2022.11.29

ハイテン鋼管の基準強度/許容応力度とは?!メリットを産み出す為に必要な正しい知識。

私たちの製造・販売している”STX”や”スーパーライト700”等のハイテン鋼管は、従来のメッキパイプよりも強度が高い為、正しく設計することで、構造の軽量化や強度アップ及びそのコストダウン等を見込むことができます。

”STX”や”スーパーライト700”の特性を活かした有効な設計を行う為には、基準強度や許容応力度及びそれに関連する法令についての正しい知識とその理解が必要です。
 
[JP][Blog]設計キービジュアル
 
今回のブログでは、私たちの”STX”や”スーパーライト700”の基準強度/許容応力度について説明いたしますので、みなさんが設計を行う際に参考にしていただければと思います。

基準強度とは?

鋼材の"基準強度"とは、”建築基準法”に定められている材料や”指定建築材料”の"許容応力度などの規準となる強度"で、例えば一般構造用炭素鋼鋼管の場合は”STK400”が”建築基準法”に定められている材料に相当し、その強度には400Nになります。

ここで鋼材の"指定建築材料"には、日本産業規格(JIS規格)と"大臣認定品"の2種類があります。

STXやスーパーライト700の基準強度

”STX”の場合は、以下の表に示す一部のサイズで大臣認定を取得しています。

STX丸形鋼管の国土交通大臣指定建築材料の認定サイズ

[JP][Blog]大臣認定取得サイズ丸

STXR角形鋼管の国土交通大臣指定建築材料の認定サイズ

[JP][Blog]大臣認定取得サイズ角

※着色部は製造可能範囲 ◎印は国土交通大臣指定建築材料の認定サイズ

従って上記の大臣認定を取得している範囲の”STX”に関しては、基準強度(F)を490[N/㎟]と設定し許容応力度の基準とする事が可能です。

その他のサイズの”STX”や”スーパーライト700”に関してはJIS規格の範囲を超える強度を有していますが、大臣認定を取得していない為、別の方法で許容応力度を設定しなければなりません。

その他のサイズのSTXやスーパーライト700の許容応力度は?

上記の大臣認定を取得していないサイズの”STX”や”スーパーライト700”の許容応力度を設定する際は、関連する法令に従って設定する事が必要です。
 
その際の指標となる物性値が、”STX””や”スーパーライト700”の"引張り強さ"や"降伏点又は耐力"の値です。
 

用途

製品名

引張り強さ N/mm2

降伏点または耐力
N/mm2

伸び

軽量足場管

スーパーライト700 (SL700)

700以上

570以上

10以上

建築構造用

700N級構造用高張力炭素鋼鋼管

700以上

520以上
760以下

10以上

一般構造用
(農芸用、テント)

STX

700以上

570以上

10以上

780以上

”スーパーライト700”の許容応力度の設定について例を挙げると、型枠支保工に使用する材料の許容応力度を定めた"労働安全衛生規則 第二百四十一条"によると、許容応力度は"当該鋼材の降状強さの値又は引張強さの値の四分の三の値のうちいずれか小さい値"となっています。

リンク:中央労働災害防止協会_法令・通達(検索)_労働安全衛生規則 第二編 第三章 型わく支保工

  1.  スーパーライト700の降伏強さ(降伏点または耐力)[N/㎟] = 570[N/㎟]
  2.  スーパーライト700の引張強さの値の四分の三の値[N/㎟] = 700[N/㎟] ➗ 3/4 = 525[N/㎟]
  3.  スーパーライト700の降伏強さ(降伏点または耐力)[N/㎟] > スーパーライト700の引張強さの値の四分の三の値[N/㎟]
 
上記より、型枠支保工に使用する場合の”スーパーライト700”の許容応力度は、引張強さの値の四分の三の値である525[N/㎟]として扱う事になります。

まとめ

今回は、私たちの”STX”や”スーパーライト700”の基準強度/許容応力度について説明致しました。

ハイテン鋼管の特性を活かした設計を行う為には、基準強度/許容応力度や引張り強さ/降伏強さ等を正しく理解し計算を行う必要があります。

更に”STX”や”スーパーライト700”について詳しく知りたいという方がいらっしゃいましたら、当社の資料DLページよりカタログをダウンロードする事ができますので、ご活用いただければ幸いです。

リンク:大和鋼管工業株式会社_製品資料ダウンロードページ

また製品のサンプルが欲しい方や鋼管の詳しい性能を説明して欲しいという方がいらっしゃいましたら、以下のフォームよりお気軽にご相談ください。

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最後まで読んでいただき感謝申し上げます。今後も皆様の為になるお役に立ちを実現するために様々な情報を発信して参りますので、何卒宜しくお願いいたします。ありがとうございました。

 

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