私たち大和鋼管は、今年2022年で創業90周年を迎えるメッキパイプ専業の製造メーカーです。
メッキパイプと聞いて製品のイメージが湧く人は多いと思いますが、メッキパイプは様々な種類がありとても奥が深いです。
「メッキパイプを採用したいけど、どんなメーカーのどの製品がいいの?」や「メッキパイプってドブメッキだけではないの?」という方々もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はメッキパイプ専業の製造メーカーである私たちが、メッキパイプの様々な種類や私たちのポストジンク鋼管をオススメしたい特に工業製品向けの用途についてご紹介いたします。
メッキパイプの種類について
メッキパイプには私たちのポストジンク鋼管を含めて、主に3種類があります。3種類のメッキパイプについてそれぞれ製造方法と特徴をご紹介します。
①ポストジンク鋼管
ポストジンク鋼管は、 "ダイワZプロセス(造管と溶融亜鉛メッキを連続一貫製造する独自のライン設備)"により製造される私たちオリジナルのメッキパイプです。
ポストジンク鋼管は "ダイワZプロセス"により、メッキ浴槽への浸漬時間について、従来では数分間必要であるところを数秒間と短縮することができ、耐食性を損なう合金層の厚みを大幅に縮小できることが特長です。
ポストジンク鋼管の外面は全周均一に亜鉛メッキされており、その上にはトップコート(特殊防錆透明樹脂)を塗布しています。
また2021年から内面は塗装ではなく、水性亜鉛無機コーティングを採用し、ポストジンク鋼管は"つくる人/つかう人/地球"にやさしいメッキパイプです。
②先メッキ鋼管
先メッキ鋼管とは鋼管に成形する前の鋼板の時点でメッキを施し、造管機によって成形・溶接された鋼管のことです。ガルバリウム等の合金メッキのパイプも多くは先メッキ鋼管に分類されます。
先メッキ鋼管は必要な造管機の設備が比較的安価であり、工程も拡張性が高く、最も普及しているメッキ鋼管です。鋼板へのメッキ時間が短い為、ポストジンク鋼管と同様に鉄と亜鉛の混じっている合金層が少なく純亜鉛層が厚くなります。
一方で先メッキ鋼管を溶接する際の熱で鋼板に施されたメッキはとれてしまうので、後処理として外面溶接部に溶射を施しており、また内面溶接部にメッキは施されず、犠牲防食による防錆効果を効かせる製品設計になっています。
③ドブメッキ鋼管
ドブメッキ鋼管は、鋼管に成形された後にメッキされた鋼管です。
ドブメッキとは高温で溶かした亜鉛が入っているメッキ槽の中に鋼材や鋼材できた制作物を浸し、表面に亜鉛皮膜を形成する溶融亜鉛メッキ技術の通称です。
ドブメッキ鋼管は、ポストジンク鋼管や先メッキ鋼管よりも亜鉛付着量がかなり多く、内外面ともに均一にメッキが施されているので、一般的には高い耐食性を有します。
各メッキパイプの比較
各メッキパイプを耐食性/経済性/環境性を私たちの視点で比較しました。
断面図 |
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耐食性 |
◯ |
△ |
◎ |
・外面は全周均一にメッキされている |
・溶射部分から錆びることが多い |
・内外面ともに均一なメッキ |
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経済性 |
◯ |
◯ |
△ |
・ドブメッキと比較して優れる |
・メッキ性能によっては安価である |
・横持ちの運送料等が発生する |
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環境性能 |
◎ |
◯ |
△ |
・クロムフリー |
・クロムが使用されている場合もある |
・鉛等の重金属を含む場合がある |
ポストジンク鋼管を特にオススメできる加工製品の用途
私たちの製造する”ポストジンク鋼管”は軽仮設資材の一つで”足場管”や”単管パイプ”と呼ばれる鋼管の用途や農業用ビニールハウスの骨組とである”農ビ管”や”農業資材”の用途がよく知られていますが、その他のメッキパイプを活用するシーンに於いて、特に耐食性と環境性や美観/外観が重視される場合には特にオススメです。
また先メッキ鋼管の溶射部分が工程上や品質上のネックになりうる加工や塗装を伴う工業製品の用途に於いては、歩留まり改善や製品品質に関して特に優れたパフォーマンスを発揮し、経済性を向上する事が可能です。具体的に私たちのポストジンク鋼管を特にオススメできる製品用途の事例を幾つかご紹介させていただきます。
コンベヤローラー
真円度が高く、外面全周に亜鉛メッキが施された滑らかな表面仕上げのポストジンクはコンベヤローラーに最適です。さびにくく、耐久性に優れ、塗装が不要なため荷物を汚すことがありません。
また、クロムフリーでRoHS2にも適合しているので、製品を海外へ輸出する場合にも安全/安心です。
道路資材/遊具/景観材
塗装前の鋼管をメッキパイプにすることで製品が長持ちし、ライフサイクルコストの縮減を実現します。
各メッキパイプで比較した場合でも溶接等の後加工がない場合には、ポストジンク鋼管は溶射部分がないため塗装を施し易く、ドブメッキと比べて経済性に優れます。
テント
ドブメッキ鋼管の表面には”スパングル”と呼ばれる不純物と亜鉛が結晶化し出来てしまう花柄模様がよく見られますが、99.995%純度の最純亜鉛地金を使用してメッキ浴槽への浸漬時間が短いポストジンク鋼管は、スパングルがなく美しい銀白色の表面肌でテントの材料に適しています。
また、ポストジンク鋼管は溶射部分がないためサビにくく、製品の長寿命化にも貢献します。
その他
ここでご紹介した製品用途以外でも、先メッキ鋼管で"塗装が上手くいかない"や"溶接部分がすぐ錆びてしまう"等の溶射部に起因する内容でお困りのお客様や、ドブメッキ鋼管よりも経済性/環境性に優れたメッキパイプが欲しいというお客様には、ぜひポストジンク鋼管をオススメしたいと考えます。
まとめ
今回は、メッキパイプの様々な種類や私たちのポストジンク鋼管をオススメしたい用途についてご紹介しました。
内面も亜鉛メッキが施されているメッキパイプが必要な方には、受注生産でパーフェクトポストジンク鋼管で対応する事も可能です。
私たちのポストジンク鋼管やパーフェクトポストジンク鋼管についてもっと詳細を知りたい方がいらっしゃいましたら、以下のリンクより製品の詳細をご確認ください。
リンク:大和鋼管工業株式会社 製品詳細 ポストジンク/パーフェクトポストジンク
また特約店/商社等の鉄鋼製品の流通に関わる方々がポストジンク鋼管やパーフェクトポストジンク鋼管をお客さまへご提案したい場合は、私たちが仕様の詳細や製品特性、経済性等のメリット等に関し説明やプレゼンを行う支援をさせて頂きます。ご希望の場合にはいつでもご遠慮無く、以下のお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。以上、宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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