2020.12.24

農業用ビニールハウスの降雪前/後の対応について

いつもお世話になっております。大和鋼管工業の杉本です。

このたびの大雪により被害を受けられた地域の皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。 一日も早い復旧がなされますよう心よりお祈り申し上げます。

ウェザーニュースによると今冬2020年12月〜2021年2月にかけての降雪量は、北陸/近畿北部/山陰/九州で“平年並または多く、北日本の日本海側で平年並か少ない、その他のエリアは“平年並が予想されています。

一方で昨冬と比較をすると、降雪量が少なかった地域でも降雪量が増えることが懸念されるので、今のうちに事前/事後の対応を考えておくことが重要となります。

このような状況下の中、今回は農業用ビニールハウスの降雪前・降雪後の対応をご紹介致します。

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先週の大雪による被害状況

先週の12月14日から、東北/関東/北陸4県を中心に大雪による農業用ビニールハウスの倒壊被害が出てきています。

特に断続的に雪が降った石川県輪島市では、12月16日までに35棟の農業用ビニールハウスが雪の重みで倒壊したり、シートが破れたりする被害が相次ぎ、栽培している作物に影響が出ています。

農業法人によりますと、これらの農業用ビニールハウスではホウレンソウを栽培していて、今月に入って収穫を始めたばかりでしたが、およそ900キロを廃棄処分にせざるをえなくなり、ハウスの修理やホウレンソウの廃棄などで損害は、500万円を超える被害となりました。

降雪前の事前チェックリスト

今後も断続的に雪が降ることが想定される中、農業用ビニールハウスの被害を抑える為にも、降雪前の事前対策が重要になります。

以下、施設園芸協会がHPに掲載している「施設園芸の被害要因と対策指針」資料に掲載されている降雪前のチェックリストになりますので、よろしければ積雪による農業用ビニールハウス倒壊の予防策としてチェックしてみてください。

   【情報収集】
  • 最新の気象情報/警報/注意報を常にチェックする

    【融雪】
  • 暖房機の燃油残量は十分にあるか
  • 暖房機は正常に作動するか
  • (発電機を持っている場合) 非常用発電機を加温機、環境制御装置に接続したか

    【補強対策・雪の滑落促進】
  • ブレースや筋かいの留め金具に緩みがないか?
  • 谷樋や排水路、ハウスの際などの残雪やゴミは取り除いたか?
  • 準備していた中柱をたてるなど応急的な補強はしたか?
  • 作物を栽培していないハウスは被覆資材を外したか?
  • 被覆材の表面に雪の滑落を妨げるような突出物はないか?

参考資料:一社)日本施設園芸協会 HP_平成 26 年 2 月の大雪被害における 施設園芸の被害要因と対策指針

降雪後の対応ポイント

一方、雪も本格的に降り始め倒壊はしなかったけど、かなりの量の雪も積もり農業用ビニールハウスの損傷はないかご心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、降雪後の農業用ビニールハウスへの対応のポイントについてご説明させて頂きます。

  1. 作業の安全確認
  2. ハウス側面の除雪徹底
  3. 軒下堆積雪の除去徹底
  4. 積雪の偏り確認・対応
  5. 融雪資材の散布
     【融雪資材散布量目安(10aあたり)】
     ・ようりん・炭カル等 40〜60kg
     ・畑土(火山灰土等) 40〜50kg
     ・もみがらくん炭 10〜15kg
     ・粉炭 40〜80kg
  6. 除雪後のハウス点検
  7. ハウス点検後の補修
  8. 栽培管理の復旧・事後対策
    ※破損が著しく解体が必要な場合は、部材を外した時にパイプの跳ね返り等で怪我をする可能性がある為、できるだけ業者や経験者の応援を要請して下さい。

参考資料:JA全農_園芸施設における降雪・積雪対策について

まとめ

今回は大雪等の積雪に於ける農業用ビニールハウスの降雪前/後の対応についてご紹介致しました。

基本的には降雪前~降雪初めの作業を継続して行いきますが、降雪が続く場合は一定収まった後、施設の安全が確認された時点で確認・除雪作業等を行って下さい。そして作業必ずは単独で行わず、複数人で対処するようにして下さい。

また、事前/事後対策をしっかりと行うことで、雪害被害を最小限に止めることもできます。

「急遽部材が必要になった。」「中柱の補強に必要なパイプを探している」等のでお困りのことがございましたら、下記お見積りフォームより当社へご相談頂ければと思います。

 

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