2021.11.10

農業用ビニールハウスにハイテン材を使う注意点。

風や雪に強い農業用ビニールハウスとして、既にアーチパイプへハイテン鋼管を使用されている方も多くいらっしゃる一方で、母屋材や天井ジョイントには従来材を使用している方が大半かと思います。

実は、農業用ビニールハウスの強靭化にはちょっとした工夫や注意をすることでより災害にも強い強靭な農業用ビニールハウスにすることができます。

そこで今回は、今までにご紹介している当社と徳島大学と行なった共同研究も踏まえ、農業用ビニールハウスでハイテン材を活用する際に重要なポイントとなる"母屋材"と"天井ジョイント"の強度について考察のまとめをご紹介させていただきます。

共同研究の内容について

共同研究ではハイテン鋼管を用いた間口が6mもしくは7.2m/奥行が10m/アーチピッチが0.5m/軒高が1.65m/天高が3mの下記の様なパイプハウスを対象に、FAP-3という汎用立体フレーム弾性応力解析ソフトを用いて様々な風荷重ならびに積雪荷重に対するパイプハウス全体系の応力度分布/変位等を解析し、各使用鋼種に対する許容荷重を明らかにしました。

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母屋材の強度も重要

共同研究の結果から特に私たちが注目をしたのはアーチパイプのみではなく"母屋材の強度”も重要である事です。

以下の表でオレンジ色にハイライトしたから、母屋材が従来材のままでは母屋材が先にやられてしまうケースがある事が分かりました。 つまりこの様な仕様では折角ハイテン鋼管を採用しても、その良さをフルに活用できない事がわかった訳です。

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天井ジョイントにも要注意

また農業用ビニールハウスの強靭化を工夫して実現する上では、母屋材だけではなく”天井ジョイント”にも十分に注意を向ける必要があります。

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一部の地域ではパイプにスエージ加工を施し天井ジョイントを使用しない場合もありますが、天井ジョイントを使用する場合にはこの部分が風や雪でやられてしまう可能性があるので注意が必要になってくるのです。

φ25.4に一般的に使用されるジョイントは、従来材STK400のφ28.6x1.2のパイプが使用されてる事が多く、下記の表で比較するとハイテンφ25.4x1.2/φ25.4x2.0のパイプ何れよりも大幅に最大曲げモーメントが低い事が分かります。

最大曲げモーメントが低いという事は、この部分に荷重が掛かった場合より壊れやすいという事に他なりません。

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このようにハウスの強靭化としてハイテンパイプのφ25.4を使用する場合には、前回ご紹介した通り母屋材やアーチ材にも注意が必要ですが、天井ジョイントにも気をつける必要がある訳です。  

まとめ

今回は農業用ビニールハウスの更なる強靭化として、農業用ビニールハウスでのハイテン材を活用した場合の母屋材・天井ジョイントに関する注意点をご紹介をしました。

農業用ビニールハウスもあらゆる構造物と同様に最も強度が弱い部分から壊れてしまう為、総合的に構造を強化する事がとても重要になる事が改めて確認できました。

もし「母屋材のハイテン鋼管が欲しい」、「どこでφ25.4用の強い天井ジョイントが購入できるのかわからない」と悩まれている方がいらっしゃいましたら、当社から供給可能な取引先をご紹介することもできますので、お気軽に下記お問合せフォームよりご相談ください。以上、宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。

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