2024.03.26

安全/安心/健康の為の5S②整頓について

大和鋼管の中村です。前回のブログでは、当社が"0災害の追及"の中核として長年取組んでいる”安全/安心/健康の為の5S”の中で、特に”整理”について詳しく解説させていただきました。

参考ブログ: 安全/安心/健康の為の5S①整理について

繰り返しになりますが、当社に於ける安全/安心/健康の為の5S”の定義とは以下のとおりです。

  • 整理/Sort:必要なモノ・コトしかない状態にする。
  • 整頓/Set:必要なモノ・コトが必要な分だけ必要な時に出てくる状態にする。
  • 清掃/Shine:必要なモノ・コトが整理・整頓されている状態を見えるようにする。
  • 清潔/Standardize:必要なモノ・コトが整理・整頓・清掃された状態を維持する。
  • 躾/Sustain:必要なモノ・コトの整理・整頓・清掃・清潔を一人ひとりが実践/反復/定着させ習慣に落し込む。

今回の"安全ブログ"では、”安全/安心/健康の為の5S”の二つ目に位置づけられる"整頓/Set"について、詳しくお話ししたいと思います。

勇気を持って”整理”を行い、”必要なモノ・コトしかない状態”を実現する事で、我々はより安全/安心/健康に、具体的に作業を行う環境/準備が整います。

そして具体的に現場で如何に安全/安心/健康に且つ効率よく作業を行うにあたって、極めて重要になってくるのが、”必要なモノ・コトが必要な分だけ必要な時に出てくる”状態を実現する事、つまりスムーズに業務を遂行できる環境を整えることです。

以前のブログでもご紹介したとおり、我々が事故や労災を引き起こすのは、”集中が切れた時”と”集中しすぎている時”で、如何に”必要なモノ・コトが必要な分だけ必要な時に出てくる”かが、この状態に大きな影響を与えます。

例えば程よい緊張感で仕事に集中できている中で、作業に必要な道具が手元にない状況が発生すると、自ずと作業者の集中は途切れて効率が落ちてしまい、一説によるとその回復には23分もの時間を要すると言われています。
https://www.teleweb.co.jp/23-minutes-loss/ 

更に集中力の途切れが及ぼす悪影響として懸念されるのは、作業者が落ちてしまった効率を気にして焦ったり、取り戻そうとしてムリをしたりして、結果として不安全な行動を取る事態、つまり”集中しすぎている時”の発生です。

この様な状態に作業者が陥る状況を避けるべく、我々は現在進行形で様々な”整頓”に取組んでいますが、その一つが製造現場での掲示物の扱いです。

我々の推し進める”0災害の追求”の現在の中核である”絶対禁止事項”は、”致命傷を負う/法律をやぶる”リスクを把握し、まさに作業者に”必要な時に必要な分だけ”伝えるコトが必要になります。

その為に現在31件まで絞り込まれた”絶対禁止事項”を明記した掲示物を製造現場に展開するのですが、その掲示場所と記載内容にはとても頭を悩ませています。

先ず作業者に的確に”絶対禁止事項”を伝えるには、掲示物はパッと見て目に止まりやすい位置にある事が必須ですし、またハッキリと記載内容が読めること、そしてその内容も簡潔である事が望まれます。

しかし製造現場には様々な制約があり、掲示物の位置や角度を作業者の安全を確保した上で、その動きも想定して如何に最適な場所を見つけるのかに、とても苦労します。

例えば当社で使用する鋼管の加熱機は、感電のリスクがあります。そもそも高温や高周波の影響を避ける為に周囲に物体を置かない状態が望ましく、掲示物の位置は必ずしも現場/現物/現実を踏まえて最適化できないというもどかしい状況です。

この様な状況も踏まえて当社が検討/開発に着手しているのが、アプリケーションと音声を活用した安全確認の取組で、我々はこの仕組みを"Safety Job Ticket (セイフティ・ジョブチケット)”と呼んでいます。

当社は以前から、当社にとって少子高齢化を乗り越える上で中核的な課題となっている”技術とノウハウの継承”を、システムを活用し実現する事に取組んでいたのですが、昨年の事故の発生を踏まえて、この仕組を”0災害の追求”のレベルアップに活用する検討を始めました。

具体的には、製造現場に於ける具体的な作業の手順及び標準を一つの作業に小分けして、製造の進捗状況に応じて一人ひとりの作業者に配布する仕組みと、その進捗を全体とした把握できる形にしたシステムです。この仕組みを我々は”Smart Factory Solution (SFS)"と呼んでいます。

今回は、この手順/標準に安全の要素を加味した上で”安全作業手順/標準”とすると共に、その内容を作業毎に小分けにして安全管理部分を"Safety Job Ticket”、作業部分を”Operation Job Ticket (オペレーション・ジョブチケット)"として必要に応じて組み合せます。そうすることで、安全/作業の両面で”必要なモノ・コトが必要な分だけ必要な時に出てくる”状態、つまり”整頓”して個々の作業者に配布する試みに取組んでいます。

このブログでは可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に"0災害の追求"の更新に挑み、行動していきたいと考えています。

今回の"安全ブログ"の内容や我々の”0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。本件に関するご質問/ご提案/リクエストはこちら

最後までお読み頂き感謝申し上げます。次回は"安全/安心/健康の為の5S③"として、"清掃"についてお話したいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ご安全に。

大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎


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