当社が製造・販売している”STX (エスティーエックス)”は、一般構造用鋼管として広く普及している同じサイズの"ST
”STX”を採用する事で、構造物の強度向上やコスト削減及び環境性能の改善等が期待できます。
しかし、”STX”を採用するにあたり「
そこで今回は、”STX”の従来材からの置換えについて"農業用ビニールハウス/パイプハウス"と"道路資材"の2つの例に対して、具体
STXとは
”STX”は、日本製鉄株式会社と大和鋼管が共同開発をした、従来製品に対しより”しなやか”で”強靭”な特徴を持つ高張力鋼管製品の総称です。
鋼管の機械的性質である引張強さ/降伏点や耐力及び設計基準強度は、それぞれ従来材"STK400"に比べ700N/㎟以上で約2倍以上のレベルに達しています。
種類 |
機械的性質 |
設計基準強度 |
|||
引張強さ |
降伏点 |
伸び |
|||
G3444 |
一般構造用炭素鋼鋼管 |
400 | 235 | 23以上 | 235 |
STX(700N) |
ハイテン鋼管 |
700 |
570 | 10以上 | 490 |
STX(780N) |
ハイテン鋼管 |
780 | - | - | 546 |
・STX (700N)の基準強度(短期許容応力):490N/㎟(国土交通大臣認定 No.MSTL-0197)
・STX (780N)の基準強度(短期許容応力):546N/㎟(引張り強度780N/㎟ x 70% = 546N/㎟)
”しなやか”とは”柔軟性に優れている”事を、”強靭”は強度と柔軟性が産み出す”復元力がある”事を指しており、これらの特性を活かし”農業用ビニールハウス/パイプハウス”のアーチ材や道路資材、各種構造物等に多く使われています。
農業用ビニールハウス(パイプハウス)の例
”農業用ビニールハウス/パイプハウス”の分野では、既に”STX”の実績が多数あります。アーチ材に”STX”を採用しピッチの調整を行う事で、”農業用ビニールハウス/パイプハウス”の強度向上/
STK400 外径φ31.8mm x 厚さ1.6mmと同じサイズのSTX (外径φ31.8mm x 厚さ1.6mm)の"基準強度"および"最大曲げモーメント"を比べると以下の表になり、引張りや曲げに於いて2倍以上強くなる事が分かります。
規格 |
外径 |
厚さ |
単位重量 |
基準強度 |
最大曲げモーメント |
STK400 |
31.8 |
1.6 |
1.19 |
235 |
25.6 |
STX(780N) |
31.8 |
1.6 |
1.19 |
546 |
59.6 |
過去に徳島大学と共同で行なった研究では、ハイテン鋼管を用いた間口が6mもしくは7.2m/奥行が10
![[JP][Blog]徳島大学共同研究概略図](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/%5BJP%5D%5BBlog%5D%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%B1%E5%90%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A6%82%E7%95%A5%E5%9B%B3.png?width=500&height=331&name=%5BJP%5D%5BBlog%5D%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%B1%E5%90%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A6%82%E7%95%A5%E5%9B%B3.png)
規格 |
パイプサイズ |
ハウス |
アーチ |
ハウスアーチ |
ハウスアーチ |
||
風速[m/s] |
積雪 |
パイプ |
アーチパイプ |
||||
STK400 |
Φ31.8mm x 1.6mm |
7.2 m |
50cm |
44 |
26 |
1 |
1 |
STX(780N) |
Φ31.8mm x 1.6mm |
7.2 m |
75cm |
55 |
42 |
1.3 |
0.9 |
道路資材の例
"STX"を採用する事は、カーブミラーや道路標識の柱などの道路資材を取り扱われている業者様にとっては軽量化や強度アップ、コストダウンだけでなく、地球環境に優しい取り組みに繋がるご提案が可能です。
"STX"は通常材に比べて約2倍の引張強度を持っていますので通常材に替えて”STX”を使用する事で同等以上の強度を保ちながら、パイプサイズを小さくする事ができます。
以下のSTK400 外径φ89.1mm x 厚さ4.2mmとSTX 外径φ76.3mm x 厚さ2.8mmの"単位重量"と"最大曲げモーメント"および1mあたりのパイプ外面の"表面積"を比べてみました。
規格 |
外径 |
厚さ |
単位重量[kg/m] |
表面積 |
基準強度 |
最大曲げモーメント |
STK400 |
89.1 |
4.2 |
8.79 |
28.0 |
235 |
534 |
STX |
76.3 |
2.8 |
5.08 |
24.0 |
490 |
562 |
先ずこの事例に於いては、重量に関しては"STX"を使用すると1mあたり3.71kg/42%軽くなります。また最大曲げモーメントに関しても"STX"を使用すると28KN・cm/5.24%強度がアップします。さらに表面積は"STX"を使用すると1mあたり4.0㎠/14.3%小さくなりますので、塗装を行う場合には塗装面積を減らす事ができます。
塗装面積を減らすことは塗装にかかるコストを抑えるだけでなく、使用される塗料の量が減るため、塗料から揮発されるVOCも削減する事ができます。
まとめ
今回は、”STX”の従来材からの置換えについて"農業用ビニールハウス/パイプハウス"と"道路資材"の2つの例に対して、具体
現在”STX”は”農業用ビニールハウス/パイプハウス”や道路資材の他にも様々な分野で活躍していますが、更に皆さまのニーズを踏まえて、その活用範囲はドンドン広がっていくと我々は考えています。
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最後までお読みいただき感謝申し上げます。当社では引き続き、皆さまの"為になるお役立ち"に繋がる情報発信を続けて参りますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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