2024.03.13

安全/安心/健康の為の5S①整理について

大和鋼管の中村です。当社では"0災害の追及"の中核的な取組として、長年安全/安心/健康の為の5S”に取組んできました。当社に於ける安全/安心/健康の為の5S”の定義とは以下のとおりです。

  • 整理/Sort:必要なモノ・コトしかない状態にする。
  • 整頓/Set:必要なモノ・コトが必要な分だけ必要な時に出てくる状態にする。
  • 清掃/Shine:必要なモノ・コトが整理・整頓されている状態を見えるようにする。
  • 清潔/Standardize:必要なモノ・コトが整理・整頓・清掃された状態を維持する。
  • 躾/Sustain:必要なモノ・コトの整理・整頓・清掃・清潔を一人ひとりが実践/反復/定着させ習慣に落し込む。

今回の"安全ブログ"では、一つ目の"整理/Sort"に関して詳しくお話をできればと思います。

先ず"5S"とはWikipediaで確認すると「5S(ごエス、ごーエス)とは、製造業サービス業などの職場環境の維持改善で用いられるスローガンである。各職場において徹底されるべき事項を5つにまとめたもので、4S運動に「」(習慣化の場合もある)を加えた5項。」と表記されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/5S

我々は一度目の死亡事故後に、外部のコンサルタントにアドバイスを受けながら"0災害の追求"に取組む中で、社員一人ひとりにその目的を常に意識して貰う為に、初めは"安全/安心の為の"という文言を"5S"の前に置いて、"安全/安心の為の5S"として扱うようになりました。

その後、多くの社員が生活習慣病等で休むケースが頻発した事を契機に、"安全/安心"の前提には"健康"への自己管理が必須になると考え、"健康"を加えて"安全/安心/健康の為の5S"と呼ぶようになりました。

次に"整理"の定義を"スーパー大辞林"で確認すると、以下のように記載されています。
    せいり 【整理】
    (名)スル
  1. 乱れているものをそろえ、ととのえること。「引き出しを―する」「論点を―する」
  2. 不必要なものを取り除くこと。「小枝を―してから生ける」「人員―」
  3. 株式会社が支払い不能・債務超過に陥るおそれや疑いがある場合、裁判所の監督下に会社の再建を図る目的で行われる旧商法上の手続き。会社法制定により廃止。会社整理。→法的整理

我々は色々な社外での"整理"の事例を踏まえて、特に"整頓"との混乱を避ける為に、"整理"とは"必要なモノ・コトしかない状態にする"行為だと定義しました。

そして此等の考え方を日本以外での関連会社とも共有したいと思い色々と調べたところ、"5S"を英語では、"Sort/Set/Shine/Standardize/Sustain"と翻訳されている事を確認し、その意味の合理性も踏まえて当社でも採用する事になりました。
https://en.wikipedia.org/wiki/5S_(methodology

因みに辞書によると"Sort"は日本語では"分類する/仕分けする"となっており、当社の"整理"の定義である"必要なモノ・コトしかない状態にする"を踏まえると、正に"必要か/必要でないか"を"分類する/仕分けする"という意味で合致しています。
https://eow.alc.co.jp/search?q=sort

そして我々は"0災害の追求"に於ては、物理的な"モノ"だけでなく行為としての"コト"を"分類する/えり分ける"必要があるとの判断から、"整理"を"必要なモノ・コトしかない状態にする"と定義するに至りました。

正にこの"整理"には、我々は現在進行形できわめて真剣且つ厳密に取組んでいます。

例えば2回目の事故後に取組んでいる危険箇所への対策ですが、昨年2023年12月20日時点で合計は571件で、"致命傷を負うかもしれないリスク"は153件で全体の26.80%、"致命傷になるかもしれない"は156件で27.32%、"傷を負うかもしれないリスク"は262件で45.88%になっています。
https://www.daiwast.co.jp/blog/safety-blog-started-1

この内容は2024年03月12日時点現在では、合計1,014件とほぼ倍増しているのですが、"致命傷を負うリスク"は55件で全体の5.42%、"致命傷を負うかもしれないリスク"は452件で44.58%、"傷を負うかもしれないリスク"は507件で50.00%になっています。

つまりこの数ヶ月で全件数が571件から1,014件と77.58%増加しているにも関わらず、最も深刻な"致命傷を負うリスク"は実数では153件から55件へと64.05%も減っており、全体の件数に占める構成比では26.80%から5.42%と、21.38ポイント/79.78%も下がっています。

この現象は正に、我々の"安全/安心/健康の為の5S"の"整理"を厳密に徹底した結果です。

具体的には、今回事故が発生した当社の2号造管ラインの結束の"現場"では、表示や柵の設置及び立入センサーと音/色/光での対応を、設備/装置自体の"現物"については表示やカバーの設置及び接触センサーと音/色/光での対応をそれぞれ進めていました。

そうすることで人の作業を意味する"現実"に於て、そもそも当初想定していた"絶対禁止事項"を表示や指示で促さなくても、その不安全行為が起こせない/起こしようがない環境を実現する事ができました。

その様な状況では我々は、今までの"絶対禁止事項"を無くすか無くさないかで正直チョッと悩みます。しかし我々が今までの知見/経験を踏まえて実感しているのは、いわゆる”決まりごと”は少なければ少ない程実効性が高く、仲間一人ひとりがソレを守り易くなります。

ゆえに、"0災害の追及"に、"最も厳しい現実を直視する規律"を更新して臨むべく、"整理/Sort:必要なモノ・コトしかない状態にする"勇気が問われる訳です。

このブログでは可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に"0災害の追求"の更新に挑み、行動していきたいと考えています。

今回の"安全ブログ"の内容や我々の”0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。本件に関するご質問/ご提案/リクエストはこちら

最後までお読み頂き感謝申し上げます。次回は"安全/安心/健康の為の5S②"として、"整頓"についてお話したいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ご安全に。

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎


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