2025.02.19

"単管パイプ"の需給動向や如何に?!軽仮設リース業界の変化と今後についての考察。

”単管パイプ”は、工事現場での”仮囲い”や”単管バリケード”や、プラントや造船等での様々な形状の建築物への対応で活躍する一方で、戸建てや集合住宅及び倉庫や工場等の土木/建築現場での”システム足場”などの普及により様々な変化に晒されています。

その様な状況下で”単管パイプ”は、自社保有しているケースも少なからずありますが、近年の資材高騰や自社の財務内容を改善する為の資産圧縮の一環で、仮設リース業者からレンタルする場合が増えてきています。

そこで今回は、軽仮設リース業界に於ける”単管パイプ”の需給動向について我々なりに調査し考察してみました

建設投資の動向について

2020年以降の建設需要は、公共工事に於いては老朽化したインフラの整備や災害復旧工事などの需要で大きな落ち込みはなく安定しています。

一方で民間の建設需要は、九州や北海道での半導体工場やそれらに伴う地域開発、首都圏の再開発など、民間企業の建設投資も順調に増えてきています。

[JP][Blog]建設投資の推移参考:建設業デジタルハンドブック_建設投資の動向

今後も建設投資は、公共・民間工事ともに金額ベースでは順調に増加する見込みで、それに伴い軽仮設資材も建設需要と同様に金額ベースでは上昇していく事が考えられますが、足元のインフレにより資材価格の高騰を踏まえると、数量ベースでの動向には要注意です。

軽仮設リース業者に於ける単管パイプの需要動向について

国土交通省が発表している建設関連業等の動態調査報告によると、軽仮設リース業50社の丸角部材の保有量と稼働量はともに緩やかでありますが、上昇傾向にあります。

[JP][Blog]軽仮設リース業協会稼働率

軽仮設リース業者の保有量と稼働量が増えている背景は、前述した建設投資が増加している事と、丸角部材を保有する施工業者が少なくなり、軽仮設リース業者から機材をレンタルする施工業者が増えた事の2点が推測されます。

その理由は、2019年後期より鉄鋼製品の段階的な値上げが実施され、鋼管類も以下のグラフのようにおよそ1.4倍値上がりしたため、新品の丸角部材を購入するよりも、レンタルで必要な資材を賄うという業者が増えているからであると考えます。

[JP][Blog]鋼管の価格推移

今後の需要動向について私たちの考察

建設投資が順調に増えていく見込みの中、今後の”単管パイプ”の需要動向を占う大きな要素として「建設業界の2024年問題」と「造船業界の動向」の2つがあります。

"建設業界の2024年問題"により人手不足などが理由で必要な"人工(にんく)"を確保し辛くなる事が予想されます。その結果、工期が遅れたり延長された場合には、軽仮設資材の受注が遅れるケースがある一方で、”仮囲い”や”単管バリケード”等ではレンタル期間が伸び、必要な資材が不足する可能性も想定されます。

さらに日本の造船業界に於いては、主要造船所が2028年前半までの船台をほぼ埋まっており受注が非常に好調な状況ですが、造船業界も建築業界と同じく人手不足や資材高騰の影響を受けており、自社の保有材料で賄っていた単管パイプが足りなくなり、軽仮設リース業者からレンタルされるようになると、”単管パイプ”が不足するのではないかとも考えられます。
参考:ぞうせんブログ_どうなる?!日本の造船業界2025

つまり大きな流れとして軽仮設リースの活用が進み、”単管パイプ”の使用効率は業界全体では向上する一方で、資材の高騰により軽仮設リースへの依存度が向上しているに加え、新たな現象として人手不足による”人工”の確保が困難になるケースが頻発しており、それらの影響から”仮囲い”や”単管バリケード”等ではリース期間が延び、”単管パイプ”が不足する可能性も、大いに考えられる訳です。

まとめ

今回は、軽仮設リース業界に於ける”単管パイプ”の需要動向について考察してみました。

軽仮設リースの活用により”単管パイプ”の使用効率が向上する一方で、軽仮設リースへの依存度の増大と人手不足による工期の延長が重なる事により、今迄と異なり需給状況が読み辛くなっています。

その為に”単管パイプ”需給が急に逼迫する可能性もあるので、”単管パイプ”のご購入を検討される場合には、なるべく早めにご相談いただく事が肝心だと我々は考えております。

当社の単管パイプの見積が欲しいというお客さまがいらっしゃいましたら、以下のフォームより気軽にご相談ください。

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