すべての従業員が安全/安心して働ける職場環境づくりは、企業にとっての最重要課題ですが、時代の変化に伴い、"ハラスメント"の定義は年々アップデートされています。
「良かれと思ってやった指導」が、不本意に重大なハラスメントに該当してしまうケースも少なくありません。
7月は、新入社員の研修が一段落し、各部署での本格的な実務指導がスタートする企業も多いタイミングです。
指導側も受け入れ側も熱が入りやすい今だからこそ、改めて最新の基準を確認しておく必要があります。
そこで今回は、多様化する"ハラスメント"の動向や具体的な対策を分かりやすく解説します。
また、私たちが大和鋼管で実践している取り組みもご紹介しますので、ご参考にしていただければ幸いです。
対策が法的に義務付けられた"ハラスメント"の基礎知識
![[JP]ハラスメント_パワハラ1](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%A91.jpg?width=500&height=338&name=%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%A91.jpg)
まずは、職場における防止措置が法律で義務付けられている基本の"ハラスメント"をおさらいします。
セクシャルハラスメント (セクハラ)
職場で労働者の意に反する性的な言動を行い、就業環境を悪化させる行為です。
性別を問わず、同性間でも成立します。
性的な言動への拒否や抵抗をした結果、労働者が不利益を被る"対価型"と、性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなる"環境型"の2種類に分けられます。
パワーハラスメント (パワハラ)
職場内での優位な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、労働者の就業環境を害することです。
相手を殴る・蹴るや物を投げつけるといった"身体的な攻撃"、「なぜこんなこともできないんだ」、「向いていないから辞めれば」といった人格否定や過度な叱責といった"精神的な攻撃"の他にも、"人間関係からの切り離し"や"過大/過小な要求"、プライバシーに立ち入る"個の侵害"という6つの類型に分けられています。
妊娠・出産及び育児・介護休業等に関するハラスメント (マタハラ・パタハラ・ケアハラ)
妊娠・出産、育児や介護休業の取得・制度利用を理由に、解雇や降格等の不利益な扱いをしたり、就業環境を悪化させたりする嫌がらせです。
「休まれると迷惑」、「男のくせに育休を取るのか」といった発言や制度利用の阻害が該当します。
女性の妊娠・出産に関する"マタニティハラスメント (マタハラ)"は認知度が高いですが、男性の育児休業に関する"パタニティハラスメント (パタハラ)"、家族の介護に関する"ケアハラスメント (ケアハラ)"もあり、性別を問わず深刻な問題になり得ます。
カスタマーハラスメント (カスハラ)
顧客や取引先からの暴言、理不尽な要求、不当な損害賠償請求といった著しい迷惑行為です。
対面だけでなく、電話やSNS上の悪質な書き込みも含まれます。
社会問題化に伴う法改正により、令和08年10月01日から、企業には"カスハラ"から従業員を守るための相談体制の整備や事後対応等、雇用管理上の必要な措置を講じる事が義務化されました。
求職者等に対するセクシャルハラスメント
採用面接やインターンシップなどの場で、企業の採用担当者等が求職者や学生に対して行う性的な言動や嫌がらせです。
SNS等やオンライン上で行われるものも含まれます。
相手に性的な質問やからかいで精神的苦痛を与えたり、性的な関係を迫ったりする行為が該当します。
こちらも法改正により、令和8年10月1日から企業側の防止対策が義務化されました。
参照:職場におけるハラスメント対策パンフレット(厚生労働省)
時代とともに多様化する最新の"ハラスメント"紹介
![[JP]ハラスメント_パワハラ2](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%A92.jpg?width=500&height=338&name=%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%A92.jpg)
社会の価値観の変化やテクノロジーの進化により、従来の枠組みに収まらない"ハラスメント"が次々と生まれています。
モラルハラスメント (モラハラ)
言葉や態度、身振りで執拗に相手を精神的に追い詰める暴力行為です。
無視をする、ため息をつく、露骨に否定する等、周囲に気づかれにくい陰湿さが特徴で、加害者に罪悪感がなく被害者が自責の念に駆られやすい嫌がらせです。
ロジカルハラスメント (ロジハラ)
正論を武器に、感情や立場を無視して相手を過剰に追い詰め、精神的苦痛を与える行為です。
事実や理屈のみで一方的に論破したり、言い返せない状況を作って優位に立とうとしたりする、コミュニケーション上の嫌がらせが該当します。
不機嫌ハラスメント (フキハラ)
職場内で不機嫌な態度を露骨に示し、周囲に威圧感や不快感を与えて精神的に追い詰める行為です。
物音を荒々しく立てる、挨拶を無視する、ため息を繰り返すなど、周囲に過度な気遣いを強いる嫌がらせが該当します。
