N/㎟以上の高い引張強さを持ち、変形に関しても同等のパフォーマンスを発揮するので、”パイプハウス”の材料として置き換えると、台風/積雪などの自然災害により強い設計が可能になります。
当社の”STX”についてご興味のある方は以下のフォームよりお気軽に資料をダウンロードいただければ幸いです。
まとめ
一般的に”パイプハウス”は”鉄骨ハウス”と比べて強度は低いと思われる傾向がありますが、"どのくらいの風に耐えるか?"や"どのくらいの雪に耐えられるか?"等の耐候性については、各部材の寸法やその構造等を加味した上で精査する必要があります。
そして農業用ハウスに最終的に求められるのは、”如何に安くて質の高い作物を、より多く低いコストで生産できるか”です。従って”パイプハウス”と”鉄骨ハウス”は必要十分な耐候性を確保した上で、それぞれでどれだけ多くの質の高い作物を、どれだけ少ない手間や費用で作れるのか、つまり”トータルコスト”を比較する必要がある訳です。
つまり”パイプハウス”でより高い耐候性を実現する構造のみならず、その構造を作るのに掛かる施工性、作られた構造物の中で栽培に適切な状態を確保/維持する効率や、作物を栽培/育成関わる方々のより高い作業性を実現するうえで、当社の”STX”は大きな力を発揮してくれます。
当社の”STX”を使用した”パイプハウス”にご興味のある方がいらっしゃいましたら、当社より農業資材販売店をご紹介する事も可能ですので、以下のフォームよりお気軽にご相談ください。
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