2025.04.09

”公共工事”の具体的なプロセスや如何に?!”立案”から”評価”までの流れをわかりやすく解説。

道路•橋•ダム•学校•病院•公共施設などの国や地方自治体などが発注する建設や改修の工事は、いわゆる"公共工事"と呼ばれ、2025年見通しは前年度と比較して伸び率は落ちるものの、対前年度では増加すると予測されています。

しかし、この”公共工事”は規模が大きくなる場合も多く、具体的なプロジェクト全体としての流れがどのようになっているのかをイメージすることが難しく、経験がないと中々手を出し辛いのが課題です。

そこで今回は、公共工事の”立案”から”発注・竣工”及び”評価”までの流れを我々なりの整理整頓した内容を解説いたします。まだまだ閉塞感が続く建設業界で、皆さまが更に自社の有能さを発揮するチャンスに繋げていただければ幸いです。

公共工事と民間工事の違い

国や地方自治体などが発注する建設工事が"公共工事"である事に対し、その逆の民間企業が発注する建設工事は"民間工事"と呼ばれます。

発注者が異なることの他に、”公共工事”と”民間工事”が大きく異なる点は、”公共工事”は事前に工事の内容や予算及び想定される工期などが事前に公表され、”入札制度”を通じて受注者が決定されることが大きな特徴です。

この”入札制度”によって”公共工事”は、税金の用途の透明性と受注者選択の公平性を確保している訳です。

一方で”民間工事”は入札制度を取り入れている民間企業も存在しますが、一般的には殆どの場合で特定の業者との相対契約や見積り合わせなどの方法が取られることが一般的です。

 

[JP][Blog]入札アイコン-1

公共工事の流れ

”公共工事”の流れを、国や地方時自体といった発注者側の立場で説明すると、①立案②計画③予算化④積算⑤設計⑥公告⑦入札・落札⑧発注・竣工の8段階に分かれます。以下でそれぞれのプロセスについて解説します。

①立案

”立案は、”公共工事”を企画/検討しその必要性を検証するプロセスです。一般市民の生活環境の改善や質の向上など、を目的として立案された”公共工事”により、インフラが完成した後に得られるストック面での効果と、公共工事が行われる事で得られる雇用等のフロー面での効果が企画/検討/検証されます。

②計画

”公共工事”の規模や内容を具体的に”計画”するプロセスです。”立案”された”公共工事”に対し、複数の”概略計画案”が作成され、選定/決定されます。

③予算化

”公共工事”に必要となる予算を確保するプロセスです。”概略計画案”を基に国会や地方自治体の議会で必要な予算の承認を得ることで、”予算化”が実現されます。

④積算

”公共工事”にかかる費用を具体的且つ詳細に算出し、入札の予定価格を算出するプロセスです。”積算”に用いられる予算の数値は、発注者である国や地方自治体が定めた"積算基準"に基づき、適正且つ公平に設定される必要があります。

⑤設計

”公共工事”に必要な図面や仕様書などの”設計図書”を確定するプロセスです。”設計図書”は、発注者側である国や地方自治体が施工者へ”公共工事”で実現したい具体的な意図を伝えるための書類となります。

⑥公告

発注内容を公表して請負企業を募集するプロセスです。発注者は、入札情報などの調達に関わる情報を、官報や新聞及びインターネットなどの媒体を通じて”公告”として公開します。

⑦入札・落札

”公共工事”の建設や関連業務を発注する際に、最も適した業者を選ぶプロセスです。”入札”には、"一般競争入札"や"指名競争入札"などの種類があり、”入札価格”だけではなく業者の"実績"や"技術力"、"品質"、"新しい技術の導入"等が総合的に評価され、”落札業者”が決定されます。

また、”入札”がされない"入札不調"や”落札”で”落札業者”が決まらない"入札不落"になった場合は、"再入札""随意契約"などが行われます。

⑧発注・竣工

”落札業者”と”公共工事”の契約を交わすのが”発注”、完成後に引き渡しを受けるのが”竣工”のプロセスです。発注者は”落札業者”と法令に基づいた厳格なルールの下で、”公共工事”の契約を締結します。契約が締結された後に”落札業者”は”公共工事”に取り掛かり、”落札業者”は”竣工”をもって”公共工事”を完成させ、発注者に引き渡します。

完成後の評価

”公共工事”を発注した国や地方自治体は、完成後に施工状況や出来栄えなどを総合的に評価し、"工事成績評定"を採点します。この”工事成績評定”の点数は、次回以降の入札時の”落札業者”の"実績"や"技術力"及び"品質"の参考値として採用されます。

[JP][Blog]工事成績評定

まとめ

今回は”公共工事”の”立案”から”発注・竣工”及び”評価”までの流れを我々なりの整理整頓し、解説してみました。

”公共工事”は、税金から賄われることが殆どであるため、”立案”から”発注・竣工”及び”評価”までのプロセスは、基本的には公開されることなっています。

特に”入札情報”や”落札業者”の情報は、透明性を確保し不正行為を防止するため、発注者によって公表する義務があるので、”公共工事”に関する情報は、インターネット等で探せば比較的に見つかり易く、今後は生成AIを使って調査すれば、より詳しい情報が得やすくなると私たちは考えています。

何かお気付きの点や疑問に感じること及びもっと詳しく知りたい情報などが御座いましたら、当社ではブログに関するご意見・ご感想及びご質問やリクエストも募集しておりますので、是非以下のページからご連絡をいただければ幸いです。

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