2024.01.24

"0災害の追求"への必須要件とは?

大和鋼管中村です。昨年は20231127日に起こった死亡事故をきっかけに2回の"安全ブログ"を発行させていただき、色々なお気遣いや励ましを頂けた事に心より感謝申し上げます。

あれから約2ヶ月が経ち、失った仲間の四十九日も過ぎました。お陰さまで当社の操業も漸く落ち着いて参りましたが、事故前の生産/在庫の水準まで回復するにはもう少し時間が必要との認識です。

未だお客さま/取引先の皆さまには十分に満足していただけていない点も残っておりますが、引き続き残された仲間とシッカリと安全最優先を更新し、可能な限りのキャッチアップに取り組んで参ります。

何かご不明な点やお気付きの事がございましたら、以下のリンクよりお問い合わせいただければ幸いです。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

本件に関するご質問/ご提案/リクエストはこちら

過去2回のブログでは、安全ブログの開始にあたっての私自身の思いと、"0災害の追求"の徹底にも関わらず起きた二度目の事故について、私なりの分析/統合を行いました。"重大な事故及び労働災害"が前触れもなく突然発生する可能性と、ソレを防ぐ為に現場/現物/現実でリスクの大きさを見極め、予防策を講じる事の重要性を共有しました。

そして今回お話したいのは過去2回の死亡事故を踏まえて痛感した"0災害の追求"への「必須要件」についてです。

実は一度目の死亡事故の際は、実際に事故が発生した状況を誰も目撃しておりませんでした。本人がどのような行動をとり死亡事故に至ったのかは、プライバシーの観点を踏まえ警察/消防から詳しい調査内容を入手する事も叶わず、結局わからず終いでした。

一方で、二度目の死亡事故に関しても当初の状況は同じで目撃した者がいなかったのですが、警察/労基署の調査を終えた後に当社で徹底した状況の確認を行い分析/統合を重ねたことで、恐らくこういう事が起こったのであろうと、状況をかなり緻密に想定するに至りました。またその内容を既に一旦調査を終えていた警察/労基署にも報告するとともに、その後の事故現場での再発防止策及び他の危険箇所の対応にも活用しています。

そしてこの経験から我々が深く学んだのは、"0災害の追求"という明確な目的へ具体的且つ有効な対策を講じる為に、"最も知識と経験のある仲間"と、現場/現物/現実で"状況の確認"と"アイディアの提示"を行うことの重要性です。

警察/労基署の調査を終えた時点で我々は、事故を起こした仲間が何故危険箇所に入りその様に作業をしていたのかが明確にわからず、どう事故現場で再発防止の取組を進めて行けばいいのか思い悩んでいました。

その状況を打破する為に事故の翌日に自発的に仲間が行ってくれたのは、事故発生現場に管理者/技術者及び同様の作業経験者を集めて、徹底的にそれぞれの視点で想定される"状況の確認"をする事でした。そして、集まった様々な事実を踏まえて、各々の視点で実際に起こった事象はこうだったのではないかという"アイディアの提示"を行い共有する事でした。

その過程を経て漸く我々は、事故が発生した際に設備や作業はどのような状態/状況だったのか、事故を起こした仲間が何を見て、どの様に考え、どの様な作業をしようとし、結果不本意にも危険な行為に至ったのかを、飽くまでも想定の域をでませんが、かなりの精度で徐々に理解できる様になりました。

この過程で一人ひとりが気付いたのは、事故を起こした本人を含めた現場の作業者にはこの事故を完全に避けるのに十分な設備の状態や構造に関する知識や考え方が足らなかった事、技術者にはこの事故を完全に避けるのに十分な現場の作業に関する経験や理解が足らなかった事、そして私を含む管理者がこの事故を避けるのに十分なリード/マネージをできていなかった事でした。

ここから導き出されるのは、"0災害の追求"を実現して行くには、作業/技術/管理に関し最も知識と経験のある作業者/技術者/管理者が三位一体になり、お互いを補完し合いながら問題/課題を解決していく事が"必須要件"になるということです。

前回のブログでお伝えしたとおり、我々はこの"0災害の追求への必須要件"を念頭に現場に赴き、機械設備や資材等の現物をくまなく確認し、具体的に危険を感じる現実に向き合いました。危険箇所のリストアップを続け、その数は2024年01月23日現在では595箇所で897項目に至ります。

そして"致命傷になる"を改め、"致命傷を負う/法律を破る"に該当する「リスクレベル1」の99の危険箇所に対し、現場/現物/現実で作業環境/設備状態/作業状況を確認しています。現時点で2箇所で対策を完了、62箇所で対策を承認中、35箇所の対策を検討しています。

当社としては引き続き"危険体感研修"の機会を外部の方々にも提供すると同時に、現在進行中の取組についても可能な限り共有させていただくことで、"0災害の追求"に向けて更に皆さまと共に切磋琢磨して参れればと考えております。ご関心のある方は是非下記のリンクをご参照ください。
https://www.daiwast.co.jp/safety

またこのブログでは引き続き、可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有した上で、率直なご質問/ご提案/リクエストをいただきながら、一緒に“0災害の追求”に挑み行動して参ります。

何かご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡いただければ幸いです。これからのご支援/ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎

本件に関するご質問/ご提案/リクエストはこちら

 


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