2021.12.15

DX推進の好機!?電子帳簿保存法の改正について。

コロナ禍の影響でリモートーワークが急速に普及し、日本経済のデジタル化が一気に進みました。

この機に乗じて政府は帳簿書類を電子的に保存する際の手続について抜本的な見直しを行い、"電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律"(通称:電子帳簿保存法)が改正され、2022年01月より施行されます。

 引用:国税庁 パンフレットPDF「電子帳簿保存法が改正されました」より

今回はこの電子帳簿保存法の改正について調査した内容と私たちの書類の電子化の取組みを紹介させていただきます。もしまだ準備ができていない方は、私たちの取組みを参考にしていただければ幸いです。

電子帳簿保存法の歴史

電子帳簿保存法は、情報化社会に対応し国税の納税義務の適正な履行を確保しつつ納税者等の国税関係帳簿書類の保存に係る負担を軽減する事などを目的に、1998年07月に施行されました。そして時代の変化に合わせ2022年までにも数回の改正が行われています。

これまでの電子帳簿保存法の改正内容について大きな事柄を以下に簡単にまとめてみました。

2005年の改正
書面(紙)での保存が義務付けられていた国税関係書類などの法定保存文書を、電子データで保存することを容認する"e-文書法"の影響を受けて"スキャナ保存"制度の追加などが行われました。

2015年の改正
税制改正によりスキャナ保存制度の要件が緩和され、電子署名の義務化廃止や契約書・領収書について3万円未満という金額上限がなくなりました。

2016年の改正
スキャナによるデータ化だけでなく、デジタルカメラや携帯電話での撮影によるデータ化が許可されました。

2020年の改正
タイムスタンプの代わりに新たに加えられた電磁的記録方法として、受け取る側が自由にデータを改変できない"クラウドシステムなどのサービス"を利用することが認められるようになりました。

そして2022年01月に施行される今回の改正のポイントは、①国税関係帳簿・書類の要件緩和②電子取引における電子データ保存の義務化③罰則規定の強化の3つです。

2022年電子帳簿保存法改正のポイント
①国税関係帳簿・書類の要件緩和について

<国税関係帳簿・書類の電子データ保存とスキャナ保存に於ける事前承認制度をそれぞれ廃止>

これまでは"国税関係帳簿"や"国税関係書類"の電子データ保存やスキャナ保存を行う場合、原則として始める日の3ヶ月前の日までに税務署長等へ申請を行い、関係書類を提出するなどして承認を得ることが必要でしたが、2022年の改正後は事前申請が不要になりました。

事前申請が廃止されたことにより、法改正後はいつでも好きなタイミングで電子データ保存やスキャナ保存を開始することができるようになります。

 

<国税関係帳簿・書類の電子データ保存に於ける"システム要件緩和"と"優良保存認定制度"の新設>

これまでは"国税関係帳簿"や"国税関係書類"の電子データ保存には、本物だと確認できる"真実性の確保"と、誰でも視認できる"可視性の確保"が求められ、電子帳簿の保存要件が詳細に定められていましたが、2022年の改正後は簿記の正規原則(一般的には複式簿記)に従って記録されており、以下の最低3つの要件を満たせば、電子データ保存が認められることになりました。

  • システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事後処理マニュアル等)を備え付けること
  • 検索要件として、保存場所に、電子計算機(パソコン等)、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、画面・書面に整然とした形式および明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
  • 税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしていること

また、これまでに定められていた詳細な保存要件や検索要件満たし"優良な電子帳簿"として認定された場合には、過少申告加算税の5%軽減の適用を受けることができます。

 

<国税関係帳簿・書類や電子取引の電子データ保存に於ける検索項目を"日付"、"取引金額"、"取引先"に限定>

上記の"優良な電子帳簿"の認定を受ける場合、これまでは"取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた必要な記録項目により検索できること"が検索要件の一つでしたが、2022年の改正後は記録項目は"取引年月日"、"取引金額"、"取引先"に限定されます。

 

<スキャナ保存に於ける"適正事務処理要件"の廃止>

スキャナ保存に関して、これまでは相互けん制、定期的な検査及び再発防止策の社内規定整備等の"適正事務処理要件"が必要でしたが、2022年の改正後は"適正事務処理要件"が廃止されます。

