大和鋼管の中村です。前回の安全ブログでは、「如何に“0災害の追求”を“真っ当、前向き”に進めていくか?」という問いに対し、“革新”を以て「”賢者”を起動する」というアプローチで、“精神的な健全さの向上”を促す“メンタルフィットネス”の取組について説明させて貰いました。
参考ブログ: 賢者の起動③ 革新について
今回は、共感・探索・革新・先導・発動の五つの方法のうちの四つ目となる、「“先導”を以て“賢者”を起動する」というアプローチを詳しく説明して行きます。
先ず“先導”をいつも通り大辞林でしらべてみると、記載されている内容は以下の通りでした。
せんどう ―だう 【先導】
(名)スル
先に立って導くこと。「参観者を―する」「―車」
”先導”とは、自身の”先に立って導いてくれる”モノ、つまり”目標”や”目的”に相当します。
前回のブログでもお話したとおり、我々はそもそもの自らの脳の構造により、常に現実的に”ネガティブ”な分析/統合を行って悪い事に備え、たまに良い事にでくわした時に”ポジティブ”にその感覚を実感します。
この比率はPositive Intelligence社の見解では大体、”3:1”の割合だとしています。一つ悪い事があると、その三倍以上の良い事を実感しないと、”ネガティブ”を”ポジティブ”が超えている状況、つまり”賢者の起動”を安定して保てない事になります。
参考リンク: Positive Intelligence
その状況を創り出すのに有効な手段の一つが、”目標”や”目的”を達成した時に得られる”感覚”を想像してみる事です。
我々が物事に取組む中で迷ったり悩んだりして、”ネガティブ”なモードに陥りそうになった時、先ず”目標”や”目的”を達成した際の自分の”感覚”を想像して今、何をすべきかを”ポジティブ”に判断するやり方が「“先導”による“賢者”の起動」に相当します。
例えば、現場で作業を行っている際に、仲間の不安全な行為を目にしたとします。相手にその不安全な行為を指摘する事は当然ながら、相手の気分を害して自身との関係を悪化させる可能性があるので、その状況を想定して迷ったり躊躇したりするかもしれません。これはごく自然な行動パターンです。
一方で、もしその場を何も言わずにやり過ごしてしまうと、その後には”0災害の追求”を怠った自分に気付き、”何故注意しなかったんだろう”、”何かできる事はあったんじゃないか”と、悔やんだり落ち込んだりする”ネガティブ”な思考に陥ることも、想像に難くありません。
この様な”ネガティブ”思考による負の連鎖を避ける為には、今日一日を無事故・無災害で過ごせた事に対する安堵や、一年間の”0災害”を達成した際に得られるポジティブな感覚を想像し、後になって悔やまない正しい判断に自らを導く、「“先導”を以て“賢者”を起動する」アプローチが有効となる訳です。
大和鋼管では始業前のラジオ体操の後に、「”50年後”の未来を想像し、今、何ができるのか?」を考える時間を、毎日5秒間設けています。
我々の最も若い仲間は現状で、高校を卒業したばかりの18歳です。そして70歳位まで働くとすると引退までの期間は約50年間。仮に自身が引退する日の朝を想像してみると、横にいる最も若い仲間もまた18歳で、それから約50年間仕事をする姿が想像できます。
もし私が引退する日に、朝のラジオ体操後の5秒間に、隣に居る最も若い仲間が引退する50年後を想像し、「彼らの未来は大丈夫だ」と思える事ができれば、それが”0災害の追求”へ“先導”を以て“賢者”を起動している究極の姿です。
その時のポジティブな”感覚”を想像し、今できる”0災害の追求”へ、自らを”真っ当、前向き”に導いて行きたいと思います。
このブログでは、可能な限り私自身の経験と知見を皆さんに共有しながら、率直なご質問/ご提案/リクエストを頂き、一緒に“0災害の追求"の更新に挑み、行動していきたいと考えています。
今回の“安全ブログ"の内容や我々の“0災害の追求”の取り組みについて、ご質問/ご提案/リクエストがございましたら、下記のリンクよりご連絡ください。
最後までお読み頂き感謝申し上げます。これからも“0災害の追求”に関わる、“為になり、役に立つ”情報を皆さんに共有して参りたいと思いますので、引続き宜しくお願い致します。ありがとうございました。ご安全に。
大和鋼管工業株式会社
代表取締役社長
中村 慎市郎
- タグ:
- 安全