エイジハラスメント (エイハラ)
年齢を理由に差別や嫌がらせを行い、精神的苦痛を与える行為です。
「若いから頼りない」、「もう歳なんだから一線を退くべき」といった、年齢による固定観念の押し付けや、昇進・採用での不利益な扱いが該当します。
ジェンダーハラスメント (ジェンハラ)
固定観念に基づき「男のくせに」、「女だから」と性別による役割や優劣を決めつけ、精神的苦痛を与える差別的言動です。
「お茶汲みは女性の仕事」、「男性なら残業して当然」等が該当します。
マリッジハラスメント (マリハラ)
未婚・既婚を問わず、結婚に関する執拗な質問や価値観の押し付けにより精神的苦痛を与える行為です。
「結婚はまだ?」、「独身は気楽でいいね」といった発言等、過度に踏み込んだり、プレッシャーを与えたりする行為が該当します。
テクノロジーハラスメント (テクハラ)
IT機器の操作やデジタル知識に不慣れな人に対して嫌がらせを行い、不当に低い評価を下す行為です。
「こんなことも分からないの?」と冷遇したり、過度なスキルを要求して孤立させたりする、職場でのPCやシステムの普及に伴う差別です。
AIハラスメント (AIハラ)
AIの普及に伴い、顕在化し始めているものです。
AIの利用を強制する、逆にAIの使用を制限/禁止する、AIの出力結果を絶対視して異論を認めない、或いはAIを過信して過度な成果を要求するといった行為が該当します。
就活終われハラスメント (オワハラ)
企業が内定を出した学生に対し、他社への就職活動を辞めるよう強要する行為です。
他社に内定辞退の電話をかけるよう圧力をかける、他社の選考を続ければ内定は白紙にすると脅す等の事例があり、近年非常に問題視されています。
企業が取り組むべき"ハラスメント"の防止対策
![[JP]ハラスメント_パワハラ3](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%A93.jpg?width=500&height=338&name=%5BJP%5D%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88_%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%A93.jpg)
これら多様化する"ハラスメント"を防ぎ、万が一発生した際に迅速に対応するためには、企業として仕組みを作ることが不可欠です。
厚生労働省が推奨する指針をベースに、大きく3つのステップで対策を講じましょう。
トップのメッセージ発信と就業規則の整備
まずは経営トップが「我が社はあらゆる"ハラスメント"を許さない」と強く宣言する事です。
その上で、就業規則に禁止規定や処分内容を明記し、全従業員に周知徹底します。
定期的な研修と教育の実施
"ハラスメント"の基準は時代とともに変わります。
一度きりの研修で終わらせず、管理職向け、一般社員向け、新入社員向けのように、立場に応じた研修を毎年定期的に行い、知識をアップデートすることが重要です。
相談窓口の設置と適切な運用の仕組み化
従業員が安心して相談できる窓口を社内外に設置します。
相談者のプライバシー保護や、守秘義務の徹底等、相談した事を理由に不利益な扱いを受けない環境を担保する事が不可欠です。
なお、厚生労働省や労働基準監督署等が"ハラスメント"に関する様々な情報発信や相談窓口の案内をしています。
更に詳しい情報を知りたい時や実際に悩みを抱えた時、ぜひ一度目を通してみることをオススメします。
大和鋼管工業が実践する取り組み
私たち大和鋼管も、すべての従業員が安心して力を発揮できるよう、"ハラスメント"の防止策と環境づくりに取り組んでいます。
厚生労働省の指針を元に、研修の定期的な実施や相談窓口の設置を行っています。
また、日報や週報、定期的な個別面談を仕組み化し、業務の進捗だけでなく其々の悩みを早期にキャッチアップできる体制も整えました。
私たちは"課題の分離と自立"、"尊敬/勇気付け"の精神を大切にしています。
全員が自由に考え、大いに発言できる、頭と心と体が健全で透明性の高い職場を目指し、これからも一人ひとりの意識と知識をアップデートし続けます。
まとめ
今回は、多様化する"ハラスメント"の動向から対策までをお伝えしました。
"ハラスメント"のない職場づくりの為には、時代に合わせて知識を更新し、組織全体でコミュニケーションの質を高めていく努力が必要です。
様々な"ハラスメント"が定義され、各々の行動と懸念/問題の繋がりが明確になることはなによりですが、過剰な心配や行き過ぎた反応により、社内のコミュニケーションが滞ったり人間関係が希薄になる事は、決して望ましい事態ではありません。
当社においても、社員一人ひとりが安全/安心/健康に働ける職場環境を実現していく為に、引き続き皆さまとも情報共有/意見交換しながら"ハラスメント対策"に真摯に取り組んでまいりたいと考えています。
ブログに関するご意見やご感想、ご質問やリクエスト等がございましたら、以下のページからぜひお寄せいただければ幸いです。
最後までお読みいただき感謝申し上げます。引き続き宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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