適正事務処理要件が廃止されることによって、定期検査に必要だった紙書類の原本保管が不要となることや、少ない人数で事務処理を実施することが認められるようになります。

 

<スキャナ保存に於けるタイムスタンプ要件と検索要件の緩和>

これまでは、国税関係書類へ自署した上でタイムスタンプの付与期間が3営業日以内でしたが、2022年の改正後は自署が不要になりにタイムスタンプの付与期間は記録事項の入力期間と同様に最長2ヶ月と概ね7営業日以内とされました。

また、スキャナ保存に於ける検索要件も、2022年の改正後は記録項目が"日付"、"取引金額"、"取引先"に限定されるとともに、売上高が1,000万円以下の小規模な事業者が、税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、検索機能が不要となりました。

2022年電子帳簿保存法改正のポイント
②電子取引における電子データ保存の義務化について

電子取引は、データで授受する方法すべてが対象となります。その為、見積書/納品書/請求書等のPDFをメールで送付する方法や、Web請求書発行システムを利用する方法、EDI取引等も該当します。

電子取引の電子データ保存要件は以下の通りです。

電子データ保存要件

 引用:国税庁 パンフレットPDF「電子帳簿保存法が改正されました」より

~補足~
電子帳簿の検索要件①
"取引年月日"、"取引金額"、"取引先"により検索できること
電子帳簿の検索要件②
日付又は金額の範囲指定により検索できること
電子帳簿の検索要件③
二つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること

2022年電子帳簿保存法改正のポイント
③罰則規定の強化について

電子取引の取引情報に係る電磁的記録に関して、スキャナ保存や電子取引の電子データ保存で隠ぺいや偽装など悪用があった場合、申告漏れに生じる重加算税が10%加重されます。

私たちの取組み

これまでに私たちは、コロナ禍の環境でテレワークやサテライトオフィスを最大限に活用する為に、以下の様々な書類の電子化を行なってきました。

  • eFax (インターネットFAXツール)の導入
  • クラウド型勤怠管理ツール/人事労務ソフトの導入
  • 私たちが発行する納品書/請求書の電子化

※eFaxとは、インターネットを通じてファックスのやり取りができるサービスです。

私たちは今回の電子帳簿保存法の改正に伴い、無料で保存容量/保存期間/利用人数が無制限の電帳法対応ストレージサービスマネーフォワード社の"クラウドBox"を活用して、電子取引の電子データ保存要件を満たした運用を進めます。更に法改正が実施される場合には、それに対応したシステムを導入する予定です。

マネーフォワードクラウドBoxについて詳しく知りたい方は以下のリンクを確認してください。

 リンク:株式会社マネーフォワード クラウドBox

今回の電子帳簿保存法の改正で要件が緩和される事により、私たちだけでなく多くの企業が書類の電子化を行い易い環境になります。そして、書類の電子化を行う事で、紙書類の受け渡しがなくなり、効率的に業務を行うことが可能になると私たちは考えています。

まとめ

今回は来年01月に施行される電子帳簿保存法の改正と私たちの書類の電子化の取組みをご紹介させていただきました。

特に"②電子取引における電子データ保存の義務化"については、多くの企業が該当すると思います。これを機に多くの企業が改正された電子帳簿保存法への切替に着手すると思いますし、また遅くとも2年後までには、電子取引の電子データ保存を電子帳簿保存法適した保存運用方法にする必要があります。

一方で此等の取組は今迄事務処理として大きな負担が生じていた紙での書類の管理や保存を大幅に削減する機会になると共に、地球環境保全の意味合いでも一定のインパクトを産むと私たちは考えています。そして何よりもこの事が具体的に生産性や環境対応に与えるインパクトが、企業競争力の差に繋がっていく可能性が大いにあると思っています。

今後も私たちは、DXを推進し皆様へ為になるお役立ちを実践して参ります。これまでに私たちがチャレンジしてきた書類の電子化について詳細を聞いてみたいという場合には、遠慮なく以下のフォームよりお問合せください。

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