今日はひな祭りの日。当社の本社工場がある栃木県さくら市では、
本来は、
さて、COVID-19の影響もあり世界粗鋼生産18億トンの内中国が10億トンを占める状況になり、またその中国が環境対応を理由に鉄スクラップを積極的に活用する方向に舵を切りました。
その影響で、国内外スクラップ価格/
そこで今回は、スクラップ価格の上昇および今後どの様な影響を与える可能性があるのかに関して情報を収集をした上で、当社なりの見解をご紹介致します。
鉄スクラップ価格について
下記のグラフのとおり国内鉄スクラップの価格は去年の秋口から急騰していく傾向の中でも、2020年12月〜2021年1月の価格変動が激しくなっておりました。特に1月の下落幅の大きかった関東市況価格は、2月に入り@¥10,000以上急回復し、2月末には関東/関西がほぼ同価格レベルとなっています。
前述のとおりそもそも鉄スクラップ急騰の背景には中国の環境政策があります。中国のトップである習氏が昨年の9月の国連総会で「2060年よりも前に二酸化炭素(
その実現に向けて中国国内の電炉の比率を10%から20%へ高める目標を掲げると共に、従来中国が行っていた異物が混ざった鉄屑の輸入禁止を、””再生鋼鉄原料”という新たな規格を満たす上級品種等の輸入解禁を以て規制緩和した訳です。
一方で2021年1月末の急落に関しましては、電力会社の節電要請に応じた一部の電炉メーカーで生産調整を余儀なくされたことが要因の一つとなったのではないかと考えられ、更に東京製鐵/
そして2021年2月に入ってからは、中国の前月行った規制緩和や台湾からの日本産鉄スクラップへの引合い等が発生した事を踏まえ日本国内から海外への鉄スクラップの輸出傾向が強まり、日本国内の地場電炉向け価格も追随する形で上昇したと考えられています。
今後の鉄スクラップ価格の動向は?
続いて今後の動向ですが、下記の新聞記事の通り現状中国経済は5月までは順調に推移するものと見られており、それに伴い鉄鋼需給・スクラップ動向も現況を維持するとの見方が強いと言われています。
©︎2021年2月25日_日本金属通信1面
また日本鉄鋼連盟の橋本英二会長(日本製鉄社長)は「鉄鉱石や石炭、鉄スクラップとも中国の需要次第」とした上で、2021年の鋼材市況は高止まりを見通しています。
つまり鉄鋼等の原料や製品が高騰する背景には、コロナ禍からいち早く経済活動を再開した中国の存在がある訳ですから、今週2021年3月5日から中国で開催される全国人民代表大会の内容にも注目する必要がありそうです。
まとめ
アメリカではバイデン政権が誕生し、世界的な脱炭素への動きの加速は明白です。しかし前述のとおりコロナ禍に継続する中では派生的に色々な事象が起こり、まだまだ鉄スクラップ価格の動向は短期的に読み切れない部分が多くあります。
当社として可能な限り努力し、的確な情報収集/共有に取組んで参りたいと考えております。そこで今回は、皆さまへのお役立ち資料としてスクラップ記事のダウンロードページをご用意致しましたので、宜しければ是非ご利用頂ければ幸いです。(※新聞社さまより記事掲載の事前に許可は頂いております。)
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