"パイプハウス"は"農業用ビニールハウス"とも呼ばれますが、その材料となる"農芸用鋼管"を購入する場合は、
しかし、"パイプハウス"は独自の流通形態が発達しており独特の商い習慣がある為、"農芸用鋼管"の値上げが"何時、どのような形で実施されるのか?"を理解し、適切なタイミングを見極め購入する事が難しいのが現状です。
そこで今回は、"パイプハウスの流通形態"について私たちの認識を解説し、
パイプハウスの流通形態
パイプハウスの流通形態は、大きく分けて"系統"と"商系"の2つのルートに分かれています。
![[JP]農業資材バリューチェーン](https://www.daiwast.co.jp/hs-fs/hubfs/images/blog/%EF%BC%BBJP%EF%BC%BD%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E8%B3%87%E6%9D%90%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3.png?width=774&height=352&name=%EF%BC%BBJP%EF%BC%BD%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E8%B3%87%E6%9D%90%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3.png)
値上げのタイミング
"パイプメーカー"から"全農・農材商社"へ販売される”農芸用鋼管”の価格については、以下の記事にも記載がある通り、通常は”全国農業協同組合連合会”つまり”全農”の改定時期である4月出荷分から価格の見直しが実施されます。
参考資料:産業新聞_2018年1月9日_丸一鋼管、製品5000円上げ徹底
過去5年間の市況と2024年の価格動向の予測
以下は、”農林水産省”から発表されている”φ22.2x1.2x5,500mm (5,470mm)・スエージ加工付き・10本セット”の直管パイ プ”の場合の”農芸用鋼管”で、本体価格の平均値が過去5年間でどう推移したのかをまとめたグラフです。
データ参照:農林水産省_基本政策_農業競争力強化プログラム_農業競争力強化支援法_農業競争力強化支援法に基づく調査結果
過去5年間の”農芸用鋼管”の相場は、2019年から上昇し続け、およそ約1.35倍となっています。”メッキパイプ”全体としての価格に関しては2019年以降、鋼材価格の高騰に伴って上昇し続けている状況ですので、”農芸用鋼管”の価格も”メッキパイプ”の価格に連動していると言えます。
また、2023年12月に一部のパイプメーカーは、”農業用鋼管”も含む鋼管全製品を対象として、トン当たり1万円値上げすることを発表しました。
参考資料:鉄鋼新聞_2023年12月01日_丸一鋼管、1万円値上げ/1月出荷から、コスト増転嫁
一点注目すべきは、過去5年間の値上げに於いては"農芸用鋼管"と"電線管"は対象外になっていましたが、今回は"農芸用鋼管"と"電線管"を含む全品種となっていることです。
参考資料:産業新聞_2022年7月14日_丸一鋼管 全鋼管製品1万円値上げ 8月から
これは、今回の値上げが母材の値上げだけでなく、物流コスト・為替・人手不足等で諸経費が確実に上がる事が見込まれている点、また品種毎の流通形態を考慮した価格形成を考慮している点があるからだと私たちは考えています。
このような状況をみて2024年の”農芸用鋼管”の価格は、多少価格を反映する時期や値上げ幅にズレが生じるものの、概ね4月出荷分までにはトン当り1万円もしくは既存価格に対して10%程度の値上げを決着する方向で、メーカー・流通各社が取組みを進めていくことが予測されます。
まとめ
今回は、”パイプハウス”の流通構造について解説し、
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