2023.01.18

ポストジンク/パーフェクトポストジンクでも厚メッキは可能?!その耐食性と亜鉛付着量について。

溶融亜鉛メッキは、純亜鉛層の膜厚によって耐食性が異なりますので、目的や用途に合った"耐食性"や"加工性"を有したメッキパイプを選ぶ事が理想です。
 
亜鉛の付着量が多く膜厚が厚いパイプは耐食性に優れる一方で、膜厚が厚くなる程コストがかかる事や、表面の美観が損なわれるといった課題もあります。

私たちの”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”は、用途によって異なる亜鉛の付着量を設定しています。
 
そこで今回の記事では、私たちの”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”の耐食性について改めて説明したうえで、用途別の亜鉛付着量の設定についてご紹介させていただければと思います。
 
皆さまの目的に適した亜鉛付着量のパイプを選ぶ際のご参考にしていただければ幸いです。

ポストジンク/パーフェクトポストジンクの耐食性について

私たちの”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”は、独自のライン設備"ダイワZプロセス"により造管される”外観が美しく高い耐食性を持った地球環境に優しい”メッキパイプです。

[JP][Blog]パイプ画像PZ

先メッキのメッキパイプと比較すると、ポストジンク/パーフェクトポストジンクは、全周に均一メッキが施されている為、溶射部からの発生しがちな赤錆を起こしません。

 

ポストジンク-断面図 先メッキ鋼管-断面図

 

また、ドブメッキのメッキパイプと比較すると、”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”は、同等の純亜鉛層の膜厚を少ない亜鉛付着量で再現できます。また、合金層が薄い為、密着性・曲げ加工性にも優れる事やメッキのプロセスで有害な重金属を含まず、地球環境にも優しい事も特徴です。

”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”とドブメッキのメッキパイプの耐食性の比較に関しては、過去のブログで紹介している記事がありますので、詳しく知りたい方は以下のリンクからご確認ください。

リンク:大和鋼管ブログ_メッキパイプの寿命と加工性は何で決まる?!”合金層”と”純亜鉛層”について。

私たちの”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”は、外面の亜鉛付着量が200[g/㎡]以上から"厚メッキ"仕様と呼んでいますが、これはJIS H8641:2021と比較するとHDZT63(膜厚63μm以上)と同等以上になります。

厚メッキのメリット/デメリット

一般的に溶融亜鉛メッキは、亜鉛付着量や膜厚が多ければ多いほど耐食性に優れますが、亜鉛付着量が多く膜厚が厚いドブ漬けメッキはコストがかかる事や密着性/曲げ加工性が落ちる事、表面の光沢が少なくなる等のデメリットがあります。

私たちの”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”は、合金層が薄く純亜鉛層は厚い為、亜鉛の付着量が多くても密着性/曲げ加工性が大幅に落ちたり、亜鉛メッキの光沢が少なくなるといったデメリットはありません。

一方でコスト面に関して、一部少ない生産ロットに関しては例外もありますが、”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”も一般的な溶融亜鉛メッキと同様に亜鉛付着量が多ければ多いほどコストがかかってしまいます。

また、亜鉛付着量が多い場合は”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”でも表面肌を均一に仕上げる事が難しくなり、以下の写真の様に少し波打った模様が出易い傾向がありますが、耐食性に影響ありませんので安心して使用する事ができます。

[JP][Blog]厚メッキ

用途別の亜鉛の付着量について

上述した内容を踏まえて、私たちの”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”は使用される用途に応じて亜鉛の付着量を設定しています。

より耐久性が求められる用途に関しては、亜鉛付着量を約200[g/㎡]に設定し耐食性を上げ、より美観が求められる用途に関しては、美しく仕上げつつ最低限の耐食性を担保できる110〜120[g/㎡]と設定しています。

以下に一覧表を作成しましたので、参考にしてください。

用途

外面の亜鉛付着量
[g/㎡]

単管パイプ/軽量単管パイプ 110〜120以上
単管パイプ (パーフェクトポストジンク) 約200以上
農業資材 約110以上
農業資材 (パーフェクトポストジンク) 約200以上
標識柱 約150以上
テント/コンベア/その他の構造用メッキ鋼管 110〜120以上

まとめ

今回は、”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”の耐食性について改めて説明し、用途別の亜鉛付着量の設定をご紹介させていただきました。

私たちの”ポストジンク/パーフェクトポストジンク”は、サイズ毎に使用される頻度の高い用途に合わせた亜鉛付着量で"ストック品サイズ"として製品在庫を行なっていますので、ご興味のある方は以下のブログより詳細をご確認ください。

リンク:大和鋼管ブログ_なるほど、コレで急な案件でも安心!!!当社ストック品サイズのご紹介。

また、私たちの"ダイワZプロセス"は生産数量が纏まれば、受注生産にて亜鉛付着量を調整する事も可能です。私たちの受注生産を行う特注品に関しましては、営業担当が製品仕様の詳細を打合せしてお客様の期待を超えるよう取り組んでいます。気になった方がいらっしゃいましたら、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。

[JP][CTA]特注品

最後まで読んでいただき感謝申し上げます。引続き、皆様の"為になるお役立ち"に繋がる情報発信を続けて参りたいと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。ありがとうございました。


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