2022.12.21

単管パイプはもっと要る?!機材センターでの保有量について。

2022年12月12日に公益財団法人日本漢字能力検定協会が、今年を表す漢字として、"戦"を発表したことが話題を呼びました。ロシアのウクライナ侵攻のほか、円安・物価高による生活上の"戦"いなども影響したようです。

こうした円安や物価高が建築・土木・仮設工事にも影響を及ぼしている状況で、軽仮設リース業者さまなどから「工事が延期になった」という声や、「荷動きが悪い」といったお話を伺っております。

軽仮設リース業者さまは、リースした仮設機材の一部が滅失する事によって保有量が少なくなってしまいますので、お客様のご要望に応える為に、円安や物価高の状況下でも、ある程度の仮設機材を仕入れなければならない状況かと思います。

そこで今回は、当社がで調査した"日本全国の軽仮設機材センター全体の単管パイプ保有量の推移"と、それに対する考察をご紹介いたします。今後の在庫補充の参考にしていただければ幸いです。

 
製品資料ダウンロード/足場管SL 
 

調査対象について

今回の調査では、一般社団法人仮設工業会が公表している"経年管理基準適用工場保有量"の統計を参考に、私たちが一部データを補間して"リース・レンタル会社および修理会社の管理する機材センター"と"建設会社等の管理する機材センター"の2つを対象に分析/考察を行いました。

リンク:一般社団法人仮設工業会_各種統計_経年管理基準適用工場保有量

ホームセンターで販売されDIYなどで活用されるている足場工事の業者さまが独自で保有している数量は含まれていませんので、あらかじめご了承ください。

2010年から2021年までの単管パイプ保有量の推移

2010年から2021年の期間における機材センターの単管パイプ保有量推移について、調査結果を元にグラフを作成しました。

以下のグラフでは、2010年における"リース・レンタル会社および修理会社の管理する機材センター"および"建設会社等の管理する機材センター"の合計保有数を100%として、各年の増減を表しています。

B.仮設工業会データのグラフ(補完ver)

先ずグラフから分かることは、"建設会社等の管理する機材センター"よりも、"リース・レンタル会社および修理会社の管理する機材センター"のほうが、単管パイプの保有量が圧倒的に多いという事です。

また、全体の単管パイプ保有量は2011年と2015年で大きく凹んでいるものの、どちらも翌年には単管パイプ保有量が100%以上に回復しています。

さらに、2016年から2020年にかけては、単管パイプ保有量は100%前後で安定していましたが、2021年には再び減少に転じています。

グラフから見えてくる今後の傾向

グラフから見えてくる今後の傾向として、以下の3つが挙げられます。

単管パイプの保有量割合について

体の単管パイプ保有量に対する"リース・レンタル会社および修理会社の管理する機材センター"が保有する単管パイプ保有量の割合に関しては、多種多様化する現場に建設会社が合理的に対応する為に、今後も同様に高い割合を占め、微増していく事が予想されます。

さらに円安や物価高といった情勢に於いて、短期的に建設会社は仮設機材への投資がし難くなっている事も想定されますので、足元ではリース・レンタル会社および修理会社のニーズが高まっている事が予想されます。

つまりリース・レンタル会社および修理会社のニーズは今後も一定以上のレベルで継続すると思われる訳です。

変化する単管パイプのニーズ

2010年から2020年にかけて単管パイプ保有量は各年ごとに増減はありますが、10年を通して見ると大きな増減傾向を見ることはできませんでした。

これは、ユニット式の仮設機材や次世代足場が普及して単管足場が採用される可能性が減った現在でも、単管パイプは単管足場の材料だけでなく、仮囲い/バリケード/杭等の様々なシーンで活用できることから、継続的に一定以上のニーズがある為だと考えられます。

そのため、ユニット式の仮設機材や次世代足場の普及状況だけでなく、お客さまのニーズを見極めて単管パイプを計画的に補充する事が重要だと考えられます。

需要に応えられる保有量を検討する必要あり

2010年時点で、全体の単管パイプ保有量は、およそ13,000万m分あると推定されます。グラフ内では十数%の減少ですが、実際にm単位に置き換えてみると、2021年の単管パイプ保有量は、2010年と比べて、実に1,649万m分も減っている事になります。コレは4mの単管パイプ換算すると約412万本、従来管で約4万5千トン、ハイテン管で約3万4千トンに相当します。

2021年の単管パイプ保有量が減少した原因としては、急速且つ大幅なドル高やインフレ及びスタグフレーションへの懸念が話題となる中で、各軽仮設リース業者さまが積極的な投資を控えて、必要最低限の数量の単管パイプのみ保有する機材センターが多いことが考えられます。

とはいえ、保有量を絞った場合には、十分に単管パイプを保有している年に比べて稼働率が高くなり、需要に追いつかなくなる可能性があります。

特に事業規模の比較的小さかったり、需要が比較的低調な地域の軽仮設リース業者さまや足場工事の業者さまも、足元の経済状況を踏まえて保有からリースへの切替を積極的に行っていく可能性が高くなります。

その様な状況を踏まえると、足元では仕入れ先との関係強化や事前に十分な稼働や在庫の状態など情報共有を行うなどの対策を積極的に行い、需要に柔軟に俊敏に対応できるような体制を整えることが肝心だといえます。

まとめ

今回は、当社が独自で調査/分析した、"日本全国の軽仮設機材センター全体の単管パイプ保有量の推移"とそれに対する考察をご紹介いたしました。

全体の単管パイプ保有量は減少傾向にありますが、単管足場以外の使い方が広がり、ニーズが多様化する状況も生まれています。

私たちはパイプ製造メーカーとして、お客さまの細やかな声を聞き、お役立ちを実践していきたいと考えています。もし、単管パイプの購入について不安や疑問をお持ちであれば、お気軽にご相談いただければと思います。

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最後まで読んでいただき、心より感謝申し上げます。当社は引き続き、皆さまの為になるお役立ち情報の発信を行なってまいります。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。ありがとうございました。


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