2024年02月05日に低気圧が本州の南岸を東へ進んだ影響により、関東甲信地方では05日昼過ぎから06日午前中にかけて、山沿いや山地を中心に大雪となりました。
今回の大雪により、長野県長野市では05日午後11時までの12時間に過去最大の31センチに並ぶ雪が降る等、長野県内の広い範囲で農業用ハウスが倒壊するなどの農業被害が発生しています。
参考:SBC信越放送HP_大雪の農業被害32市町村で6400万円余りに…
今回は、このような「大雪による"農業用ビニールハウス”の被害を、最小限に抑える為にできる事」を、私たちなりにまとめた内容をご紹介します。
なぜ、積雪でハウスが倒壊するのか?
一般的に”農業用ビニールハウス”の倒壊は、屋根に堆積した雪の荷重•側面に堆積した雪による側圧•肩部に堆積した雪の沈降圧の力によってハウスが圧迫されることが原因です。
”農業用ビニールハウス”の屋根に雪が降り積もることにより、雪の荷重でパイプは肩部→屋根中央部→天井部”の順に変形していきます。最も曲がりやすい肩部は外側方向に、屋根中央部/天井部は内側方向に変形が起こる為、扁平な形状になることで、重みに耐えきれずに”農業用ビニールハウス”が倒壊します。
事前に大雪に備える。
大雪による”農業用ビニールハウス”の被害を最小限に抑える為には、降雪前の事前対策が重要になります。
先ず、加温設備があるならば、積雪前から加温を行う事で、屋根や肩部に積もる雪を融雪し、ハウスへの圧迫を軽減する事ができます。その際に、カーテン等の内部被覆がある場合には、外部被覆と内部被覆の間が断熱層になる為、内部被覆は解放しておく事が必要です。
既設のハウスに補強を行う場合には、”スノーポール”とも呼ばれる”中柱”の活用が有効です。ホームセンターやオンラインショップでも手軽に入手しやすい単管パイプを使用する事も可能です。単管パイプを使用した”スノーポール”については、過去にブログでもご紹介していますので、ご興味のある方は是非ご確認ください。
参考:大和鋼管ブログ_スノーポールでハウスを補強!?雪害対策にも単管パイプの活用を。
また、”農業用ビニールハウス”の内で作物を栽培しておらず付帯設備等の心配もない場合には、被覆資材を外しておく事も有効です。
以下、施設園芸協会がHPに掲載している「施設園芸の被害要因と対策指針」資料に掲載されている降雪前のチェックリストになりますので、よろしければ積雪による”農業用ビニールハウス”の倒壊の予防策としてチェックしてみてください。
参考資料:一社)日本施設園芸協会 HP_平成 26 年 2 月の大雪被害における 施設園芸の被害要因と対策指針
強い農業用ビニールハウスを建てる。
骨組みとなるメッキパイプや接合金具に、許容できる強度を超えた力が加わった場合、”農業用ビニールハウス”は破壊してしまいます。
そこで私たちのハイテン鋼管”STX”などの強度の高い部材を使用すれば、許容できる強度が大きく積雪にも強い”農業用ビニールハウス”を設計することが可能になります。
”STX”は従来材と呼ばれる”STK400”という規格の部材に比べて、約2倍以上の強度を持つ高抗張力鋼管です。下記の表の通り機械的性質である引張り強さ/降伏点又は耐力/伸び及び設計基準強度は、一般鋼管と比べて高く設計されています。
まとめ
今回は、「大雪による"農業用ビニールハウス”の被害を、最小限に抑える為にできる事」を私たちなりにまとめた内容をご紹介しました。
大雪被害は、事前の備えが最も重要です。降雪中や降雪後に作業を行う場合には、”農業用ビニールハウス”が倒壊する恐れがありますので、必ず安全を確認してから作業していただくようお願いいたします。
私たちのハイテン鋼管”STX”についてご興味のある方がいらっしゃいましたら、以下のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。私たちは、これからもパイプメーカーの視点で”農業用ビニールハウス”の強靭化に徹底的に取り組み、農家のみなさまへの為になるお役立ちを充実して参りたいと思います。引続き宜しくお願い申し上げます。
- タグ:
- 農業資材