2024.10.09

各々の担当・職責を踏まえ、如何にヌケモレなく着実な意思疎通を以て“対策・施策”を実行できるか?

大和鋼管の中村です。過去3回の“安全ブログ”でもお伝えしたとおり、2024年07月30日(火)の重大労災を踏まえ、我々は引き続き日々最も厳しい現実を直視する規律を更新し、“0災害の追求”に取り組んでいます。

その様な状況の中で今回は、組織の“全体性への感性”に関する課題として、「各々の担当・職責を踏まえ、如何にヌケモレなく着実な意思疎通を以て“対策・施策”を実行できるか?」について、私自身の見解や当社の取組をご紹介できればと思います。

今回の労災が発生した後に私自身がとても悔しく感じたのは、既に気になっていて、何度か言及していたにも関わらず、結果的に実施が徹底できなかったことです。

特に、今回の労災を抑止/防止を実現できなかった取り組みとして、“持場毎に危険体感研修を紐付け、持場の交代や配属替えを行う際には、必ず配属前に危険体感研修を行う”ことが挙げられます。

今回発生した労災は、出向していた社員が当社の現場に復帰するというケースでしたので、基本的には上記の対象には当てはまる訳ですが、実際に行われたのはOJTを中心とした取り組みでした。明示的に現場に存在する“危険”に対して、現場/現物/現実+三位一体で実感する機会を作るには至っていませんでした。

一方で“持場毎に危険体感研修を紐付ける”取り組みは、安全操業最適を中心に行なっている“更新し続ける安全最優先”の取り組みの中で、着実に積み上がっていました。しかしながら、“持場の交代や配属替えを行う際には、必ず配属前に危険体感研修を行う”迄には至っていなかったのです。

その原因は、何処にあったのでしょうか?

“持場の交代や配属替えを行う”ことと、“必ず配属前に危険体感研修を行う”という二つの対応は、担当として職責を以て着実に実行する部署と、その確認をし有効性を管理する部署が異なっていました。

そのため、期待のスレ違いを無くし、ヌケモレ/重複を避けるリード/マネージを、各々の部署で働く一人ひとりとその管掌者が徹底できなかった点にあると、私自身は考えています。

当社の場合、“持場の交代や配属替えを行う”のは、現場を管掌する製造/加工と管理部/人事が連携して行い、“必ず配属前に危険体感研修を行う”のは現場で安全と操業をサポートする安全操業最適と管理部/総務が連携して行なっています。

このように複数の部門/部署の間で連携して業務に取組むのは、管理面としての人事/総務の仕事が、製造/加工にも多岐に渡っているので、事務方が纏めて業務を行なう事でムリ/ムダ/ムラなく効率が良いからです。

一方で実行面としては、管理面での指示待ちになってしまったり、実務に追われて指示なしに対応を進めたりと、様々な点で期待スレ違いやヌケモレが発生する可能性が存在し、状況に応じてそのことが顕在化してしまいます。

つまり“各々の担当・職責を踏まえ、如何にヌケモレなく着実な意思疎通を以て‘対策・施策’を実行できるか?”という課題は、思ったよりも多くの関係者が関わり、それぞれの意図で”善かれ”と思って動いてしまうので、とても解消が難しくなる訳です。

では、どうすれば良いのか?

至極当然のことですが、先ずは“最も知識と経験のある仲間とパートナーと決裁者”が一堂に会する“場”をシッカリ確保し、指差確認を行う事です。

そして同時に行なうべきことは、管理業務を可能な限り整理整頓し、期待のスレ違いを無くし、ヌケモレ/重複を避け、ムリ/ムダ/ムラを減らす、つまり“安全/安心/健康の為の5S”を徹底する事です。

また此等を着実に行なえるか否かは、結局はその業務に関与している一人ひとりが、如何に”自ら考え、仲間と共有し、行動する”ことを、担当任せにするのではなく、“0災害の追求”という目標に対し“1/2の責任”を全うできるか否かに掛かっています。

“気が付くか、気が付かないか”、及び、“取組むか、取組まないか”には、我々一人ひとりが主体的に“1/2の責任を取るか、取らないか”の選択が常に我々に突きつけられます。

従って「各々の担当・職責を踏まえ、如何にヌケモレなく着実な意思疎通を以て“対策・施策”を実行できるか?」への答えは、一人ひとりが“担当”に縛られる事無く、“目標・目的”や“責任”を踏まえて、如何に“自己管理”をできるかに掛かっている訳です。

とどのつまり我々には、何時でも何処でも操業に携わる仲間一人ひとりに、極めて自然に“真っ当、前向き”な“0災害の追求”を、”自己管理”の中で実践/反復/定着させ、当社の“文化”や“社風”に昇華する事が求められています。

その為、繰り返しにはなりますが、我々は以下のチェックポイントを日々活用しながら、引き続き“0災害の追求”に取組んでいければと考えています。

“0災害”を達成する為のチェックポイント

  • “0災害”に取組むチームの一員であることを自覚し、仲間と共に“0災害”を達成していく価値/可能性を、いつも積極的に表現しているか?
  • “0災害”を達成して行く取組みのなかで、常に効果が高いと思われる業務を優先しているか?
  • 自らの“0災害”を達成していく取組みについて、仲間と頻繁に話し、上司や部下にしっかり報告/連絡/相談しているか?
  • “0災害”の達成に関わる仲間の誰に対しても、やる気をなくさせるような発言や行動を抑止/回避できているか?

このブログでは、可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に“0災害の追求”の更新に挑み、行動していきたいと考えています。

是非我々の今回の重大労災後の対応や、“0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。

本件に関するご質問/ご提案/リクエストはこちら

最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる、“為になり、役に立つ”情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。

 

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎


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