2022.07.06

ミルシートとは?用途・発行方法・記載内容を徹底解説

様々な製品が色々な場所で製造され、また様々な場所で販売される世の中ですので、自身が手に入れた製品が”誰の手によってどの様に造られ売られているのか”を把握する事は、お客さまの安全/安心に繋がります。

ミルシート”は正にその事を実現する書類なのですが、皆さんも”ミルシート”という言葉はよくお聞きになるものの、実際に”どの様な時に必要になり、何が記載されているのか”をよく理解されていない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回はその”ミルシート”について解説すべく、実際に当社が発行している”ミルシート”を例にその内容を詳しくご紹介させていただければと思います。

ミルシートとは?

ミルシート”は英語で”Mill Test Report”もしくは”Mill Test Certificate”と表記される書類の通称で、鉄鋼製品の場合には鋼材メーカーが発行をする鋼材の品質を証明する書類の事を示します。工場や製作所を表す”Mill (ミル)”と書類を表す"Sheet (シート)"を組合わせた和製英語で、正式には日本語で”鋼材検査証明書”と言います。

よく”ミルシート”は”材料証明書”だと思われることがありますが、鋼材も含めてゴム製品/化学薬品/木材等の材料全般の品質を証明する書類を”材料証明書”と言い、その中でも鋼材の品質を証明する書類である鋼材検査証明書のことを”ミルシート”と呼びます。

当社はメッキパイプを製造するメーカーですので、お取引するお客さまに対して"鋼管検査証明書"を”ミルシート”として発行しお渡ししています。

当社の製品資料につきましては、以下のフォームよりダウンロードしていただけますのでぜひご活用ください。

新規CTA

ミルシートはどの様な時に使うのか?

一般的に主要構造物等に於いては、鋼材の品質が要求値を満たしていないモノを使ってしまった場合、重大な事故に繋がりかねません。

その為”ミルシート”は鋼製作物についての”鋼材検査証明書”として求められる場合が多く、特に公共工事に於いては工事の発注者に提出しなければならない書類の一つであり、正しい鋼材仕様を証明する大切な検査証明書となります。

このように”ミルシート”は鋼材を使用した鋼製作物の安全性の保証や、テスト部品などで鋼材の品質による違いを調べる際に、使用されています。

ミルシートには何が書いてあり、どう発行依頼をするのか?

当社が発行している”ミルシート”を一例としてあげると、具体的に記載されている項目の内容は以下の通りとなりますのでご参照いただければ幸いです。

ミルシート

  1. 証明書の発行主体名/事業所及びその住所
  2. 需要家名/商社名
  3. 注文者名
  4. 各管理番号 (証明書番号/伝票番号/契約番号...等)
  5. 規格 (JIS規格等)
  6. 製品情報 (製造ロット番号/JIS適合コード/品名/寸法/数量...等)
  7. 化学成分 (炭素”C”/ケイ素”Si”/マンガン”Mn”/リン”P”/硫黄”S”)
  8. 機械的性質 (引張試験)
  9. 検査結果 (へん平/寸法検査/外観検査/表面及び内面検査/亜鉛付着量)

この様に"ミルシート"には①の通り”証明書の発行主体名/事業所及びその住所”が記載されていますので、具体的にどの組織が何処で何を使って何を造り、どの様に品質を証明しているのかが詳らかに把握する事ができます。

一方で、"ミルシート"はJIS適合品としての品質・材質を保証する項目を記載することが前提となっていますが、”ミルシート”の書式は鋼材メーカーによって異なる為、見慣れない”ミルシート”を受け取った際には、項目の見間違いや見落としに気をつける必要がありますのでご注意ください。

また、”ミルシート”を発行するために必要な情報は④の管理番号で、私たちの場合は当社発行する”受注番号”がそれに相当します。”受注番号”には、出荷された製品のロット番号や出荷年月日(又は納入年月日)、注文者や需要家といったミルシートを発行するために必要な情報が含まれています。

つまり、私たちの”ミルシート”の場合では、”受注番号”が”ミルシート”の証明書番号と発行年月日を兼ねた形になっており、これを用いて実際の製品と証明内容とを紐付ける仕組になっている訳です。

納入後に”ミルシート”を依頼する際には先ずはこの"受注番号"を当社に伝えて貰えるとスムーズですが、もし分からないという場合には、出荷年月日(又は納入年月日)もしくは注文者や需要家などの情報からお調べすることも可能ですのでお気軽に担当者までご連絡ください。

実際の製品とミルシートの記載内容を紐付ける方法

私たちのメッキパイプを使用して製品を製造されているお客さまや、在庫販売されている業者さまは、自社で加工/販売/出荷した実際の製品情報と私たちの発行するミルシートの情報を紐付ける必要があるかと思います。

実際に納入された製品とミルシートを照合するには、私たちの”ミルシート”の⑥の左端に記載されている製品ロット番号と私たちが結束毎に発行し製品に添付している製品タグの"ロットNo."を確認してください。

ミルシート 製品タグ

つまり、お客さまが当社の製品を加工や使用される際に、自社の管理の一環として当社製品の自社の情報を紐付ける為には、この製品タグが必ず必要になりますので、シッカリ保管し管理していただくようお願いいたします。

まとめ

今回は”ミルシート”がどのような時に使われるのかを説明した上で、実際に当社の”ミルシート”をサンプルに何が書かれているのか、どのように発行依頼を行うのか、どうやって実際の製品と紐付けるのかをご紹介させていただきました。

私たちは皆さま一人ひとりが”ミルシート”の記載内容を理解することで、その製品の品質が正しく把握/有効活用され、お客さま及びその先のユーザーさまの安全/安心の確保を実現する事が可能になると考えています。

実際に役所への提出や当社製品の品質を確認したい等、”ミルシート”が必要な方がいらっしゃいましたら、以下のご相談フォームよりお気軽にご連絡いただければ幸いです。

尚、基本的に”ミルシート”は出荷した翌営業日に発行ができますが、出荷場所等によって”ミルシート”の発行までにお時間をいただく場合もございますので予めご了承いただければ幸いです。宜しくお願い申し上げます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


RELATED POST関連記事


RECENT POST「話題/トピックス」の最新記事


ミルシートとは?用途・発行方法・記載内容を徹底解説