2021.07.21

STXは加工性に優れる?!鋼材の伸びと降伏点について。

"鉄鋼材料"は他の材料と比べて安価で加工もし易いので、車や船等の乗物/建築物や身近なモノまで、私たちの生活を長らく支えてきました。

近年では、新しい"鉄鋼材料"の進化として注目を浴びているのがハイテン鋼材です。ハイテン鋼材は従来よりも強度が高く、軽量化の様なメリットを産むため、特に自動車向けを中心に各社研究を進めています。

私たちの鋼管の業界でも各社がハイテン鋼管をリリースしていますが、お客様から私たちのSTXは「他社のハイテン鋼管とどこが違うの?」と聞かれる事が多くあります。

今回は他社ハイテン鋼管と比べて私たちのSTXが優れる"伸び"と"降伏点"についてご紹介します。

伸びとは?

以前のブログでもご紹介させていただきましたが、科学的には材料を引張った時に物質に起こった変形量を"伸び"と呼びます。

[JP][Blog]伸び

上記の図で示す通り材料の長さをLとした時に、矢印の方向に物質を引張って起こった変形量ΔLの部分が"伸び"に相当する訳です。

鋼材において"伸び"は少ない方が良いと思われる方もいるかもしれませんが、それは多くの場合間違っています。鋼材を比較する場合は、"伸び"は大きい方が”粘り強く、壊れにくい”、つまり要求される強度が突然下がったり失われたりしないという意味なので、多くの場合は材料として優れていると言えます。

伸びに関して、もっと詳細を知りたい方は過去のブログもご参考にして頂ければ幸いです。

リンク:なるほど!!強くても伸びがあるのが”強靭”。軽量足場スーパーライト700の優位性。(^_^)v

降伏点とは?

以下のグラフのように、鋼材に加える応力を次第に増加させた時に応力と伸びが比例に変化をする"弾性領域"を越えると伸びが不規則に変化をする"塑性領域"になります。

"降伏点"とはこの弾性領域と塑性領域の”境目”となる応力の数値を指します。

[JP][Blog]伸びと応力グラフ

つまり、同サイズの場合は鋼管の降伏点が高いほど、材料は折れにくく強いと言えます。

STXと各社ハイテンの比較

今回は、2021年1月〜2021年6月迄に製造されたSTXの引張試験の結果と、同じ試験方法で引張試験を実施した他社のハイテンパイプの結果をφ31.8x1.6とφ25.4x1.2の2つのサイズで比較しました。

φ31.8x1.6 ※社内試験による実績値
[JP]STX vs GH700①

φ25.4x1.2 ※社内試験による実績値
[JP]STX vs GH700②

上記の結果より私たちのSTXは他社のハイテンパイプと比べて引張強さ/降伏点/伸びが何も高い事が分かります。つまりSTXは強いだけでなく他社のハイテンパイプに比べると、加工性も優れていると言える訳です。

例えば農業用ビニールハウス用に曲げ加工を行った場合は、他社製品に比べて更に荷重を掛けても折れにくいといったメリットがあり、この性能はそのまま台風や雪の現場でも発揮される事になる理由です。

まとめ

今回は私たちのSTXと他社のハイテンパイプとの比較についてご紹介させて頂きました。私たちのSTXは他社のハイテンパイプと比べて若干強いだけではなく、加工性にも優れている事がこのケースでは確認できています。

勿論鋼材に求められる要素はその用途によって様々で、当然加工性が求められないケースも存在します。一方で、強度だけでなく加工性も優れているという事は、新しい用途や様々な加工に耐えうる可能性を十分に秘めているという事になります。

もし「ハイテンパイプを使ってみたいけど、他社のハイテンパイプでは加工が上手くできなかった」というお客様や私たちのハイテン鋼管であるSTXを試してみたいという方がいらっしゃれば、以下のSTXのご相談フォームよりお気軽にご相談下さい。以上、宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。

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